人狼が流行っている様子です。
やってみようという方も多いと思います。
本エントリは、人狼のGMをやってみようと思っている方に向けて書かれています。人狼を遊んでみたいという方も、そこそこ面白いと思います。
書いているひとの紹介
最初に秋山について。
出身はF国、人狼歴は今年で8年になります。
人狼BBSから審問、天国、欧州、瓜国などを経て、最近は対面式のリアル人狼に傾倒しています。
好きな流れはFOからのライン考察。好きな役職は狩人、次が狂人。モットーは自陣営の勝利より、参加者全員が楽しむこと。よろしくお願いします。
人狼というゲームについて
もう少し前段が続きます。
人狼は広義のボードゲームに含まれると考えています。
正体隠蔽しつつ、推理して、ブラフを交わす、紳士淑女が興じる知的なゲームです。
ただ、勝利に固執するあまり、他プレイヤの人間性や人格にまで踏み込んでしまったり、興奮のあまり否定と拒絶を押し付けることもあります。また、ローカルルールや不透明な常識の積み重ねによって、壁が作られてしまい、敷居が高くなったり、閉鎖性が強くなることもあります。
良いところもあれば、悪いところもあります。
自分はこのゲームが好きなので、少しでも多くのひとが、このゲームを、好きになってくれると嬉しいです。前段おしまい。
進化する人狼と脱落するプレイヤについて
人狼というゲームは、参加者全員がプレイを繰り返すことで、様々な作戦を試し、その結果から多くを学習し、じょじょにゲーム性が深みを増していくのが面白いです。
人狼BBSの初期村を見ていると、COという概念はなく、対抗や騙りという概念もありません。ある時から、これらが発生し、戦術として有効であることが認められ、やがて定石やセオリーとして根付き、飽き足らぬプレイヤによって、特殊な役職が量産されていきました。
ただ、実際のところ、そこには多くの脱落がありました。
1回だけやってみたけれど、よく分からないうちに負けて終わった。面白くなかったので、2度とやりたいと思わない。
そういう不幸な出会いと別れも多かったことでしょう。
これをなくしたい。
という想いがあります。
初心者だけの人狼
人狼のルールはシンプルです。
村人を装った人狼を処刑するだけの、かんたんなお仕事です。
問題は、いかに人狼を特定するかです。あるいは、特定されないかです。
占い師の存在しない、人狼と人間だけの村は、単なる運ゲーであると断定します。そこに明確な指針や推理はなく、単なる気まぐれと偶然によって勝負が左右されます。これは面白くないでしょう。
占い師の存在する村は、少し知的さが向上します。しかし、人狼の正体を知りうるのは1人のプレイヤだけで、他のプレイヤにとっては依然として気分と運のゲームです。
狩人の存在する村では、占い師がCOすることができます(狩人に守ってもらえるので)。こうなると、占い結果は村人全員に共有され、全員が少ないとはいえ情報を以って、ゲームに挑むことができます。ちょっと面白くなるでしょう。
ここまでは、わりと、さらりと来れると思います。
問題は、この次です。
人狼が占い師を騙りだす。2人の自称占い師が並び立つと、ゲームは俄然、面白くなるのですが、ここに壁があるように感じます。つまり、嘘をつけるかどうか。
初心者村でやったこと
ここからが主題となります。
少し前に、ミスボドで人狼初心者村を立てました。
参加者は20名。占霊狩共共狂に人狼は4匹入れました。完全なる初心者は3名ほど、半数がプレイ回数10回以下でした。
このときにGMとしてやったことを下記に列記します。
・統一占いするように指示しました。
・能力者占いを禁じました。
さらに最初の夜、能力者確認の時間において、
・人狼陣営には最低2人、騙るように指示しました。
・狂人にも騙るように指示しました。
・共有者には、どちらかにCOするように指示しました。
後、昼の時間には誰が処刑され、誰がCOしたのかなどの情報を黒板に書いたり、夜の時間には、誰を襲撃すべきか、誰を護衛すべきか、騙り占霊結果は、どうすべきかヒントを出したりしました。
そうした理由
GMとして前に出過ぎである。
という意見もあるでしょう。
なるほど、もっともです。
人狼というゲームは、プレイを繰り返し、自ら学習し、複雑になっていく様を含めて楽しむものですし、GMの過剰な干渉は、ゲームを面白くなくさせるかもしれません。
でも、一足飛びになろうとも、誰かが騙り、対抗が現れる人狼を経験して貰いたい。という想いを胸に秘めて敢行しました。また、どうせ他のGMは、ここまではしないでしょうから、ひとりくらいは、こういうGMがいても良かろう。とも思いました。
結果について
良かったのではないでしょうか。
人狼数回目にも関わらず狂人を引いてしまい、占い師を騙るはめになったうべさんは、傍から見ていてバレバレでしたが、まちこさんに黒を出し、しっかり道連れにして格好良く吊られていきました。
同じく不慣れにも関わらず霊能者を騙ったペリーさんは、途中で破綻してしまいましたが「あれ……! 矛盾してない!?」と気づいた初心者の方は、非常に興奮しておられました。
あまり喋れなかった人狼初プレイのめめさんは、後でワンナイト人狼に参加して、理解を深めていた様子ですし。
総じて、けして悪くはなかったなという印象です。
振り返ってみて
やってみて良かったなと思うのは、GMとして「騙ってください」と明確に指示したことかなと考えています。
当たり前ですけれど、嘘をつけないひと、つきたくないひとはいますからね。
秋山に言われて、仕方なく嘘をついたという心の防波堤があれば、まだ気持ちが楽になるのではないでしょうか。
まとめ
繰り返し遊ぶことによって、人狼というゲームは、プレイヤ自らの手によって深みを増していくものです。その経緯や推移も含めて楽しめると思います。GMが手を差し伸べすぎるのも無粋と言えるでしょう。
ただし、完全に放り出してしまうと、なにをすればいいのか分からずに困惑するし、場合によっては喋らずに黙り込んだ方がいいのでは? という思考に至り、沈黙が支配する退屈なゲームになってしまうかもしれません。
適度な調整を試みてください。
おわりに
と言うわけで、初心者村を立てたときのことについてまとめてみました。
楽しい人狼を広めようとしている諸兄の参考になれば幸いです。