雲上ブログ〜謎ときどきボドゲ〜

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秋晴れの気持ちいい日に古書店巡りをしたこと

 11月15日、古書店を巡り歩きました。
 メンバーは秋山の他、添田健一さん、真乃晴花さん、そして遠野夜明さんです。
 当初は、双子のライオン堂さんを訪問しようと考えていたのですが、そえさんの新刊『墨妖』のポストカードが仕上がったので、せっかくなので、これを置いていただけないかお願いすべく、巡り歩くことにしたのです。

古本 よみた屋


 最初の訪問は吉祥寺駅から徒歩数分の好立地にある、よみた屋さんです。
 店長の澄田喜広氏による『古本屋になろう!』は、若手の古本業界への参入を歓迎し、公にされない情報や経緯のコツを惜しげもなく書ききった名著と聞いています。また、公式サイトには、従業員向けのマニュアルが公開されており、透明性と誠意を感じます。
 実際に店舗を訪ねると、店内は明るく、よく整理されており、店員の皆さんはマニュアルに忠実に動かれていました。具体的には、せっせと掃除をしていたり、作業を進めていたりなどです。店長は不在でしたが、それ故に、その考え方や姿勢が、よく浸透していると感じました。
 10時半の待ち合わせで、そえさんと真乃さんは時間通りに来ましたが、よあけが来ないなあと思っていたら「寝坊しました」とのこと。あやつめ……。

井の頭公園


 架空ストアさんへ向かうべく、井の頭公園を突っ切って歩きます。
 井の頭公園を訪ねるのは初めてのことです。唐突にそえさんから「僕は公園で好きで、『墨妖』のラストシーンも、実は井の頭公園をモチーフとしていて」と語りだして驚きました。

 井の頭公園の湖には、スワンボートが出ていて真乃さんと乗りたいなあと思ったのですが、真乃さんには「添田さんと乗ってください」と断られ、そえさんには「僕と秋山くんが乗ったら腐女子が喜んじゃうから嫌です」と断られ、まったく散々でしたよ……。

漫談家 東方力丸さん


 井の頭公園の名物、東方力丸さんです。初めてお会いしました。
 色んな漫画を、画用紙に拡大コピーして張り付けて、朗読しながら見せるという、いわゆる大道芸人さんでしょうか。当初は『ジョジョの奇妙な冒険』における、承太郎とDIOの最終決戦を演じていただこうと思ったのですが、朝一でテンションが低いと仰られるので「じゃあ『ウシジマ君』をお願いします」というひどい提案をしてしまいました。
 そうして、そえさん、真乃さんと並んで『ウシジマ君』の第一話を演じていただきます。爽やかな風が吹き抜け、穏やかな木漏れ日が降り注ぐ中『ウシジマ君』ですよ……次回こそ『ジョジョ』ですね!

架空ストア


 井の頭公園を抜けて、閑静な住宅街のど真ん中にありました。事前にメールでお伺いしますねとお伝えしたときは、小さな店舗なので、わざわざ来なくてけっこうですとご連絡いただきましたが、いやはや、架空ストアさんは、もっと自店舗を推すべきですね!

 見よ! この丁寧に陳列された豆本棚を!

 見よ! この同人誌を!

 この同人誌を!

 同人誌を!

 フリーペーパーのコーナーもあるぞ! 架空飛行もな!!
 その他に、特に撮影はしませんでしたが、雑貨や小物類も充実していました。
 吉祥寺駅からは距離がありますが、道中に可愛らしい雑貨屋や素敵なカフェ、井の頭公園を散策できることを考えると、何度でも訪ねたいお店ですね。
 テンションが上がってしまい『墨妖』のポストカードだけでなく、フリーペーパー『ゆるふわ紙 Vol.2』も置いていただきました。ありがとうございます。

西荻窪


「中央線沿いの駅はですね、どの駅にも異なる文化があって、ひとつ隣の駅に移動するだけで、だいぶ趣きが異なるんですよ」とは、そえさんの言です。
 と言うわけで、吉祥寺から西荻窪で移動です! 休日は快速が止まらないから要注意な!!

盛林堂書房


 まずは、盛林堂書房さんです。
 訪問したのは二回目ですが、いやはや、何度、訪問してもグッと来ますね。店内が圧倒的に綺麗で、明るくて、雑然としているところが皆無なんですよ。店舗両側の壁と中央に棚があり、二列に分断されています。レジはお店の奥にあって、店長は少し身体を傾ければ、店舗を一瞥することができそうです。普段は視線が遮られているので、お客さんから落ち着いて棚を眺めることができそうですし、この設計も好ましいです。

 後は、何と言っても盛林堂書房さんでしか入手できない、レアリティの高い本ですね。前回訪問時は、加瀬義雄『失われたミステリ史 増補版 附 S・A・ドゥーセ作品集』を即買いでしたが、今回も橘外男『怪奇冒険小説 死の谷を越えて ―イキトスの怪塔―』を即買いでした。迷う理由がありません。
『墨妖』のポストカードも置かせていただきました。また、11月25日以降、添田健一さんのサイン入り『墨妖』を取り扱っていただきます。添田健一さんのサインが貰えるのは、文学フリマで直接買うか、盛林堂書房さんで買うかどちらかだけです。よろしくお願いします。

古書 音羽館


 西荻窪古書店と言えば、音羽館でしょう。
 音羽館のために西荻窪まで来る方も多いらしく、秋山も、東京在住時、西荻ブックマークに参加する際は、その前後に、必ず音羽館に足を運んでいました。この日も、お客さんの入りは上々で、お店の中にも外にも多くのお客さんがいました。遅れてやってきたよあけも「盛林堂さんとは、だいぶ客層が違うね」とコメントしていました。

『墨妖』のポストカードも置いていただけました。また『幻視コレクション』も少部数、扱っていただけることになりました。よろしくお願いします。

キムラカン(Kimura Kan)


 音羽館から西荻窪の駅に向かう途中「お昼どうしましょうか?」と話していたら、そえさんから「ステーキはどう? 今、歩いているこの道は、ステーキ通りと言って、美味しいステーキ屋さんがいっぱいあるんですよ」と提案いただいて、キムラカンに入ることにしました。
 と言うわけで、こちらA定食です。なかなかボリューミィですね。分厚いハンバーグに、カリッと仕上がったエビフライ、そしてクリームたっぷりのコロッケ。あれ、ステーキは……?

中野サンモール商店街


 西荻窪を離脱しての、お次は中野のサンモールです。
 中野には、ちょいちょい来ていますが、サンモールに入るのは久々です。相変わらずのサブカル感。悪くないです。

タコシェ


 と言うわけで、サブカルと言えばタコシェタコシェと言えばサブカルです。この日もいい感じな看板に出迎えられて入店すると、店内にサブカル男子とサブカル女子が睨み合っていました。尚、サブカル観については、「"超"初級サブカル女子入門」が分かりやすいです。

みなさんは、サブカル女子に憧れたことはありませんか?
サブカル女子は、資格がなくても誰でもカンタンになれるものなのです。
今日は読み終えるまでのたった10分で、サブカル女子に変身してしまいましょう。

http://togech.jp/2013/08/13/3013

 睨み合うサブカル男子とサブカル女子をかき分けて、店の奥へ向かいます。残念ながら、メールで問い合わせに応じてくださった方はいらっしゃいませんでしたが名刺と『墨妖』のポストカードをお渡しできました。諸派入り乱れる群雄割拠のサブカル界において、果たして秋山は戦えるのか……! 否か……!*1 *2

模索舎


 再び中央線に乗って新宿へ。目指したのは模索舎です。
 模索舎を訪ねるのは半年振りくらいでしょうか。鳴原さんに案内いただいて訪問したのが、ちょうど春だった記憶があります。
 模索舎さんは部落解放・人権・在日・天皇制・教育・環境等、社会問題などに特化した歴史ある書店さんで、思想や哲学も扱っておられます。文芸はほとんどないのですが『墨妖』と『幻視コレクション』ならばお願いできるのではと思ってお伺いさせていただきました。そえさんとふたりして緊張しながら、ご挨拶させていただき、『墨妖』のポストカードを置かせていただきました。ありがとうございます。

古書ビビビ


 新宿に舞い戻り、今度は小田急線に乗って下北沢へ。目指すはビビビさんです。
 下北沢は西瓜鯨油社の牟礼鯨のホームグラウンドです。油断すると見つかって話しかけられて面倒なことになるので、隠密行動が求められます。文学フリマ非公式ガイドブックの打ち合わせは、下北沢で行われることが多かったので、秋山と真乃さんは一年半振りくらいです。土曜日の昼過ぎという時間もあって、店内はけっこう賑わっていて、大勢のお客さんが出入りしていました。店頭には、鯨さんの本だけでなく、清風さんの本も出ていました。
 店長にご挨拶させていただきましたが、ちょうどそのタイミングで査定が入ってしまい、『墨妖』のポストカードはお渡しできず、後日お送り差し上げることになりました。

都営大江戸線に潜む魔

 下北沢から新宿へ戻る途中、急行に乗るために各停を見送ったら、まさかの事故で遅延! 遅れてやってきた急行は、けっこうな混雑度で、がんばって乗り込みます。新宿駅到着後は、白山の双子のライオン堂へ向かうために都営大江戸線に乗り換えます。この日は17時からイベントとのことで、それまでに着く必要があります。
……が! ここで問題発生。うっかり都庁前で乗り換えるのを忘れ、光が丘方面に行ってしまったのです!!
 気付いた頃には時遅し、折り返しても17時には間に合わないことが分かりました。愕然としつつ、双子のライオン堂さんには詫びの連絡を入れ、イベントが終了する19時に合わせて訪問するために、先に池袋へ向かうことに……。

古書ますく堂


 双子のライオン堂を優先したいというよあけと別れ、そえさん、真乃さんと3人で池袋にある古書ますく堂へ。
 ここは、非常に素敵な、居心地の良いお店でしたね。お客さんに腰掛けて貰うように畳があったりして、とても歓迎されている感を受けます。元々、バーだったらしいお店を改装して古書店にしたそうですが、お酒の中でもウィスキーが好き、バーを愛する秋山にとって、至高の空間です。

 増田さんも非常に物腰のやわらかな方で会話が弾みます。『墨妖』のポストカードは一等地に置いていただきました、ありがとうございます。

双子のライオン堂


 池袋から巣鴨へ、そこからはタクシーを使って、双子のライオン堂へ向かいました。
 ちょうどイベントの真っ最中で、店内はお客さんが何人も立っていて、奥では講演がされていました。店内には、顔を赤くしたよあけがいて「金麦で買収された」と謎の発言……お店の中を見て回っていると、tanakaさんに金麦を手渡されて、よく分かりませんでしたけれど「え、貰っていいんですか? 貰っちゃいますよ? ぷしゅっ、ごくごくごくごく、ぷはーっ、ああー、双子のライオン堂は良いお店ですね!」買収されました。

 イベントの最中にも関わらず、店長がちょっと抜けてくださって会話できました。『墨妖』のポストカードも置いていただけました。ありがとうございます。

終わりに

 そんなこんなで10時半から19時まで掛けて、9店舗を巡り歩きました。
 けっこう楽しかったので、定期的に巡り歩きたいものですね。次回は三鷹の水中書店さん、阿佐ヶ谷の古書コンコ堂さん、そして時間があれば三鷹テンデイズゲームズさんと高円寺のすごろくやさんにも立ち寄りたいですね。
 ところで、秋山は、基本的に包み隠さず、すべてをオープンにしてしまう性質なので書いてしまいますが、今回、実際に書店さんをお伺いさせていただき、感じたこととして、誠意というものがあります。作り手側は、多くの書店さんに置いていただくことで、販売の機会が増えて嬉しいですが、書店側としては、貴重な売り場面積を、売れるかどうか分からない本に占有されるということで、リスクが大きいです。売れる本ならば、積極的に扱いたいですが、同人となると、そうもいかないでしょう。しかも、いつ撤退されるか分かりません。なので、だからこそ、丁寧に受け答えしてくださった方に、とても感動しました。そして、同時に、秋山も誠意をもって、期待に答えなければという気持ちを抱きました。
 と言っても、何が出来るかはよく分からないので、とりあえずは宣伝をしっかりすることと、東京に行くことがあれば、時間を見つけて各店を訪問したいと考えています。このエントリを、ここまで読んでくださった皆さんも、是非、上記お店にはお立ち寄りいただき、まずは『墨妖』のポストカードを手にとっていただければ幸いです。

*1:なんか、ちょっとサブカルを馬鹿にしている風に読み取ることができるかもしれませんが、これは秋山の、サブカルに対する屈折した愛ゆえの発言であり、この自己否定感も含めてのサブカルなのです。

*2:もう、わけわからん……。