ウニゲームスさんのゲームマーケット2018秋の新作『真贋のはざまで』を遊びました。
4~9人で遊べる、ブラフ要素と正体隠蔽要素のある競りゲームです。
プレイヤは、それぞれ3枚の名画を手に、裏オークションに向かいます。
手番プレイヤは自分が持っている絵画を出品し、それが贋作であろうと、もっともらしく真作であるとアピールします。
ゲーム終了時、それぞれの正体に書かれたそれぞれの目標を満たすか、真作や価値ある贋作の落札に成功することで勝利します。
ダ・ヴィンチの『モナ・リザ』や、ムンクの『叫び』など、実在する8枚の名画を使ったゲームです。しかし、コンポーネントには20枚以上の名画が含まれており、表面は同じ絵画でも、ひっくり返すと真作だったり、贋作だったりします。
ゲーム開始時、各プレイヤに絵画カードを配るのですが、この時点で『モナ・リザ』が5枚も見えたりすると「おやおや、どうやらこのオークションには、いくつもの『モナ・リザ』が出回っているようですなあ。もっとも、真作は、私が持つ、この『モナ・リザ』だけですが、ほほほ」とか、ロールプレイに熱が入ります。
各カードの裏面には、その絵画に関する情報が記載されていて、出品する手番プレイヤは、それを読み上げることになります。
真作と贋作とでは、その絵画が所蔵されている美術館の名前が違っていたり、描かれた年代が異なったりします。美術ガチ勢であれば、そういった情報から、出品されている絵画が真作なのか贋作なのかを判断することができますが、多くのボードゲームプレイヤは、美術ガチ勢ではないでしょうから、なんとなく雰囲気で遊ぶことになるでしょう。
そして、事実、なんとなくの雰囲気だけで充分に楽しいし、笑えます。
以下、少しネタバレになるので、ご注意ください。
今回、秋山は「画学生の親友」という役職で、だったのですが独自の目標に「あなたか画学生のどちらかが『楽譜を読む女』を所持している場合、勝利点に+3億点」というのがありました。
3億点となると、1億や2億の真作を競り落とすより、はるかに価値があります。なので、ゲーム中、ずっとそこに集中していたのですが、いやはや驚きました。『楽譜を読む女』は、ヨハネス・フェルメールによる『手紙を読む青衣の女』の贋作だったのですね。そんな美術知識を持ち合わせていなかった秋山は、表面は同じ絵なのに、あるプレイヤから出品されたときは『手紙を読む青衣の女』だったのに、他のプレイヤから出品されたときは『楽譜の読む女』だと言われ、えらく困惑しました。
ゲーム後に気づきましたが、この『楽譜を読む女』という贋作が生まれた由来は面白く、どうしてこれを所持することによって追加の勝利点が得られるのかという下りは、けっこうドラマティックでした。
絵画がお好きな方や、美しいコンポーネントのゲームを集めている方にオススメしたい作品です。
なにを質問すればよいか分からないよね。ぺこら、ムンクの『叫び』を2枚、持ってたよ。だから、文面を見比べたんだけど、違いが分からなかったよ
所蔵されている美術館や、描かれた年代、キャンバスの種類とか、ほんの一部分しか違いがないから、ちょっと見比べても、すぐには気がつけないかも
後は、職業の持っている知識で『大はしあたけの夕立』の値段を知ってたんだけど、まさか贋作の方が、価値が高いとは思わなかったよ
ゴッホが模写した『雨の大橋』ね
タイトルを聞くだけで「おっ、なんかおかしいぞ!?」と思うんだけどね
向かいに座っていた方は『手紙を読む青衣の女』と『楽譜を読む女』の両方を持ってたから、配られたタイミングで見比べまくってたね。まさか、そんなことになっているとは思わなかったから「ふしぎな動きをしてるなあ」と思っただけだったけど