2016年に封切られたクライム映画『グランド・イリュージョン 見破られたトリック』を観ました。
前作『グランド・イリュージョン』は疾走感があって面白かったので、シリーズ第2弾も観ようと思ったのがきっかけです。尚、ネタバレありでお送りします。
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いつだって逆境は盛り上がる
前作の結末において、アイに受け入れられたフォー・ホースメン。
どんな物語が繰り広げられるにせよ、彼らの成功は約束されているし、向かうところ敵なしなのでは? と思っていたので、マジックでトリックなエンターテイメントを楽しませていただこうと肩のちからを抜いて鑑賞を始めたのですが、オクタ社のイベント失敗に始まり、どうしてだかディラン・ローズがアイ側の陣営であることはバレていますし、脱出した先がマカオという摩訶不思議なマジックで、最初からピンチもピンチ、いいとこです。
逆境の方が盛り上がるのは間違いないでしょうが、いくらなんでもどん底すぎやしませんでしょうか。のんびり落ち着いて観るはずが、いきなり手に汗にぎることになり、肩が凝ってしまいました。
ディランはなぜバレたのか?
冴えないFBIの特別捜査官で、フォー・ホースメンの影を必死に追っていたディラン・ローズ。
他ならぬ彼が、実はアイ側であった! というのが、前作最大の驚きであったと言っても過言ではないはずです。今回も当然、FBIに身を置いて、捜査を進めるふりしてフォー・ホースメンに手を貸すのかと思いきや、どうしたって速攻でバレてるんですかねえ。そんなヘマを犯したのか? 犯したとしたら、それはどういったものなのか?
ここらへんの説明が、ちょっと控え目だったのが、残念な感じでしょうか。
前作のヒロイン役とも言えるアルマ・ドレイは、姿を現すどころか、名前も呼ばれませんでしたし……空白の1年間にいったい何があったのでしょうか。
マカオ編は冗長
前作と比較すると、今回は、途中、ちょっと間延びしていたような気がします。
チップをトランプに隠し、これをパスしつつ身体検査をパスする場面なんて、明らかに長すぎでした。すごいカメラワークと宙を舞うトランプという演出で誤魔化していますが、実際には、こんなことやるんでしょうか? 不可解です……。
前作は3箇所でショーを行って、金持ちから大金を奪ってバラまくという構造が明確だったのですが、今回は、あんまり構造が分からず……と言うか、その場その場で盛り上がるであろう、観客が驚くであろう展開を追うことばかりがフォーカスされていて、全体的な物語としての整合性は不一致を起こしているように感じました。
サディアス・ブラッドリーの正体……
いやー、もう、これだけはという感じでした。
彼までもが実は仲間であったならば、それは最大の驚きだろうけれど、もし彼が仲間であったならば、前作含めほんとうにさまざまな物事に対して説明がつかなくなるので、これだけは……と思っていましたが。
やりやがった……!
って感じです。
これで観ているひとは驚くと思ったのでしょうか……。
終わりに
と言うわけで、全体的になんとなくモヤモヤでした。
そして、そのモヤモヤを解消できないまま、一気に書いてしまいました。
随所随所では、けっこう面白かったんですけどね。その一瞬の驚きを楽しみ続けるという観点では、非常に楽しく盛り上がりました。