雲上四季〜謎ときどきボドゲ〜

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原作者・尾田栄一郎が製作に携わっている『ONE PIECE FILM』3作の感想(ネタバレあり)

 この夏、東京ドームシティアトラクションズで、3年ぶりの劇場版となる『ONE PIECE STAMPEDE』とコラボした、リアル脱出ゲームが開催されることになりました。
 そこで予習をかねて、最近の劇場版を観ようと思い『STRONG WORLD』、『Z』、『GOLD』の3作を観たのでした。ネタバレありで感想を書きます。

この3作を選んだ理由

『ONE PIECE』の劇場版は2000年に第1作が公開され、2009年までは毎年、1作ずつ作られていましたが、この10作目において原作者の尾田栄一郎を総合プロデューサーに迎えて手がけられたのが『ONE PIECE FILM STRONG WORLD』となります。
 その後、ブランクを挟んで2012年に公開された『ONE PIECE FILM Z』と、2016年の『ONE PIECE FILM GOLD』は、どちらも総合プロデューサーに尾田栄一郎がいつづけていました。
 劇場版『ONE PIECE』のタイトルを並べてみると、タイトルに「THE MOVIE」が含まれるものと「FILM」が含まれるものと無印の3種類があり、「THE MOVIE」と無印の違いは分かりませんでしたが、「FILM」を含むものは、いずれも尾田栄一郎が製作に携わっている様子だったので、少しだけ観るならばこの3作がうってつけなのでは? そう思ったのでした


ONE PIECEへの知識

 ちなみに漫画『ONE PIECE』は2012年出版の66巻まで読んでいます。
 具体的に言うと、魚人島編が終わり、パンクハザード編が始まったあたりです。

ONE PIECE FILM STRONG WORLDの感想

 いやー、典型的な『ONE PIECE』でしたね!
 金獅子のシキによって、空飛ぶ島メルヴィユの生態系は、しっちゃかめっちゃかにされて、元々の島民たちも虐げられている状況。そこにルフィたち麦わらの一味が訪れて、紆余曲折を経てシキをぶっ飛ばしてめでたしめでたし。
 観ていた瞬間は、孤独に戦うナミに感情移入しましたし、カチコミを掛ける麦わらの一味かっこいい! と思ったりしましたが、冷静になって振り返ると、もうこれ以上はないくらい、完全に、いつもの様式美すら感じられる『ONE PIECE』でしたね

ONE PIECE FILM Z

 お次は、元海軍大将の黒腕のゼファーにして、現在はNEO海軍のZと戦うお話。
 いや、これ、どうだったのでしょう?
 Zの半生を考えると、情状酌量の余地があるというか、可愛そうだとは思いますが、今回は完全に海軍内でなんとかしろ的な話だったのではないでしょうか。アインとビンズのふたりも、尊敬する先生とは言え、よくもまあ、こんな極端な思想の持ち主に従おうと思いましたよね。
 だいたい、一般人を犠牲にしてでも、すべての海賊を滅ぼそうとか、土台、無理な話ではないでしょうか。仮に計画が成功して、新世界が滅びたとして、東西南北の海には、まだ海賊は残っているわけで、海賊だけでなく地上にいるただの悪人とかは良いんですかね。
 チョッパーに命を救われながらも、速攻で手のひらを返したのもあって、今回は、ちょっと……でしたね。

ONE PIECE FILM GOLD

……で、ついに『GOLD』に至るわけですが、これは傑作ではないでしょうか?
 めちゃくちゃ面白かったです
 まず、オープニングからして良かったです。ラスベガスのショーがモチーフなのでしょうか、派手な演出に、歌にダンス。最近、この手のショーを面白く感じているので、出だしからしてけっこうテンションが上がりました。
 その後の展開も良かったです。ギャンブルで激しく儲けたと思いきや、一瞬で転落して一気にピンチに陥り、苦境から脱出するためにルパン三世もかくやという潜入シーン。様々な罠に掛かりつつも、ついに金庫に辿り着いた……というタイミングで、実は、最初からすべてお見通しで、潜入劇は見世物にされていて、ゾロ処刑の危機! からの暗転! 実はすべて作戦通り!!
 この逆転に次ぐ逆転のくだりは良かったですねえ
 このグラン・テゾーロを楽しんでいるとばかり思えていた観客たちも、実は金粉まみれの被害者で、海水を浴びたことで解放されたくだりで「ああ、キラキラのユートピアに見えていたけれど、実はテゾーロが支配するディストピアだったんだ!」と気付き、作り込まれた世界観にグッと来ました
 この後は、それぞれに見せ場を用意しつつ、最終的にはルフィがラスボスをぶっ飛ばすという、いつもの『ONE PIECE』になってしまい、はいはいという感じでしたが、最後の「怪盗カリーナ参上!!」で完全に盛り返しましたね。いっぱい食わされたわけですが、ぜんぜん悔しくないと言うか、むしろ喝采です。いやー、良かったです。もう1回、観てもいいな……


終わりに

 と言うわけで、まとめると『ONE PIECE FILM GOLD』は面白かった! という話です
 秋山と同じ動機で、予習のために『ONE PIECE』を観ておこうかなと思われている方には、全力で『GOLD』をオススメします。