秋山真琴です。アマゾンプライムに登録されたので、よい機会だと思い『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』の現時点で公開されている『序』『破』『Q』を一気に見ました。
ネタバレなしで語ります。
伝説的な作品であるということ
正直、今さら私がネタバレなしで語るのなんて、おこがましいくらいにエヴァという作品は伝説的な作品で、アニメ史に残る金字塔のひとつです。
しかし、少し前にSCRAPがエヴァとコラボして『崩壊するネルフからの脱出』というリアル脱出ゲームを開催し始めたのですが、扱いがちょっと小さく感じられたんですよね。さらに、固めずに参加したのですが、偶然、同卓した方がエヴァ未視聴と聞いて、えらく衝撃を受けたのです。
エヴァンゲリオンは伝説的な作品で、1995年から1996年に掛けて放送された原作アニメは、さすがに今の若い方は見ていないだろうけれど、2007年の『序』に始まった劇場版は、きっと皆、基礎教養として抑えているはず。
とんでもない勘違いだったのかもしれません。
今年、36歳になる私が限定的に抱いていた、幻想だったのかもしれません。
富野由悠季によるガンダムについて
昨年『機動戦士ガンダム』『機動戦士ガンダムZ』『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』を見ました。と言ってもアニメを全話見たのではなく、劇場版を見たので、ざっと流れを追った程度です。
『機動戦士ガンダム』がテレビで放映されたのは1979年から1980年に掛けてなので、私が生まれる前のことです。当然ながら、当時の雰囲気も含めてガンダムが好きだ! という年輩の意見には「分かります」と納得はできても、心の底から共感することはできません。
あるいは、エヴァをして伝説的な作品と主張する私は、かつてガンダムの魅力を力説してくださった誰かなのかもしれません。
世界市場から見た日本のキャラクター
少し前にTwitterで見かけました。
ちなみにこの図の主題はこちらの図で以下です
— たちつてと(舘俊男) (@noritama241) 2020年7月23日
実はもう漫画からはキャラクターはあまり生まれていない
結局はマスに届く規模での占有性の高いメディアで一定期間視線が集まる必要がある
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現代の視聴分散時代には難しい
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プラットフォームではなくコミュニティマネジメントの時代 pic.twitter.com/7K4U9jCpaA
『オタク経済圏創世記 GAFAの次は2.5次元コミュニティが世界の主役になる件』という本にある1ページを切り取ったもので、元の本を読んでいないので、どういう文脈かは分かりませんが、興味深いグラフです。
1990年以降の漫画やアニメの円に含まれるタイトルを見ると、ほとんどが『ジャンプ』を母体とした漫画のアニメ化、そしてプリキュア、そしてエヴァです。
ちなみに、すーっと視線を下にスライドすると、1970年代にしかしっかりガンダムがあって、何故か安心しました。
ところで、プリキュアが入っているのに、平成仮面ライダーが入っていないのには、少し違和感を覚えました。私は『仮面ライダージオウ』から見ていますが、コンテンツとして『マーベル』とけっこう戦えるんじゃないかと思っているんですよね……。

オタク経済圏創世記 GAFAの次は2.5次元コミュニティが世界の主役になる件
- 作者:中山 淳雄
- 発売日: 2019/11/14
- メディア: Kindle版
ゲームやパチンコにおけるエヴァ
エヴァはアニメが原典となる作品ですが、関連作品として漫画や『鋼鉄のガールフレンド』や『碇シンジ育成計画』などのゲーム、パチンコなど多様に展開しています。
しかし、それらは、あまり連動しているようには見えず、統一されたコンセプトの元、ブランディングされているわけではなく、どちらかと言うと遺産を切り崩しているような気配を感じていました。
そのため、今までエヴァの関連作品に触れることはしませんでした。
……敢えて言うと『ガンパレードマーチ』のアルファ・システムが開発した『新世紀エヴァンゲリオン2』だけは今でも興味を持っています。
疑問が氷解したのは、この記事を読んだときです。
ちょうど昨年末、ガイナックスの社長が逮捕されたのですが、そのときガイナックスをしてエヴァの制作会社として報道するメディアが多かったのです。この記事は、それに反論するために書かれたものですが、紙幅の大半は「何故、こうなったか」という経緯と、それに対する庵野秀明監督の想いです。
詳しくは読んでいただければ幸いですが、一箇所だけ引用させてください。
一方でガイナックス自体は、『エヴァンゲリオン』関連のCD-ROMやパソコンゲームソフトで大きな利益を出していたそうです。「だそうです」と伝聞になるのは、先ほども述べたようにその当時僕は経営に関わっておらず、そのことをほとんど把握していなかったからです。
https://diamond.jp/articles/-/224881?page=3
世の中には、優れた発明家が多くいますが、発明品が正しく管理されるとは限らない。という話を思い出し、残念な気持ちになりました。
エヴァがブランディングされた世界線
版権が適切に管理され、きちんとブランディングされていたら、エヴァは、ただの伝説的な作品ではなかったかもしれません。アニメ史に残る金字塔などでもなく、今もなお、連綿と続くコンテンツに支えられた、日本が誇るタイトルのひとつに数えられたかもしれません。
けれど、もし、そうなっていたら、かえって私はエヴァのファンではなかったかもしれません。
あんまり想像できませんし、想像しても悲しくなるだけなのでしませんが、それでも、やっぱりちょっと夢を見てしまいますね。
終わりに
劇場版4部作の完結編『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』について、昨年末に2020年6月27日に公開と発表されましたが、コロナの影響を受けて、現在は公開日未定となっています。
来年、2021年には果たして見ることができるでしょうか。誰かの人生を変えうる、パワーのある作品ですので、もし良かったら、今のうちにアマゾンプライムで見ていただいて、完結編の封切りを、一緒に楽しみに待ちましょう。
もしも願い一つだけ叶うなら
君の側で眠らせて
どんな場所でもいいよ
──宇多田ヒカル『Beautiful World』