雲上ブログ〜謎ときどきボドゲ〜

オススメの謎解き&ボードゲーム&マーダーミステリーを紹介しています

2022年に遊んだり触れたりしたものベスト集


 皆さん、こんにちは。秋山です。
 例年、雲上ブログでは1年間に遊んだボードゲームやリアル謎解きゲーム、マーダーミステリーの中から、特に面白かったもの5~10作を選んで、ベスト系の記事を書いていました。
 今年も同様の記事を書こうと思いましたが、個別に分けて書くと大変なので1記事にまとめることにしました!
 と言うわけで、ボードゲーム・ベスト10、リアル謎解きゲーム・ベスト10、マーダーミステリー・ベスト5、ミステリーゲーム・ベスト5、イマーシブシアター/演劇ベスト5、デジタルゲーム・ベスト10、映画ベスト5、漫画ベスト1、書籍ベスト10です! お楽しみください!

ボードゲーム・ベスト10

 ストレートに良かったのは、米光一成さんの『あいうえバトル』です。プレイヤー同士、秘密裏に書いたキーワードをお互いに当てっこしあうワードゲームでもあり、パーティゲームでもあり、非常にライトに遊べる一方で、どこまでもゲームであるという点において実に優れています。
 多人数で仲良く遊べるという観点では『ゲームオブチップス』が、とても気に入りました。運要素が強く、ともするとギャンブルゲームと言えなくもないのですが、その時点その時点における最適解となる確率を求めつづけるのが好きです。祈る、という点において、ちょっとシド・サクソンの『ハグル』を思わせたりもしますね(次に出てくるのは塩味? それともコンソメ味?『ゲームオブチップス』の感想 - 雲上ブログ〜謎ときどきボドゲ〜)。
 ギャンブル感がある、という繋がりがありますが『パチスロシミュレーター』は、ほんとうに革新的でした。パチスロは『ドラゴンクエスト』だったか『真・女神転生』だったか、ゲームの中のミニゲームとしてしか遊んだことがなく”設定”という概念は、はじめて知りましたが、その概念を推理させるという推理ゲームに落とし込む手腕はお見事の一言。推理ゲームの枠組みを広げたという意味においても、2022年を代表するボードゲームの1作だと捉えています(こう見えて推理ゲーム『パチスロシミュレーター』の感想 - 雲上ブログ〜謎ときどきボドゲ〜)。
 多人数でわいわいと仲良く遊べる最後の作品としては『カフーツ』を挙げさせてください。『ザ・クルー』のような協力型カードゲームで、こちらはトリックテイキングではなくウノに近しいですが、テーマも相まって遊びやすくて良いですね。定期的に遊んでいますが、未だに最高難度には打ち勝てていません。
 協力ゲームは物語要素を含むものを中心に、2022年はけっこう遊びました。白眉だったのは、アナログ推理ゲームの『クロニクル・オブ・クライム』ですね。アナログ推理ゲームと言えば『ディテクティヴ』や『Qシャーロック』など様々ありますが、ベストは『クロニクル・オブ・クライム』ですね。続編の日本語版も発売を願うばかりです(アナログ推理ゲームの最高傑作『クロニクル・オブ・クライム』の感想 - 雲上ブログ〜謎ときどきボドゲ〜)。
『ザ・イニシアティブ』も忘れられないタイトルです。本格ミステリで言うところの作中作と言いますか、ちょっとメタ的な仕掛けが効いていて、ゲームの文脈で言うとARG的な要素があります。未だに最後の関門が突破できておらず、完全クリアできていないこともあって、喉の奥に小骨が突っかかったような感覚で、それもあって返って忘れられないタイトルになっています(中古で買った古いゲーム、そこには秘密があった『ザ・イニシアティブ』の感想 - 雲上ブログ〜謎ときどきボドゲ〜)。
 物語要素のある協力ゲーム枠の最後としては『アーカムホラー 第3版』です。今さら取り上げるようなものではないかもしれませんが、ずっと積んでいたのをようやく崩し、完走したということもあって感慨深いものがあります。ちなみに『マンション・オブ・マッドネス 第2版』も積んでいるので、2023年はタイミングを見て、こちらを崩したいですね(元祖クトゥルフボードゲームの最新改良『アーカムホラー 第3版』の感想 - 雲上ブログ〜謎ときどきボドゲ〜)。
 一般には、あまり年間ベストには挙がらないゲームが連続しましたが、私が重視するのは前衛性や物語性なのでご容赦ください。さて、ふつうのボードゲームの中ではフリーゼの『ファイユーム』が良いなと感じました。面白かったので、けっこう繰り返し遊びましたけれど、わりとランダム性が高くて、雑な展開を追うことも少なくありません。逆に言えば、毎回、激しく異なるプレイ感なので、それが楽しいのですが……(前半と後半とで全く異なるゲームを遊ぶ『ファイユーム』の感想 - 雲上ブログ〜謎ときどきボドゲ〜)。
 2人用ですが『ウォーターゲート』は素晴らしいゲームでした。非対称型がうまく機能していることもさることながら、ウォーターゲート事件という社会性のあるテーマが、よくゲームに溶け込んでいます。歯ごたえがあって好きです(大統領VS新聞記者の非対称型2人用対戦ゲーム『ウォーターゲート』の感想 - 雲上ブログ〜謎ときどきボドゲ〜)。
 最後はGreen Gamesさんの『大名』を紹介させてください。きっちりとスキのない2人用重量級で、しかもリプレイビリティが高いのが素晴らしいです。リプレイビリティが素晴らしいと言いつつ、まだ1回しか遊べていないので、その本領を体感できていません。今年、機会があれば……と思っています(第39回『相模大野ゲーム会』参加レポート - 雲上ブログ〜謎ときどきボドゲ〜)。
 昨年のベストは下記。

リアル謎解きゲーム・ベスト10

 2022年のリアル謎解きゲームは、けっこう越境型と言うか、イマーシブシアター的なものや、マーダーミステリー的なものが多かったように感じます。そんな新しいタイプの謎解きの中でも、特に尖り過ぎることなく、完成度を高くまとめあげたなと感じたのが、魔法少女まどかマギカとコラボした『ワルプルギスの夜のからの脱出』です。従来のSCRAP作品は、ゲームとルールを、けっこうしっかりと分ける傾向にあって、司会者という存在によってゲームの外側と内側は明確に区切られていましたが、近年は物語世界への没頭感を重視しているのか、境界を曖昧にさせて、輪郭をボヤかしています。そんな没入度が高い系作品の中でも、特に主人公感を味合うことができたのが本作です。しかも、オリジナルタイトルではなく、コラボ作でこれをやるって言うね……痺れますね(まどマギ脱出ゲーム『ワルプルギスの夜からの脱出』の感想 - 雲上ブログ〜謎ときどきボドゲ〜)。
 SCRAPつながりでは、ミステリー要素が強い作品を2作、紹介させてください。まずは『ようこそ、ゼペット教授の異常犯罪相談室へ』です。1チーム4名で探偵となって連続殺人事件の犯人を追いますが、その過程でゼペット教授という凶悪犯罪者にアドバイスを請うのが、とても良いです。『羊たちの沈黙』のレクター博士や『007 ノー・タイム・トゥ・ダイ』のブロフェルドとの面会シーンが好きなひとは、特にグッと来ると思います(凶悪犯罪者に教えを請う『ようこそ、ゼペット教授の異常犯罪相談室へ』の感想 - 雲上ブログ〜謎ときどきボドゲ〜)。
 もう1作は『オバケに聞き込みできる山荘殺人事件からの脱出』です。こちらは探偵ではなく刑事になりますが、殺人事件の犯人を追うという構図は同様です。面白いのは霊媒師と協力するという設定で、死者を呼び出して聞き込みができる点です。死者の存在は、ちょっとファンタジィなので、ガチガチのミステリではありませんが、こういうのも好きです(証言できるひとがいないなら霊媒師に呼び出してもらおう『オバケに聞き込みできる山荘殺人事件からの脱出』の感想 - 雲上ブログ〜謎ときどきボドゲ〜)。
 2022年は、けっこう下北沢に足を伸ばしてタンブルウィードさんの公演も多く参加しました。最も記憶に残っているのは、なんと言っても『IMMORTAL』です。かなり大掛かりな作品で、他の公演と比較すると、何もかも規格外なので、ちょっとズルいのでは? と思わないでもないですが、素晴らしく至上であることには変わりません(タンブルウィード5年間の集大成『IMMORTAL』の感想 - 雲上ブログ〜謎ときどきボドゲ〜)。
 オンラインの作品になりますが『アルティメットナゾトキショウ』も規格外だと感じました。多くの要素がてんこ盛りに盛り込まれていながら、ひとつの謎解き公演として完成されており、美しいです(伝説になったであろう伝説の大規模オンライン謎解き公演『アルティメットナゾトキショウ』アーカイブ版の感想 - 雲上ブログ〜謎ときどきボドゲ〜)。
 制限時間60分の正統派ホール型リアル謎解きゲームという観点では『SHIFT -シフト-』がお気に入りです。ここまで飛び道具的な公演やミステリー的な公演ばかり取り上げてきましたが、そろそろオーソドックスに素敵な作品も紹介させてください。と言うわけで『SHIFT』これは良かったです。硬派な謎解き体験、楽しませていただきました(何度も思考を切り替えながら謎に向き合う『SHIFT』の感想 - 雲上ブログ〜謎ときどきボドゲ〜)。
 続いては、よだかのレコードさん。よだかのレコードさんと言えばホール型が中心ですが、制限時間60分のルーム型は初めてではないでしょうか?『Giant Octopus』は、とても良かったです。空間の作り込みが凄まじく、再演はなさそうですが、終演を迎える前に遊ぶことができて、とても良かったです(2022年12月に遊んだり触れたりしたもの - 雲上ブログ〜謎ときどきボドゲ〜)。
 また、飛び道具系に戻ってしまって恐縮ですが、XEOXYの『TABOO 4』は、ほんとうに鳥肌が立ち、今でも思い出す度に眉をしかめてしまいます。この『TABOO』シリーズは、すべて遊びたいと思ったので、再演のタイミングが合えば挑んでいきたい所存です(すべてがネタバレになる『TABOO 4』の感想 - 雲上ブログ〜謎ときどきボドゲ〜)。
 続いては時解さんの『驚き物件からの脱出』。けっこうポップなデザインで、がんばって探索して、小謎を解いて、中謎に挑むという正統派ルーム型です。と、思わせておいて、中盤以降は、ほんとうに驚きました。タイトルに「驚き」という言葉を入れて、自らハードルを上げておいて、そして自らそのハードルをクリアしていく姿勢、かっこいいです(2022年12月に遊んだり触れたりしたもの - 雲上ブログ〜謎ときどきボドゲ〜)。
 最後はスタジオエスケープさんの『女王と国のために』。これは、ほんとうに鮮烈な体験でした。リアル謎解きゲームを始めてから、リアル体験型というジャンルを知り、今までに何度も「物語世界に入り込む感覚」や「没入感のある体験」を得てきましたが、過去のすべてが吹き飛びました。日本における間違いなくベストと言えます。未体験の方は、是非、万障を繰り合わせて『欲望のダイヤモンド』と合わせて遊んでいただきたいです(
2022年12月に遊んだり触れたりしたもの - 雲上ブログ〜謎ときどきボドゲ〜
)。
 昨年のベストは下記。

マーダーミステリー・ベスト5

 果たして、マーダーミステリーの枠組みに収めて良いものかどうか。どう捉えたものか分かりませんが『玉座の闇 シーズン4 魔王復活』これは唯一無二の体験でした。なんであれば、ジャンル:玉座の闇のベストと言ってもいいかもしれません。それくらい独特の持ち味でした(最大28人で繰り広げるLARP風マーダーミステリー『玉座の闇 シーズン4 魔王復活』の感想 - 雲上ブログ〜謎ときどきボドゲ〜)。
 マーダーミステリーとしてストレートに良かった! と断言できるのは『奇想、アムネジア』ですね。胸に響く理由は、なかなか言葉にしにくいのですが、シンプルに言うと新本格ミステリへの愛情でしょうか。デザイナーの同ジャンルへの愛が切々と伝わってきます。いや、ほんと、良い作品です(奇術師たちの死のマジックショー『奇想、アムネジア』の感想 - 雲上ブログ〜謎ときどきボドゲ〜)。
 もう1作、オーソドックスなマーダーミステリーとして良かったのは『あざらしは見た 北極ホテルの惨劇』です。ライトにポップに遊べる作品ですが、最大の魅力は、何と言ってもあざらしになれるということでしょう。え、あざらしってどういうこと? そう思ってしまった方は、もう遊ぶしかないでしょう(目撃者は人の言葉を喋るあざらし『あざらしは見た 北極ホテルの惨劇』の感想 - 雲上ブログ〜謎ときどきボドゲ〜)。
 ここから先は、マーダーミステリー? という作品になりますが、デザイナー自身がそのように銘打っているので、その気持ちを尊重すべきでしょう。と言うわけで、まずは『アリーアンドログ』です。とにかく丁寧に、丁寧に綴られた物語で、傑作です(極上の物語体験が自宅で2人で『アリーアンドログ』の感想 - 雲上ブログ〜謎ときどきボドゲ〜)。
 もう1作は『花世界』です。こちらも世界観の作り込みが精緻で、しかも物語への落とし込みが、かなり完璧に近いのです。デザイナーの意思を尊重してマーダーミステリーのベストに入れましたが、『アリーアンドログ』と本作は、物語を愛するすべてのプレイヤーに触れていただきたいですね(対話を重ねることで見えてくる風景がある『花世界』の感想 - 雲上ブログ〜謎ときどきボドゲ〜)。
 昨年のベストは下記。

ミステリーゲーム・ベスト5

 2022年は多くのミステリーゲームがリリースされました。マーダーミステリーはマーダーミステリーで好きですが、正体隠匿型要素を除いて、ピュアに推理を楽しむのも好きな私としてはミステリーゲームを待ち望んでいたのですが、その願いはけっこう叶えられました。様々な形態のミステリーゲームが発表された中、いちばん胸を打ったのは『雨やみ探偵』です。7時間かけて駆け抜けましたが、それだけに濃密な体験でした。傑作(2人で会話しながら推理するTRPG『雨やみ探偵』の感想 - 雲上ブログ〜謎ときどきボドゲ〜)。
『雨やみ探偵』は1対1と言うか2対1で向き合うTRPGでしたが、複数人とGMで紡ぎ上げる卓上LARPと言うのでしょうか『5DIVE』も、とても良かったです。たった、今、気づきましたが本作も『ようこそ、ゼペット教授の異常犯罪相談室へ』と同じく、犯罪者との面会シーンがあります。やっぱり盛り上がりますね警視庁の刑事となり連続殺人の特別捜査にあたる『5DIVE』の感想 - 雲上ブログ〜謎ときどきボドゲ〜
 前2作がややヘビーな作品だったので、もう少しライトに遊べる作品も紹介させてください『煙が消えるまでに』です。ミステリーテリングシリーズの第2弾で、第1弾と比較すると推理カラーは控えめですが、プレイヤーの物語体験も含めて、本作の方がより多層的に楽しめると感じています。遊びやすい形態なので「ミステリーゲームってどういうゲーム?」という方には、まず本作から入っていただきたいですね(心に響く夫婦の物語をふたりで『煙が消えるまでに』の感想 - 雲上ブログ〜謎ときどきボドゲ〜)。
 続いてはオンラインかつ、多数の作品を含む形態ですが『密室迷宮倶楽部オンライン』は、とにかくめちゃくちゃお得なコンテンツでした。会費1万円で、10作以上のコンテンツを楽しむことができ、ほんとうに幸せな数ヶ月でした(過去のコンテンツが疑似体験できる『密室迷宮倶楽部オンライン』お得過ぎる神企画でした - 雲上ブログ〜謎ときどきボドゲ〜)。
 最後は『Project:;COLD 1.8 case.633 惨劇の五芒星事件』です。私が『Project COLD』を知ったのはTwitterに佐久間ヒカリの訃報が流れたときで、そこから先しばらくの間、融解班として物語を追いかけましたが、ちょっとスピード感についていくことができず脱落してしまいました。一方「1.8 case.633」はCの存在に助けられ、最初から最後まで追いかけることができました。……と、言いますか、実は縁がありまして、本作には少しだけ制作側として関わらせていただき、ありがたいことにスタッフロールにも名前を載せていただきました。すこし内情を知っているということもあって、格別、思い入れのある作品です。

イマーシブシアター/演劇ベスト5

 昨年からイマーシブシアター作品は一気に増え、従来路線をさらに追求した公演から「イマー……シブ……?」と首を傾げてしまうようなものまでありましたが、団体として最も好ましく感じているのはego:pressionさんです。ノンバーバルでダンスメインではありますが、深い物語性を秘めており、言語による説明が皆無にも関わらず涙を誘う演技力には定評があります。閉館したカプセルホテルを大胆に用いた『RANDOM18』は素晴らしく、多数のコールドスリープ用のカプセルを持つ未来的な空間に没入しました(閉館した5階建てカプセルホテルで完全自由回遊型イマーシブシアター『RANDOM18』の感想 - 雲上ブログ〜謎ときどきボドゲ〜)。
 ego:pressionさんがダンスで魅せるイマーシブシアターならば、ムケイチョウコクさんは参加型に振り切っているところが特徴でしょうか。2作目となる『反転するエンドロール』は前作以上に前のめりな参加を求める作品でありながら、傍観者チケットで参加した場合は、鑑賞に集中することができ、異なるニーズを束ねて受け止めているなと感じました(参加度合いが圧倒的に高い『反転するエンドロール』の感想 - 雲上ブログ〜謎ときどきボドゲ〜)。
 オンラインの作品の中ではノーミーツさんの『夢路空港』が良かったです。ノーミーツさんの作品では、コロナをテーマとした世界同時上演の『Lost and Found』も良かったのですが、単体の作品という観点では『夢路空港』の方が好みですし、完成度も高いと感じました。(空港を貸し切った一夜限りのオンライン演劇『夢路空港』の感想 - 雲上ブログ〜謎ときどきボドゲ〜)。
 続いては純粋な演劇として『九十九龍城』です。ヨーロッパ企画さんの第40回公演で、もうさすがとしか言いようのないクォリティでした。安定感がありつつもチャレンジングなところもあり、終始ワクワクしながら観劇させていただきました(香港のスラム街「九龍城」をカオス化させた『九十九龍城』の感想 - 雲上ブログ〜謎ときどきボドゲ〜)。
 最後は、演劇×体験型ミステリーのすゞひ企画さんによる『殺人者にその歌は響かない』。この公演は、ミステリーゲーム側に入れるべきかもしれませんが、今回は特に演劇要素も素晴らしかったので、敢えてこちら側にしました(オーディション会場を舞台に演劇×体験型ミステリー『殺人者にその歌は響かない』の感想 - 雲上ブログ〜謎ときどきボドゲ〜)。
 昨年のベストは下記。

デジタルゲーム・ベスト10

 新本格ミステリに対する思い入れが深すぎるからかもしれませんが『春ゆきてレトロチカ』は、2022年を代表する作品……であるどころか、2020年代を代表するであろう作品とも思っています。我こそは新本格ミステリ好きであるという方は、ぜひゲームやADVとしてではなく、新本格として本作に向き合っていただければ幸いです(大正11年、昭和47年、令和4年。時を越えて繋がる新本格『春ゆきてレトロチカ』の感想 - 雲上ブログ〜謎ときどきボドゲ〜)。
 特定の1日を繰り返すループものであると同時に、極上の推理ADVでもある『The Forgotten City 忘れられた都市』は、諸手を挙げて絶賛したい傑作でした。元々は『The Elder Scrolls V: Skyrim』のModということですが、単独の作品として切り出されて商品化されることも分かる高い完成度の作品です(出ることのできない古代ローマの都市で1日を繰り返す『忘れられた都市』の感想 - 雲上ブログ〜謎ときどきボドゲ〜)。
 同じく推理要素を持つループものとして『Twelve Minutes』も悪くなかったです。インディーゲームということもあり、やや小粒ですし、ロジック的にちょっとハテナがつくところもあるのですが、堅実にまとまっています(アメリカ映画のようなループもの『Twelve Minutes』の感想(ネタバレあり) - 雲上ブログ〜謎ときどきボドゲ〜)。
 国産の新しめの推理ADVとして遊んだ『AI:ソムニウム ファイル』も素晴らしい作品でした。スロースターターであることが唯一の難点ですが、序盤から提示される強烈な謎が圧倒的な牽引力を持っており、終盤に一気に真相が明かされていく展開は凄まじかった。シリーズ第2弾は、まだ触れられていませんが楽しみです(左目のない連続殺人事件を追う傑作推理ADV『AI:ソムニウム ファイル』の感想 - 雲上ブログ〜謎ときどきボドゲ〜)。
 同じく国産の、しかし古い作品としては『慟哭 そして……』が白眉でした。1998年の作品なので、不親切なUIに初見殺しなど、時代を感じるデザインでしたが、ストーリーや謎の見せ方には骨が感じられました(恋愛ゲームの皮をかぶった恐るべきサスペンス『慟哭 そして…』の感想 - 雲上ブログ〜謎ときどきボドゲ〜)。
 Switchに移植されたことで、ようやく遊ぶことができた『十三機兵防衛圏』は、ずっと遊びたかったゲームです。そして遊んだ結果、遊ぶべきゲームであることも分かったので、Switch移植後、早々に触れることができて、とても良かったです(人生観に影響を与えかねない青春群像SF『十三機兵防衛圏』の感想(ネタバレあり) - 雲上ブログ〜謎ときどきボドゲ〜)。
 ここから先はインディーゲームです、先に国産から行きますか。『7 Days to End with You』はデジタルゲームでありながら、受動的に遊ばれるゲームではなく、能動的に遊ばなくてはならないゲームでした。リリース直後に遊んだので攻略サイトも存在せず、私自身、手探りで遊びましたが、手探りで遊ぶことができて良かったです(女性と未知の言語で対話する『7 Days to End with You』の感想 - 雲上ブログ〜謎ときどきボドゲ〜)。
 続いては『REPLICA』韓国のインディーゲームです。罪悪感三部作の1作目にして、強いディストピア感のある本作ですが、政治的なメッセージや、圧力に屈することについてを遊びながら考えました(スマートフォンに残された痕跡やSNSを調べ上げる『REPLICA』の感想 - 雲上ブログ〜謎ときどきボドゲ〜)。
『Road96』もまた政治的なメッセージを内包する作品でした。登場人物ひとりひとりに異なる背景があり、異なる場所に立っていて、違う風景が見えている。だからこそ、その選択は異なるし、目指すところも異なる。多くの登場人物の目線を飛び回りながら、このおおきな問題の一端に触れました(亡命を目指す声なき声の持ち主たちの物語『Road96』の感想(ネタバレなし) - 雲上ブログ〜謎ときどきボドゲ〜)。
 最後はノワールな雰囲気を持つ私立探偵ものの『Backbone』。これは好みの分かれる作品です。後味が悪いですし、バランスも歪なのでベスト10に入れるべきかどうか悩みました。もっと良い作品は、他にも多く遊んだので。しかし、最終的に10作目に入れようと判断したのは、本作が私の心に深く疵を残していったからです。心のしこりと言い換えてもいいかもしれません、なんだか楔のようなものが打ち込まれました。それだけ忘れられない、インパクトのある作品は取り上げておきたい。本作に対して抱いているのは、そんな想いです(アライグマ私立探偵がノワール世界の闇を暴く『バックボーン』の感想 - 雲上ブログ〜謎ときどきボドゲ〜)。
 昨年のベストは下記。

映画ベスト5

 ループものの新たなる傑作『MONDAYS このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない』は出会うことができて良かったです。ループものは得てして青春ものだったり成長ものだったりしますが、本作は日常系。日本のどこかにあってもおかしくない、社員数名のオフィスが舞台なのです。今まで多くのループものに触れてきましたが、こういう等身大の作品は初めてかもしれません。とても面白かったです(オフィス内で繰り広げられる1週間ループもの『MONDAYS』の感想 - 雲上ブログ〜謎ときどきボドゲ〜)。
 ここから先はアニメ作品が4連続で続きますが、新海誠監督の『すずめの戸締まり』はダントツに良かったです。氏の作品で個人的に好きなのは『天気の子』ですが、国内のみならず海外でも高い評価を受けて『君の名は。』を越える代表作になるだろうなと感じました(新海誠最新作『すずめの戸締まり』の感想(ネタバレあり) - 雲上ブログ〜謎ときどきボドゲ〜)。
 ウタが話題を呼んだ『ONE PIECE FILM RED』も素晴らしい作品でした。当初は『ワンピース』だからという理由でスルーの予定だったのですが、次第に気になってきてワノ国編まで読んだ上で劇場に向かいました。それだけの時間を投じる価値のある作品でした。劇場で見ることができて良かったです(新時代を築くという覚悟が作品の内外から見える『ONE PIECE FILM RED』の感想(ネタバレあり) - 雲上ブログ〜謎ときどきボドゲ〜)。
 そしてシリーズものですが『劇場版名探偵コナン ハロウィンの花嫁』も。私は赤井さん派なので、安室さんが活躍する本作は……と思いながら劇場に向かいましたが、そういうキャラクター的なものを抜きにして、純粋にストーリーが良かったです。近年の劇場版コナンの中ではベストです(過去の想いが未来を繋ぐ『劇場版名探偵コナン ハロウィンの花嫁』の感想(ネタバレなし) - 雲上ブログ〜謎ときどきボドゲ〜)。
 最後は『RE:cycle of the PENGUINDRUM』です。長らく『輪るピングドラム』は触れていなかったのですが、映画化を機会に触れることができて良かったです(10年を経て「お前たち」を肯定する『劇場版 輪るピングドラム』の感想(ネタバレあり) - 雲上ブログ〜謎ときどきボドゲ〜)。
 昨年のベストは下記。

漫画ベスト1

 2022年もそこそこ漫画は読みましたが、ベスト5を挙げられるほどではなかったので、敢えて1作にしぼりました。映画ベスト5のところで気づかれたかもしれませんが『ONE PIECE』です。長らくパンクハザード編の途中で止まっていたのですが、第1話から再読し、一気にワノ国編のおしまいまで駆け抜けました。途中のドレスローザ編もホールケーキアイランド編も最高に面白く、改めて日本を代表する作品だなと感じました。
 昨年のベストは下記。

書籍ベスト10

 しばらく活字から離れていましたが、だいぶ戻ってきたのでは我ながら感じます。まとめての箇条書きとなりますが、ミステリ小説の中では、
・相沢沙呼『medium 霊媒探偵城塚翡翠』
・今村昌弘『屍人荘の殺人』
・浅倉秋成『六人の嘘つきな大学生』
・天祢涼『キョウカンカク』
・ホリー・ジャクソン『自由研究には向かない殺人』
 ミステリ小説以外では、
・L・E・ホール『あなたも脱出できる 脱出ゲームのすべて』
・黒宮公彦『トランプゲームの源流 第1巻 トリックテイキングゲーム発達史』
・眞形隆之『検索クイズ ヒラメキちゃんとケンサクくん』
・デニス・ホイートリー『マイアミ沖殺人事件』
・梧桐重吾『パラグラフジャンプを超えて 完全版』
 が良かったです。

その他

 最後に、どうあがいても分類不可能だったので、その他枠で取り上げさせていただければと思いますが『人数・時間・対象年齢』は最高のイベント(?)でした。毎日、演劇とゲームに関する対談やイベントが開催されるのは実に幸せで、夢のような一週間でした。振り返って考えてみるとある種の祝祭であったかもしれません。

終わりに

 最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
 非常に長く、多岐に亘る内容となりましたが、面白く読んでいただければ幸いです。
 今年も数多くの傑作に出会えますように!

合わせて読みたい