雲上ブログ〜謎ときどきボドゲ〜

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閉館した5階建てカプセルホテルで完全自由回遊型イマーシブシアター『RANDOM18』の感想


 ego:pressionさんの第9回ダンスパフォーマンス公演『RANDOM18』に参加してきました。
 ネタバレには配慮していますが、気になる方は回れ右推奨です。

公演の概要


『スパイは3度、ベルを鳴らす』や『リメンバー・ユー』などのイマーシブシアターで知られるego:pressionさんの最新作です。
 今回の会場は、閉館となり解体を待っている元カプセルホテルです。
 舞台は近未来。災厄に備え、コールドスリープについた18人の登場人物たちが、眠りから目覚めたところから物語が始まります。観客は5階建ての建物のあらゆる場所で繰り広げられる18人18様の人生を見届けることになります

公演の感想

 前作『リメンバー・ユー』がとにかく傑作でした。
 役者が喋ることはなく、物語のすべてをダンスで表現する作品でありながら、あまりに感動的なストーリーで終盤では思わず涙ぐんでしまうほどでした。
 公演回数が少なく、初演の前にチケットが売り切れてしまうので、あまり大々的にアピールしていませんが、現代日本におけるイマーシブシアターのトップだと考えています


 と言うわけで、キャストもスタッフも観客も緊張感あふれる初回公演に参加させていただきましたが、実に素晴らしかったです。
 イマーシブシアターは俯瞰した方が物語全体が見られるので、構造を理解するという観点では、ある程度、広く追っていった方が良いのかもしれませんが、わたしは個々の物語を深掘りしたい派なので、これと決めた役者さんを追うようにしています。
 開演前から「演出のpinkeさんを追うぞ! どうしても見つからなかったら、えみさんだ!」と心に決めていました。開演と同時に、5階建ての建物を早足で上下して、なんとか見つけてからは最後まで追いつづけました。
 結論としては正しい判断で、とても良かったです。
 物語的には複数回、参加するならば最初は違うキャストさんを追い、pinkeさんは2回目以降の方が良かったかもしれませんが、わたしはわたしの信じるベストな選択をして、見たかった物語が見られた、そう感じました。


 ネタバレにならない範囲ですと、会場が良かったですね。
 カプセル内は清掃されていた様子で快適でしたが、建物全体としては閉館してから時間が経っており、やや廃墟感が出てきており、それが世界観によくマッチしていました
 pinkeさんは途中、えみさんとの絡みもあって、2人の共演を見られたのもラッキーでした。おふたり以外で発見と感じたのはpirori-noさんです。シャープでキレのあるダンスが良かったです。

終わりに

 敢えて挙げるならば、やはり1回だけの参加は、もったいなかったです。
 ぺこらさんと2人で参加し、別々の人物を追ったので、観劇後の情報交換で見られなかった物語はある程度、補完できましたが、やはり自分の目で見て肌で感じたいですからね。5階建てという建物は想像以上に広かったですし、18人という登場人物は多かったです。
 どうか皆様は、悔いのないイマーシブシアターを!!