雲上ブログ〜謎ときどきボドゲ〜

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イマーシブシアター『Venus of TOKYO』の感想

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 ダンスカンパニーDAZZLEが、お台場ヴィーナスフォートに開設したイマーシブシアターの常設展で開催されている『Venus of TOKYO』を観劇してきました。
 ネタバレには配慮していますが、気になる方は回れ右推奨です。

イベントの概要

 本イベントは没入型演劇とも訳されるイマーシブシアターというジャンルの作品です。
 通常の演劇において、観客は客席に座り、役者は舞台上で演技しますが、イマーシブシアターにおいて観客と舞台の境界は取り払われており、観客は作品世界に入り込むことができます。
 具体的に言うと、役者は会場内を縦横無尽に歩き回りながら、移動先で随時演技をします。観客は気になった役者の後を追って、移動しつつ、360度、好きな角度から演技を見ることができます
 また、イマーシブシアター作品のなかには、演劇に介入するインタラクティブ要素を含むものもあります。

ストーリーの概要

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東京の奥深く、美を求める者たちが蠢く秘密クラブ「VOID」。
特別に招待された者しか、立ち入ることは出来ず、
浮き世を生きる人間のほとんどが存在すら知ることなく人生を終える魅惑の空間。


アーティストが感性を競い合い、富豪たちが欲望を剥き出しに買い漁る。
連日行われるパーティに渦巻く熱狂からは、毎夜新しい芸術が生み出されていた。
真実と虚構の混沌。

https://venus-of-tokyo.com/

 プレイヤーは秘密クラブVOIDの一員となり、オークションに参加することになります。
 オークションの最中やその前後で繰り広げられるドラマを観劇します。

イベントの感想

 イマーシブシアターという概念を知ったのは2019年のことで、当時、DAZZLEが行って公演『SHELTER』が開催直前だったのですが、9500円というチケット代に怖気づいて見送ってしまいました。
 しかし、後に高い評価を耳にして「やっぱり参加すべきだった」と後悔し、2020年春開催の『NORA』のチケットを抑えたのですが、コロナで中止となり、その後もタイミングが合わず機会が得られませんでしたが、とうとう『Venus of TOKYO』にて、はじめてDAZZLE世界に触れることができました。
 端的な感想としては、


傑作でした。ずっと観たいと夢見ていたものが、まさしくこの作品でした。毎日、観てもきっと飽きない最高の体験でした


 終わった後も、しばらく呆然としてしまい、なかなか作品世界から戻ってくることができませんでした。それくらい没入感がありましたし、凄まじい物語体験でした
 上述の通りイマーシブシアターという概念を知ったのは2019年のことです。それから、ずっとイマーシブシアターを実際に体験してみたいと思い、2020年秋のロンドン旅行で『Sleep no more』を観劇する計画を立てていました。
 しかし、コロナによって、すべてが瓦解しました。
 昨年は、国内の団体が開催したイマーシブシアター作品を観劇したり、オンライン作品を視聴しました。それぞれに面白い体験があり、衝撃を受けましたし、感動もしましたが『Venus of TOKYO』を経てしまった今、同じような感動はできないなと身体で感じてしまいました。
 それくらい、この作品は本物でしたし、覚悟のレベルが違うなと感じました。


 役者さんの中では、野村采可さんが一際、輝いているように感じました。
 ダンスのキレもさることながら、つい視線を奪われる華がありましたね。

終わりに

 実は、本作はライブ配信もされています。
 現地で開催されている『Venus of TOKYO 【REAL】』に対して、オンラインで配信される『Venus of TOKYO 【ONLINE】』がどう違うのか。
 視聴したら、また感想を書く予定です。