フローリッシュゲームズさんのゲームマーケット2019大阪の新作『ニックネーム/nickname』を遊びました。
3人から6人で遊ぶことのできるコミュニケーションゲームです。
ゲームとしては、非常にシンプルで、インストは5分も掛からないでしょう。
目的はカード集め。他のプレイヤに対して、任意のカードを持っているかどうか問い掛けて、持っていれば貰うことができるし、持っていなければそこで手番終了。これを繰り返して、ただカードを集めるだけのゲームです。
ゲームとしての核は、この問い掛けそれ自体にあります。
さっくりと「このカード持ってますか?」と聞くのではなく、
ぺこらちゃんー! ネコミミ持ってるー!?
と、親しげに語りかける必要があります。
各カードには「くん」や「ちゃん」、珍しいところだと「先生」や「博士」、「殿」というのもあって、それらをつけて呼ぶ必要性があります。
秋山は、相手の名前を呼びかけることが仲良くなるための一歩だと思っているので、日頃から意識的に名前を呼ぶようにしていますが、これに「ちゃん」や「くん」などをつけると、加速度的に親しみが増していくことでしょう。
こう書くと、雰囲気ゲームっぽくなりますが、ちゃんとゲームとしての完成度も高められています。
たとえば呼びかけるときは、自分が最低でも1枚は持っている属性しか呼びかけることができないので、たとえば「くん」のカードを1枚でも持っていないと、そもそも「○○くん! このカードを持ってますか?」と呼びかけることすらできないのですよね。
しかし、こうして呼びかけることはリスキーでもあって、他プレイヤには、自分が少なくとも1枚は「くん」に属するカードを持っていることがバレてしまうので、仮に「くん」のカードを4枚中3枚、持っているプレイヤがいれば、絶対に狙い撃ちにされています。
……と、言っても、他プレイヤを疑いながら、ガツガツ遊ぶようなゲームではありません。
ゲームを遊んでいるうちに、他のプレイヤと仲良くなれる、親しくなれる。そんなところに焦点が当てられたゲームなので、遊び終える頃には、きっとお互いをニックネームで呼びあうような楽しい関係になっているはずです。