BakaFire Partyさんの『惨劇RoopeR』をテーマとした舞台『惨劇RoopeR Be Playing Stage Game』を観てきました。
原作ゲームは、秋山のオールタイム・ベストに入る傑作ですが、それが、どのように舞台上で繰り広げられるか、ドキドキしながら行ったのですが……ええ、間違いなく傑作でした。
ストーリー
一人の少女の死から全てが始まった。
弱きものを狙う悪意、いくつもの謎とそれに連なる出来事、そして力の覚醒。
それは少女を救うために、少年が手にした時間を巻き戻す能力。
繰り返される時間の中で少年は真実に到達し、少女の死の運命を回避することが出来るのか。
それを決めるのは、ほかの誰でもない『あなた』です。
https://teamsangeki.wixsite.com/bpsg/about-1
劇の仕組み
ルート分岐、そしてマルチエンディングという画期的なシステムが搭載されています。
劇の最中、物語の主人公であるヒカルは、しばしば岐路に立たされます。Aという選択を採るか、あるいはBという選択を採るか……このヒカルの選択は、なんと客席で観劇しているひとたちに任されるのです。
場面が来たら、受付時に渡されたカードを掲げるよう指示が出され、選択肢を確認して、赤ないし青のカードを掲げて、客席全体で多数決をして、赤ないし青の選択が採決される……そういう仕組みです。
通常版公演と完全版公演
上述の通り、本公演はルート分岐とマルチエンディングなわけですが、通常版では、先の項で説明した投票に応じて物語が推移していきます。辿り着いたエンディングは、その回に一緒に観たメンバーが掴み取ったエンディングであり、それしか観ることができません。
一方、完全版は、ちょっとズルができると言うか、投票に応じたエンディングを観た後に「では、違う選択をしていたら、どうだったのだろうか?」と、他のエンディングも観ることができるのです。上演時間が30分延び、チケット代も+1000円となりますが、個人的には大いに価値があります。
感想
冒頭にも書きましたけれど、ほんとうに良かったです。
『惨劇RoopeR』という素晴らしいゲームを、実に高いレベルで物語と融合させながら舞台に再現しており、ゲームの本質や、その面白さをどう演出したら、120%にできるか、理解が深められていらっしゃるなと感じました。
俯瞰したときに、出番の多い役者さんと、少ない役者さんとでバラツキがあるなと感じましたが、ルート分岐によってそうなっているなと気づいたときに、今回は、分岐した結果、この脇役との掛け合いが観られたけれど、違う方に分岐していたら、そちらの空間にいた脇役との掛け合いが観られていたのだろうなと考えるとノベルゲーム的と言うか……いやはや、興味深いです。
アンサンブル……と言うのでしょうか、黒子的な方々の様子は、とても印象的でした。
登場するだけで『惨劇RoopeR』特有の不穏な気配が漂いますし、移動シーンで走ったりすると雰囲気が出ますし、金髪の方のダンスが良かったです。
後、幻想によるナレーションは、全体的に好きでしたね。ゲームの中と外が入れ替わると言うか、ほっと安心しますね。投票も分かりやすく、うまく機能していましたね。
一緒に観たぺこらさんの感想
選択肢が思いの外、いっぱいあった!
分かる。想像していた以上に、いっぱいあった。あれは役者さんも大変だと思う
シンキングタイムも少ないしね。しかも、即興劇ではなくて、ちゃんとした芝居なわけだから、分岐した後の台詞も覚えておかないといけないし、照明や音響も変化することを考えると、全員が全員、熟知している必要があって、ほんとうに大変だと思う
言われてみればそうだね。台本を覚えるの大変そう、としか思ってなかったけれど、
脚本を書いたひとがすごいんだと思うよ! ノベルゲームだと、メインルートがあって、サブルートがある、みたいな感じで、どっちかが当たりみたいになりがちでしょ。多分、この作品は、そうではなくて、どっちのルートも当たりなんだと思う。ちゃんと、スチルが埋まるから2周しないと駄目なんだよ
ノベルゲーム的に考えると、確かに、そうなのかも。そう考えると……DVDが欲しくなるね
PCゲームとか、スマホのアプリにしてくれてもいいよ?
えっ、デジタルゲーム化!? まさかの……
同じ展開になったら、スキップボタン押すよ
演技はどうだった?
走ってるところのダンス、覚えたよ
あの、アイススケートみたいな?
そうそう。覚えはしたけれど、踊れるとは限らないけどね!
そりゃ、そうだわ! あの方々、ダンスのプロでしょ!
前半は、ぜんぜん投票結果が反映されなくて、しょんぼりしたよ
言われてみれば、ぺこらさんの逆だったよ、ずっと
あっきー、良いなあって思ってた
まあ、いいじゃないの
ところで○○は何だったの?
それは原作に抵触する可能性があるから伏せ字にするけれど、原作の『惨劇RoopeR』における○○だよ。舞台の左側に○○があったじゃない。あの○○は、原作ゲームだと○○だけど、舞台では○○として使われていて、たとえば○○のときに、○○が○○になったじゃない。あれは、○○が○○で○○したから、○○になったんだよ
伏せ字ばっかりで、ブログを読んでるひとはさっぱりだよ! まあ、私は分かったけど
とりあえず、ゲームやろう!
やろうやろう
終わりに
冒頭にも書きましたけれど、2月24日(祝月)の12時公演が最後の機会となります。
まだ当日券で行けますので、迷ってる方は、覚悟を決めて行っちゃいましょう! 完全版なので、全部のエンディングが観られますしね!