ずっと観たいと思いつつも、なんとなく敬遠してしまっていた三谷幸喜監督による『THE 有頂天ホテル』をようやく観ました。
めっちゃ良かったです。
観なかった理由
一言にまとめると、賛否両論ですね。
劇団出身ということで、ひとつの空間のなかで繰り広げられる悲喜こもごもを得手としていて、大晦日のホテルを舞台に繰り広げられる群像劇が面白くないわけがないのですが、何故か秋山の周りでは「面白くなかった」という意見が散見されて、ネガティブな意見に気を取られて見送ってしまっていたのです。
アホー!
面白くないわけがないなら、周りを無視して、さっさと観ればよかったんだよ……!
ザ・後悔です。
めっちゃ良かった
と言うわけで、ようやく観る機会を作って、冒頭の言葉に戻るわけです。
めっちゃ良かった。
え、なんで、これで賛否両論になるんですかね? 三谷幸喜にしては完成度が低いとか、そういうことなのでしょうか? いいじゃないですか、充分、及第点ですよ。不満がゼロというわけではないですけれど、ぜんぜん良かったですよ。むしろ良かった! ふつうに良かった!
申し分のない副支配人の嘘がしんどい
最近は、マーダーミステリーにハマっていることもあって、ついつい「これが、マーダーミステリーだったら」という視点で観てしまうわけですが、申し分のない副支配人として新堂平吉を演じる役所広司が、副支配人の別れた妻である堀田由美を演じる原田美枝子に対して、後ろめたさから嘘を吐いてしまうシーンは、ほんとうに心苦しかったです。
群像劇ではありますが、仮に主人公を決めるならば新堂平吉になると思っていて、秋山も、概ね彼に感情移入しつつ観ていたのですが、もう嘘を吐くシーンが来るたびに、
もう止めてくれー! バレてる! バレてるから! むしろ、バレバレだから!! 原田美枝子も黙ってないで、はやく止めて! むしろ、いっそ殺して!!!!!
みたいになりました。
いやあ、嘘がバレて、もはや嘘を吐く必要がなくなった後は、穏やかになったというか、ようやく落ち着いて観ることができました。
その他、良かったところ
メインテーマは「抑圧していた自分を解放し、自分らしく生きる」でしょうか。
武藤田勝利が紆余曲折を経て、最終的に竹本ハナに説得され、みっともなく逃げることを選ぶシーン。只野憲二が一度は夢を諦めるものの、巡り巡って戻ってきた人形とバンダナとギターを手に再起するシーン。このふたつが、特に好きですね。
大団円としか言いようがないラストシーンも最高ですよね。謹賀新年……!!
終わりに
振り返って考えてみても、文句なしに良かったです。
今まで、観てこなかったのは、ほんとうに後悔。
やっぱり三谷幸喜は良いですね。見逃していた他のも、全部、観ることにします!