フリードマン・フリーゼの、ルールブックのないカードゲーム、ファストフォワードシリーズ第5弾『グリーンベーダーゲーム(Fire!)』を遊びました。
1人ないし2人で遊べる協力ゲームです。
ファストフォワードシリーズについて
ファストフォワードシリーズは、フリードマン・フリーゼによる、ルールブックが存在せず箱を開けたらすぐに遊び始められるという特徴を持ったシリーズで、『フルーツジュース』や『サンドキャッスル』と合わせて、問わず語りシステムが搭載されていることが特徴です。
本作は、シリーズ第5弾ではありますが、前述のルールブックが存在しないという点だけが共通しており、どこから遊び始めても問題ありません。
ちなみに今のところ全部、遊んでいます。
日本語版のパッケージについて
ファストフォワードシリーズは、すべて国内ではアークライト社が版権を持っており、日本のユーザに受け入れられやすい日本語タイトルがつけられています。
個人的には、どんどん日本語版をリリースするアークライト社の姿勢には好感が持てますし、感謝しています。分かりやすい日本語タイトルも、普及に役立っていると思えば問題ないと感じますが、正直、このシリーズは度を越しているのではないか? そう感じます……。
『フィアー』は『緑の幽霊屋敷』、『フォートレス』は『緑の召喚術師』、『フリー』は『緑の国のアリス』、『フォーチュン』は『緑のカジノロワイヤル』、そして『ファイア』は『グリーンベーダーゲーム』。
フリードマン・フリーゼのグリーンベーダーゲーム 完全日本語版
- 発売日: 2020/02/13
- メディア: おもちゃ&ホビー
ちょっと意訳が過ぎるのでは? に加えて、せっかく今まで「緑の~」で統一していたのに、ここに来ての緑(グリーン)とインベーダーゲームを組み合わせた、今ひとつ格好良さに欠ける造語。
うーん……
まあ、いいですけどね。
ゲームの感想
いやはや、面白くないですね……!
フリーゼは大好きなデザイナーですし、その挑戦的な姿勢は、オールウェイズオールウェルカムなのですが、これは、さすがにバランスが悪すぎでは!? では、と苦言を呈せずにはいられません。
まず、2人プレイについて。これはゲームとして成立しているのでしょうか?
射撃のたびにカードを1枚ずつ除去していく観点から、言ってみれば時間制限があるわけです。最大火力で、最大多数の敵を、効率的に撃破していかないと、とても間に合いません。
従って、9まで溜めて、4で撃つ、というのが最適解になるわけですが、カード運に左右される以上、毎回、最効率で射撃できるとは限りません。むしろ4が1枚しかないことを考えると、最効率で撃てるときの方が少なめです。結果、すべての敵を撃破する前に、リソースが足りなくなって敗退、そんなことが3回連続でありました。
ソロプレイであれば、4が2枚、5が1枚なので、5で撃てなくとも4がありますし、その4も2枚あるので、なんとかなります。
平たく言うと、運要素が強すぎる、これですね。
では、2人プレイはなかったことにして、ソロプレイルールなら面白いのかと言うと、そうでもないです。
前述の通り、9まで溜めて、4ないし5で撃つことが最適解である以上、ひたすら敵のHPを計算して、効率的に撃破することを目指し続けるだけなんですよね。ゲーム中やっていることは、足し算と引き算だけで、なんだか計算ドリルに取り組んでいる気分にすらなります。
プレイ感としては、ゲームを遊んでいる、ではなくゲームに遊ばれている。
5面くらいまで来ると、だいぶカードも増えてきて、取捨選択の余地が出てきて、ようやくプレイヤーとしてオリジナリティを発揮できるというか、選択の楽しさが感じられるようになります。
けれど、それでもやっていることは足し算と引き算だけで、ほんとうに、これでいいの!? と……。
ゲームの傾向としては、ファストフォワードシリーズの中でも変わっていて、どちらかと言うと『フリー(緑の国のアリス)』に近しく、協力ゲームということもあって好みではあります。
しかし、いかんせん、ゲームとして面白くないんですよねえ……。
頼むぜフリーゼ……。
一緒に遊んだぺこらさんの感想
最初、2人で第1ステージを3回くらいやって、3回とも失敗したんだっけ? 心が折れたよね
折れた
その後、なんでひとりでやってみようか? ってなったんだっけ?
こんなに連続して失敗するの、しかもステージ1から? さすがにおかしいと思って、ルールを間違えているかなと思って確認しつつ、Twitterを見たじゃない。そうしたら、先のステージに進んでいるひとは、みんなソロプレイだったから、ソロなら多少はやさしいのかも! って思ったんだよね
そっか。難易度的には、後半の方が楽じゃなかった?
楽だと思うよ
最初の頃は、デッキに残った2枚のカードが5なら勝てるけど、1なら死ぬ、みたいな展開が、わりとあったよね
デッキが薄いうちは、やっぱりカード運に左右されるところが多かったよね。ある程度、カードが増えてくると、複数レーンを有効的に使うことができて、戦術に幅が出ると言うか、ランダムに負けないタフネスさを得る!
盛り上がりどころは何処だったんだろう? いつ盛り上がった?
ぺこらさん、それ以上は言わんで差し上げて
特にさー、最後のステージなんてさー、○○が○○じゃーん
それ、ネタバレだから伏せるよ……
終わりに
と言うわけで、全体的に苦言を呈してしまいましたが、途中にも書いた通り、中盤からはちょっと面白くなってきました。プレイ時間はメモり忘れていましたが、全部で5時間くらいでしょうか。
これから遊ばれる方には、最初の数面で放り出してしまうのではなく、是非、最後まで挑戦していただきたい所存です。ファイト!