FT書房さんのゲームマーケット2018春の新作ゲームブック『クトゥルー短編集』を遊び終えました。
計6作のクトゥルフ物の短編ゲームブックが集まった文庫本サイズの作品です。
クトゥルー短編集は、冒険記録紙やサイコロを必要としない、気軽に遊べるゲームブックです。 作品によってはメモを取ったほうが遊びやすいものもありますが、大半はそれすら必要ありません。 この作品には6個の短編ゲームブックが収録されています。 どの作品もそれほど長くはなく、電車のなかなどで空いた時間に遊べるようになっています。
https://ftbooks.xyz/kikanjyoho/kutwurutanpenshu
ゲームブックは大好きで見掛けたら、なるべく買うようにしているんですけれど、どうしても積んでしまうんですよね。
大作になるとメモが必須になりますし、記憶力も求められるので、テーブルを前に静かな時間を2~3時間ほど確保したくなりますし、ページをぱらぱらめくっていると変な目で見られかねないので、どちらかと言うと人目のない自室が望ましいです。
けれど、自室で2~3時間もあれば、どうしても他の趣味も視界に入ってしまい、なかなかゲームブックに時間が避けないんですよね……。
と言うわけで、この『クトゥルー短編集』は、ゲームブックが好きだけれど、なかなか遊ぶための時間が設けられないという秋山に、うってつけとも言える作品でした。
魅力は大きくわけて2つ。
ひとつは短編集という形式上、どの作品も100パラグラフ以下であること。
プレイ時間で考えても1作品あたり30分~1時間なので、非常に取っつきやすいです。
パラグラフ数が少ないこともあってか、ゲームブックとしては非常にシンプルです。
数値の管理がなかったり、アイテムがなかったり、パラグラフジャンプがなかったり。要素が少ないのは、つまり記憶でまかなえるので、メモを取る必要がないことに通じ、ダイスも一切不要なので、湯船に浸かりながらであったり、移動中に遊べるので快適です。パラパラしなければならないページも、限られた範囲ですし。
その一方で、6作もの作品が含まれており、ひとつひとつは小粒ですが、全体で見ると相応のボリュームでお得感もあります。
実に計算された作品形態です。
とは言え、購入してから実際にプレイを終えるまでに2年近くも掛かってしまったあたり、もう少しゲームブックのための時間を設けたいものですよね……。
個々の作品としては、ロアスペイダー『ノイズマン』が、いちばん好みでした。
じょじょに世界が雑音に飲まれていく灰色の雰囲気に味わいを感じました。
ゲームブック好きの方だけでなく、クトゥルフ好きの方にもオススメしたい1冊です。現在はBOOTHで通販可能な様子です。
ftbooks.booth.pm