週刊少年ジャンプで連載中の漫画『Dr.STONE(ドクターストーン)』をボードゲーム化した『Dr.STONE ボードゲーム 千空と文明の灯』を遊びました。
1人から4人用のボードゲームです。
ゲームの概要
プレイヤーはコハクやクロムなど石神村の住人となり、ルリを救うために千空と共に素材を探索し、科学のちからを用いて変換し、目的を達成することを目指します。
トライ&エラーに重きを置いたデザインで、全3エピソードから構成されます。

アークライト Dr.STONE ボードゲーム 千空と文明の灯 (1-4人用 30-90分 10才以上向け) ボードゲーム
- 発売日: 2020/12/24
- メディア: おもちゃ&ホビー
ゲームの感想
激烈に面白かったです。
ありていに言って、傑作ではないでしょうか?
ただ、この作品を評価できるかどうかは、原作を知っているかどうかが大きいなと感じました。
一般的なボードゲームとは、ちょっと違うなと感じました。
デザイナーがカナイセイジさんなのでそう思ってしまうのですが、『文絵のために』から非対称要素を取り除き、1人ないし3人~4人で遊べるようにした、と言えます。
『文絵のために』は死の運命に囚われた少女を救い出すために試行錯誤するゲームでしたが、この作品は限られたラウンド数で科学するゲームです。ゲーム的な表現になりますが、初見殺しが多く死に覚えゲーと言えるでしょう。
しかし、このデザインに対して、私は、とても、しっくり来ました。
原作『Dr.STONE』の好きなシーンに、千空が科学という概念に対する持論を述べるシーンがあります。
「『科学ではわからないこともある』じゃねえ。わからねえことにルールを探す。そのクッソ地道な努力を、科学って呼んでるだけだ……!!」
千空の言葉を借りるなら、エピソードクリアのために試行錯誤を繰り返し、なんとか攻略手段を見つけるという行為は、言わば科学と同じなのです。
そして、そう考えると、このゲームはプレイヤーに科学することを要求しているわけで、とても原作再現度が高いと言えるのです。
2年ほど前でしょうか、テレビで『ドクターストーン』にハマっているという少年がインタビューに答えているのを見たことがあります。彼は『ドクターストーン』がきっかけで科学に興味を持ち、そのノートには様々な計算式と、身の回りのもので、すごいものを作り出す図式がまとめられていました。
とても良いな、と感じたことを覚えています。
あの少年は、果たしてこのボードゲームを買ったでしょうか。
あるいはこのゲームがきっかけで、彼と同じように科学に興味を持つ子が現れれば、このゲームが本質的に持っていた勝利条件が達成されるなと感じました。
総プレイ時間は、6時間半。
けっこう時間が掛かり、たいへんでしたがクリアすることができて良かったです。難しいかもしれませんが、第2弾も期待したいですね。
合わせて読みたい