雲上ブログ〜謎ときどきボドゲ〜

オススメの謎解き&ボードゲーム&マーダーミステリーを紹介しています

漫画『葬送のフリーレン』の感想(最序盤ネタバレ)

f:id:sinden:20210323151345p:plain
 第14回「マンガ大賞」受賞作、山田鐘人原作、アベツカサ作画の『葬送のフリーレン』を、1巻~4巻まで読みました。
 素晴らしい作品でした。少しだけネタバレしつつ紹介させてください。

きっかけはマンガ大賞

 冒頭にも書きましたが、本作は2021年の「マンガ大賞」を受賞した作品です
 Twitterでノミネート作をチラ見したことがあって『推しの子』か『SPY×FAMILY』が受賞してくれると嬉しいな。でも、勢い的には『怪獣8号』なのかなと思っていましたが、大賞に輝いたのは『葬送のフリーレン』でした。
 Kindleで1巻が無料だったので、試しに読んでみようか。と、着手したその日のうちには最新4巻までポチり終えていて、読み終えていました。

とにかくすべて好き!

 ジャンルは後日譚ファンタジー、とのことです。
 魔王を倒した勇者一行のその後を描いているからです。一時期、流行りましたよね。と言っても、パッと思い浮かぶのは九井諒子『竜の学校は山の上』に収録されていた短編くらいですけれど。
 ただ、本作のメインテーマは、魔王が倒されたその後の世界それ自体ではありません
 むしろ、エルフという1000年以上の時を生きる長命種と、せいぜい80年かそこらしか生きられない人間の関わり合いです。モチーフとしては「魔女集会で会いましょう」に近いかもしれません。
 特に、魔王を倒した勇者ヒンメルと、縁の下の力持ちとも言える僧侶のハイターです。ふたりとも物語がはじまり早々に退場するのですが、その存在感を発揮するのは、むしろ退場後です。各地をフリーレンが旅しながら、ヒンメルたちと過ごした旅路を追憶するのですが、その度にヒンメルやハイターたちのことが、どんどん好きになっていくんですよね。
 漫画的な表現で言うと、とにかく回想シーンが多い漫画、そして、その回想シーンの度に深みが増していく漫画、そんな感じです。

約束された別れ

 魔法使いフェルン、戦士シュタルク、そして僧侶ザイン。新たな仲間と共に旅をつづけるフリーレンですが、3人は3人ともただの人間であるが故に、やがて別れが訪れることは約束されていると言えます。
 読み始めたときは、その終わりが来てしまうことが正直こわかったですが、今は少し落ち着いて読むことができています。想像していたよりも、展開がスローリィだからです。
 ただ、一緒の時間を積み重ねれば積み重ねるほど、最後の別れが切なく辛いものになるのは間違いないのですが……少しでも幸せな旅路を読むことができればと願うばかりです。

終わりに

 未完結の漫画をこうして読むのは、ずいぶん久しぶりな気がします。
 続きが気になってしまうので、なるべく避けるようにしているのですが、抗えませんでした。オススメ漫画です。