雲上ブログ〜謎ときどきボドゲ〜

オススメの謎解き&ボードゲーム&マーダーミステリーを紹介しています

2023年5月に遊んだり触れたりしたもの


 皆さん、こんにちは。秋山です。
 5月に遊んだり触れたりしたものを振り返ります。

ナインデッドエンド

プログラムズファンタジー

2999展

僕らの未来について

岐路に降り立つ

故郷が沈むまでに

ダンガンロンパ2

カプバラ

デュエルボーイ

ゲムマが終わるまでに

負けるな一茶

マンガすごろく ゴッホとテオ

キズナラベ

ラストダンジョン

コンダナード、ジャーマンホイスト、バラエティ

コピーキャット

フクロウ探偵社

素潜りダンジョン

コンコード

イノベーション、モンスタッグ、どうぶつデュエット、会心の一撃

盗まれた新作、ボードゲーム百人一首、ツーカーメーカー

小川楽喜『標本作家』

怪作。SFかどうかは分からないけれど、小説や書くことについて真摯に向き合った内容で、読者としてどのような姿勢で小説を読むのかを問われているようにも感じた。登場する文人十傑は架空の存在だけれど、モチーフとなっている作家が見え隠れし、全部架空で通すのかと思いきや途中から実在の作家も出てくるので若干チグハグ。現実と架空が入り交じる、というところがSFなのかな。事前の想像とは全然違う話だったけれど、個人的には良い方向に期待を裏切られたと感じた(多くのSF読みには悪い方向に期待を裏切られたと感じたかもしれない)

鴨崎暖炉『密室黄金時代の殺人 雪の館と六つのトリック』

世はまさに大密室時代……と言ってしまいたくなるほど密室がありふれているらしい世界観。そんな舞台で繰り広げられるいくつもの密室殺人。うーん、ゴージャス。語り口がライトでさくさく読めることに加え、変に誤魔化さず、しっかり物理で向き合ってくれる姿勢に好印象。良かったです。

陸秋槎『文学少女対数学少女』

非常に面白かった。相変わらず中国人名は取っつきにくく苦戦したけれど、フォーマットはもちろん挑戦しようとしていることが、完全に新本格ミステリなので、その点は受け取りやすかったし読みやすかった。性質上、数学的なアプローチに言及されているけれど、テーマはミステリそれ自体というのも良い。もっと読みたい。

田丸雅智『憂鬱探偵』

タイトルに魅力を覚えて手に取ったけれど、期待していたミステリではまったくなかった。よく足を踏まれるだとか、定食屋で自分だけ料理の提供が遅いだとか、まったくどうでもいい偶然としか思えない、しょうもない事件ばかりが舞い込む探偵を主役とした連作短編。いわゆるショートショートで最初の1編だけ読んでおしまいにしようかと思ったけれど、読み心地がライトであることに加え、オチの付け方が上手くて「なんだかんだ次も気になるなあ」と最後まで読み切ってしまった。寝る前に肩の力を抜いて読む1冊としてベスト。

憂鬱探偵

憂鬱探偵

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井上真偽『その可能性はすでに考えた』

清涼院流水を思い出させるステレオタイプなキャラクターに、あまりに衒学的な説明や描写の数々。何もかもが過剰だけれど、この過剰さがかえっていかにも新本格ミステリで好ましい。多重解決物の常として中盤は、やや退屈になってしまうけれど、本作の場合、奇妙奇天烈な好敵手たちが繰り出す、無理やりな解決を「その可能性はすでに考えた」と報告書のページ数を指摘することで論破していくのが爽快で、最後まで楽しく読めた。

阿津川辰海『紅蓮館の殺人』

館物をライトに楽しむつもりで手に取り、高校生探偵と語り手という定番の構図で楽しく読み始めたら、もうありとあらゆる要素がてんこ盛りで驚いた。言うなれば「のり弁です」と出されたものが幕の内弁当以上に具沢山だったような感じ。探偵物は大好物なので好みではあるのだけれど、味が濃すぎて途中ちょっと息切れしてしまった。