雲上ブログ〜謎ときどきボドゲ〜

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ギャップ

 食い違いや懸隔のこと。通常はマイナスな意味として使うが、敢えて用いることでそこに面白みを見出すことができる。
 例えば、黒を基調とした衣装にSMG装備のメイドさん。可憐であったり従順であったりするという、それまでのメイドの常識を覆して出てきたそのキャラは一目を浴びた。これをギャップ萌えと言う。


 さて、このギャップを上手く使って、面白くできるかもしれないネタを考えてみた。
 孤独な王様、盲目の射手、生真面目なピエロ、無人の都市、静かな森。本来は国民の人気者であるはずの孤独を感じる王様……敵を射止めるために視力ではなく聴力を使う射手……ピエロを演じるためにピエロになるピエロ……政治経済交通の中心なのに人気のない都市……生き物の息遣いと揺れる木々、それらが存在しない沈黙の森。
 思いのままに書き連ねてから思ったが、単体では物語にしにくい。例えば、孤独な王様に注目してみる。王様という存在は確かに、人気・人望・支持というイメージを持っているが、同時に唯一・孤高・単体というイメージも持っている。王様は人気者で孤独である、孤独な王様なんてギャップでも何でもない、当たり前だ。他に、盲目の射手は、冲方丁の『ばいばい、アース』に出てきたし、勤勉なピエロも誰もいない都市も、わりと普遍的な思考だ。……静かな森に関しては、デカルトをメインに、ヨーロッパにおける森に対する観念を加味してやれば面白そうだが。
 静かな森がそうであるように、ギャップは突き詰めていけば一つの物語にできるまでに膨らますことも可能だ。けれど、その頃にはすっかりそのカラーが失われていると思われる。そうなってしまうと、折角のステイタスが活かせない。つまりは優先順位の問題だ。ギャップに頼らなくても面白いストーリィが作れてしまったら、ギャップを前面に押し出す必要がなくなるわけだ。まあ、戦うメイドさんぐらいインパクトのある物だったら、ギャップの優先順位は高いままだろうけど。


 結論として。テクとして使うギャップは、プラスアルファとして使うのが最も有効的である。