SCRAPが『鬼滅の刃』とコラボして制作したリアル脱出ゲーム『鬼棲まう那田蜘蛛山からの脱出』を遊びました。
ネタバレには配慮していますが、気になる方は回れ右推奨です。
ゲームの概要
オンラインで遊べるリアル脱出ゲームです。
通販で謎解きキットを購入し、インターネット越しにストーリーを見つつ、手元のキットを使って謎を解き進めます。
内容的には原作の那田蜘蛛山編を取り上げたもの。
炭治郎、善逸、伊之助、富岡、しのぶが登場し、十二鬼月の累を倒すことを目的とします。プレイヤーは隠のひとりとなり、原作キャラたちが有利に戦えるよう作戦を、導き出します。
ゲームの感想
少々、期待値が高すぎたかもしれません。
大人気作品『鬼滅の刃』とのコラボですから、SCRAPもかなり気合が入っているのでは? と思って取り掛かったのですが、原作の人気が高ければ高いほど、ふだん謎解きを遊ばない層も遊ぶ可能性が高いわけで、そういった層もターゲットに入れなければならないことを考えると、しぜんと作品としての方向性が決まってきます。
と言うわけで、クリアに要した時間は1時間半。
他コラボ作品と比較すると、予算が潤沢にあったのか、工作キットも豪華で、手元でキットをあれこれする楽しさはありましたが、謎解きとしての面白さは控え目という印象でした。
SCRAPの過去作と比較すると、いちばん近いのは『劇場版ポケットモンスター ココ』とコラボした『幻のポケモンの森からの脱出』が、系統としては近しいでしょうか。総じて子供向けという雰囲気でした。
また、ストーリーに対しても、やや納得できませんでした。
隠とは言え、鬼殺隊の一員となり、間接的にではありますが炭治郎や柱たちと作戦行動を共にして、鬼を狩る物語に入り込めました。その点はSCRAPがリアル脱出ゲームにおいて大事にしている、主人公感や物語の体験として良かったかもしれません。
しかし、原作ファンからすれば、那田蜘蛛山編は、もっと孤独な戦いでした。
最終的に冨岡義勇と胡蝶しのぶが駆けつけてくれて勝利を得られましたが、先輩隊士ですら勝てなかった鬼たち相手に、炭治郎、善逸、伊之助の3人だけで戦わなければならなかったのです。しかも相手は、十二鬼月であり、絶望感は大きかったです。
あの戦いに、謎を解いて、鬼狩りを支援してくれる隠は必要だったのでしょうか?
わたしは、そうは思いません。
終わりに
やや期待値が高かったのかもしれず、遊び終えたときは爽快感よりも脱力感が勝ってしまいました。
しかし『鬼滅の刃』は人気コンテンツですし、第2、第3のコラボ作が期待できますし、今後、さらに面白くなることを期待します。