雲上ブログ〜謎ときどきボドゲ〜

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演劇×体験型ミステリー『星降る夜と3つ目の殺人』の感想

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 ついにすゞひ企画がSCRAPとタッグを組んで完全新作をリリース! それが本作『星降る夜と3つ目の殺人』です。
 舞台挨拶つきの公演で楽しませていただきましたので感想を書きます。ネタバレには配慮していますが、気になる方は回れ右推奨です。

イベントの概要

リアル脱出ゲームの施設で、女性警察官の遺体が発見された。
早まったメディアは、最近世間を騒がせている連続殺人鬼「A」による犯行だと報道した。

しかし、本件の指揮を取る捜査一課の“切れ者”栗田悠花はそう考えていないらしい。

果たしてこれは、卑劣な連続殺人鬼による凶行か?または、新たな悲劇の始まりか?

https://www.scrapmagazine.com/hoshifuru_mystery/

 プレイヤーは所轄の刑事役となり、リアル脱出ゲームの施設で発見された女性警察官殺人事件の解決を目指します
 ゲームは、前半演劇パート20分、推理時間60分、解決編演劇パート40分に分かれており、プレイヤーは演劇を見たのちに、自ら聞き込みを行いながら推理して、犯人を見つけることを目標とします。
 本作は、演劇×体験型ミステリーと銘打った作品を、いくつも手掛けてきたすゞひ企画と、リアル脱出ゲームのSCRAPが初めて正式にパートナーシップを結び、コラボした作品です。

ゲームの感想

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 あらゆる団体の、あらゆる作品のなかで、いつも、すゞひ企画さんの作品はトップレベルに好きなのですが、ここに来てSCRAPと組むことで、さらに作品としての質を上げてこられたことに感嘆せざるをえません
 従来の3~4時間という公演時間を、すっきりと2時間にまとめ、推理パートにおいても様々な工夫を凝らすことでプレイアビリティがおおきく向上していました。取捨選択がされたというか、すゞひ企画さんの最も面白いコアが抽出され、その面白さがより特化されてシャープになった、という印象です。


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 演劇は過去最高レベルに良く、鳥肌が立つほど感動しました
 推理自体の難易度は、過去作と比較すると控え目かもしれませんが、その分、ひとつひとつ精度が高められており、分かったときの感動や衝撃の度合いがおおきかったです。
 全体的に満足度が高く、いままでいくつものコンテンツを手掛けてきたSCRAPのディベロップメントの高さを見せつけられたように感じました。
 同卓メンバーにも恵まれて、見事、1位に輝き、色紙をゲットできたのも嬉しかったですね。


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 Wキャストになっており、わたしが観劇したのはXチームです。
 馴染みのある近藤利紘さんがYチームだったので残念に感じていましたが、結果としては良かったかもしれません。
 鈴木秀明さん自身がキャラメルボックス出身ということで、過去作はキャラメルボックスらしさがあり、そのフォロワー感がありましたが、今回はこのためにオーディションを行なったとのことです。顔ぶれに馴染みのないことが、かえって新鮮味に感じられて良かったです
 どの役者さんも良かったですね。
 指宿理乃さんの可愛らしさ、鷲見亮さんの愛嬌、スガヌマショウコさんの空間の色を変える支配力、そして富士岡青さんの格好良さ……!

終わりに

 とにかく、すべてが最高に良かったです。
 今年、触れた作品のなかでは最高傑作級です
 舞台挨拶での、SCRAP加藤さんとの対談も良かったです。すゞひ企画オリジナルの公演を打ちつつ、SCRAPともコラボしつつ、そしてまた他の場面でも見たいなと欲張りたくなってしまいますね。