ひとりは明大前にある株式会社ユリクリエイトさんまで行って『超短編 雲上四季 雪』の打ち合わせを直接やっただろう。ひとりは町田で旅行に必要なものを買い集めただろう。ひとりは月読先輩との打ち合わせに最後まで付き合っただろう。ひとりは黒先輩とライトノベルやセカイ系について存分に語り合っただろう。ひとりは街角さんと洋服屋を覗いてファッションセンスの向上を図っただろう。ひとりは松に写真を返しただろう。ひとりは紳士にフロッピーを返しただろう。ひとりは蒼龍から写真を受け取っただろう。ひとりは新宿で頭に入れておかなければならない地理を予習しただろう。ひとりは渋谷でリッパーさんたちとお食事しただろう。ひとりは池袋で妹たちとその友人とナンジャタウンで遊んだだろう。ひとりは家でメールの返信を打っただろう。ひとりは『回廊』の編集作業を進めただろう。ひとりは17万ヒット記念作品の準備をしただろう。ひとりは犬の散歩に行っただろう。ひとりは本を読んだだろう。ひとりは酒を飲んだだろう。ひとりは煙草を喫っただろう。
こんなにやりたいことがあるのに。どうして自分は、ひとりしかいないんだ？
『100人の秋山真琴』485文字
ああっ！ マトリックスに出てくるエージェントが羨ましすぎる！！
