雲上ブログ〜謎ときどきボドゲ〜

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大極宮2

大極宮〈2〉 (角川文庫)

大極宮〈2〉 (角川文庫)

 大沢在昌オフィスのホームページで週刊連載されている、作家三人の日記を文庫化したもの。前作では三人の日記ごとに別けられた三部構成になっていたが、今作は時系列順に三人のが順々に並んでいる。また縦書きが横書きになったのも大きい。やはり横書きで表示されることを意識して書かれている文章は、横書きで読むのが快適だろう。もう一点、一週間分の日記の後に三人によるチャット風の対談が入っているのだが、これが前作に比べて長めになっている。あるいは三つに分けられていた一週間が一箇所に纏まったからかもしれないが……いや、やはり長くなっている。思わず読み飛ばしたくなってしまうぐらいに長かった。ファンは嬉しいだろう。
 今回、目玉となるのは宮部みゆきによる『幻想水滸伝3』の先行体験記ではないだろうか。これは『幻想水滸伝3』が発売される前に、コナミのホームページ上で週一で連載されたもので、イメージとしては「これからプレイする皆さんに、プレイした感触を実際にお伝えしますよ!!」といったゲーム雑誌のコラム。で、これがえらい面白いのだ。自分はこのシリーズの1と2だけプレイしていて、外伝以降が未プレイなのだが、下手に部分的に知っているだけにとても面白く読めてしまったのだ。と言うか、これを読んで猛烈に『幻想水滸伝3』がプレイしたくなった。同様の感想は前作のときも思った記憶がある。宮部みゆきは本当にゲームが好きなのか、その文章にもゲームに対する愛が感じられる。それらを読んだだけで、自分もかつてゲームへそれだけの愛を注いでいたことを思いだし、それらを思い返したくなってしまうのだ。