2007年上半期ラノサイ杯結果ページ(新人・新作部門)を見ながら思ったこらを、つらつらと述べてみんとす。
田中ロミオ『人類は衰退しました』28票獲得で1位に輝いた作品。投票受付期間中、何人かの方が本書が優勝するのではないかと予想されていましたが、まさにその通りな結果に。『CROSS†CHANNEL』や『最果てのイマ』のシナリオライターである田中ロミオ初の著作であるとか、ガガガ文庫創刊ラインナップの一冊であるとか、鳴り物入りで刊行されただけに前評判も高く、また作品それ自体も面白かっただけに、この結果は頷けます。エロゲーのひとが、ライトノベルに入るきっかけにもなりうるので、いい本だと思います。秋山の感想はこちら。紅玉いづき『ミミズクと夜の王』第13回電撃小説大賞で大賞を受賞した作品。表紙がアニメ調のイラストでないことや、ライトノベル読みでなくとも面白く読める感動物だとは聞いていましたが、ちょうど本から離れている時期に刊行されたので、スルーしてしまっていました。2月刊行であるにも関わらず、この時期の投票で2位に来るとなると、相当の作品と思われるので早速、買ってきました。これから読みます。木本雅彦『声で魅せてよベイビー』ラノサイ杯が行われなかったら、知ることがなかったであろう作品。この結果を見て、初めて知った作品です。著者名でググってみたら、夢束のひとみたいですね。いたら読んだことがあるかもしれません、本棚を探せばどこかにあるはず……これも機会があれば読みます。古橋秀之『冬の巨人』発売延期が何度も繰り返されて、ようやく発売された作品。出たことは知っていたのですが、発売日に買って読んだ友人に「白古橋だった」と言われて、ちょっと腰が引けてしまったのですよね。そのうち読むかもしれません。奈須きのこ『DDD 1』『月姫』『Fate』で知られる奈須きのこの小説作品。『ファウスト』連載時に読んだのですが、まあ講談社BOX創刊記念に……と読んでます。個人的には『空の境界』の方が好きかもしれません。入間人間『嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん』これは最近の作品ですね。発売当初は読もうと思っていたのですが、様子見しているうちに劣化乙一だとか、劣化西尾維新だとか聞いてしまい困りました。今から読むかどうかは、ちょっと迷うところですね。この系統で読むなら、どちらかと言うと翅田大介『カッティング』の方が面白そうです。中村九郎『アリフレロ』『樹海人魚』12票獲得で、7位にランクインした中村九郎。おめでとうございます。この2作、投票者がほとんど被っていないと指摘されている方がいて、見てみると確かに両方の作品に投票しているのは3人しかいませんでした。同じ作家なのに、ファンの評価が分かれていて、しかしどちらも7位に入るというのは、中村九郎……実はすごい作家かもしれません。『アリフレロ』は未読ですが、近日中に読みます。『樹海人魚』の感想はこちら。尾関修一『麗しのシャーロットに捧ぐ』これは素晴らしい怪奇幻想でした。個人的にはもっと上の方でもいいのではと思うのですが、あまり萌えがないので仕方がないかもしれませんね。次の作品が待ち遠しい限りです。感想はこちら。海猫沢めろん『零式』めろん先生、おめでとうございます。SF界隈とミステリ界隈においてコアな人気を誇っているのですが、ライトノベル読みにはあまり読まれていないような気がします。古橋秀之のケイオスヘキサ三部作が好きなひとは、楽しめるのでは? と思います。秋田禎信『カナスピカ』ライトノベル作家による単行本作品で上位に入っているのは、これだけじゃないですかね*1。それほど興味はないのですが、人気は高いのでいずれ機会があれば読んでみたいとは思います。そう言えば『魔術士オーフェン』を以前まとめ買いして、ずっしりと積んでいるのですよね……。友桐夏『楽園ヴァイオリン』『白い花の舞い散る時間』で一世を風靡したように思う友桐夏の最新刊。この作者の作品は『春待ちの姫君たち』まで読みましたが、ちょっと苦手……と言うか、格別、面白いとは思えませんでした。ただ、非常に意欲的であったり、挑戦的であったりはしますよね。新井輝『私の愛馬は凶悪です』実はこれ、非常に気になってます。『DEAR』も『ROOM NO.1301』もわりと好きですし、これはタイトルや表紙もいいですよね。これも機会があれば読みたいと思います。有川浩『クジラの彼』おお、ちょっと意外です。この作品は有川浩の著作のなかで、一番、好きなものですが、なんとなくライトノベルと言うより、一般文芸の方で好まれているかなと思っていたので。
*1:『DDD』は単行本とはちょっと言いがたいと思います