ふと思ったのですが、小学館ガガガ文庫は1年目にして、もう新人を何人も出しているような気がしました。第1回ライトノベル大賞○○賞受賞作って何個あるんだ? と言うわけで調べてみました。
ガガガ文庫の新人(6月〜9月)
神崎紫電『マージナル』(大賞)
山川進『学園カゲキ!』(ガガガ賞)
水市恵『携帯電話俺』(佳作)
壱月龍一『Re:ALIVE 1 〜戦争のシカタ〜』(佳作)
三日月『さちの世界は死んでも廻る』(期待賞)
香月紗江子『カラブルワールド 緑の闇』(期待賞)
一柳凪『みすてぃっく・あい』(期待賞)
田中ロミオ『人類は衰退しました』
原田宇陀児『新興宗教オモイデ教外伝 1』
谷崎央佳『ベクシル 〜my winding road〜』
砂山蔵澄『天元突破グレンラガン 1』
灰原とう『イメイザーの美術』(一次選考)
樺薫『めいたん 〜メイドVS名探偵〜』
6月から9月までの4ヶ月分の刊行物、計30冊の内、13人が新人ということは*1、全体の43%が新人ということです。ライトノベル大賞からデビューした新人だけでも7人もいます、つまり全体の23%。これは脅威のパーセンテージのように思えます。
たとえばライトノベル業界最大手の電撃文庫を見てみましょうか。
電撃文庫の新人(2月〜5月)
紅玉いづき『ミミズクと夜の王』(電撃小説大賞・大賞)
橋本和也『世界平和は一家団欒のあとに』(電撃小説大賞・金賞)
土橋真二郎『扉の外』(電撃小説大賞・金賞)
樹戸英斗『なつき☆フルスイング! ケツバット女、笑う夏希。』(電撃小説大賞・銀賞)
三木遊泳『カレイドスコープのむこうがわ』(電撃hp短編小説賞・銀賞)
岡田圭介『ディストーション 屍鬼の女王』(電撃hp短編小説賞・最終選考)
殿先菜生『うさぎの映画館』
ガガガ文庫と比較しやすいように第13回電撃小説大賞受賞作の刊行が始まった2月から5月までの4ヵ月分を対象としましたが、7人しかいません。全体の刊行物は52冊なので、新人は13%です。電撃小説大賞からデビューした新人だけで計算すると、8%しかありません。
一応、他の2大レーベルも見ておきましょうか。
角川スニーカー文庫の新人(9月〜12月)
山原ユキ『レゾナンス 1 夕色の堕落』(優秀賞)
永森悠哉『多重心世界シンフォニックハーツ 上 独声者の少年』(奨励賞)
神崎リン『イチゴ色禁区 1 夏の鳥居のむこうがわ』(奨励賞)
本保智『サバキの時間 SLEEPLESS SHEEP'S JUGDE』
『マキゾエホリック』で奨励賞を受賞した東亮太が2006年2月に受賞しているので、始点をどこにするかで迷いましたが、優秀賞を受賞した山原ユキのデビューを始点とし、2006年9月から12月の4ヶ月間を対象としました。全体の刊行物25冊の内、新人は4人なので16%*3。
まとめ
レーベル名 | 刊行冊数 | 新人人数 | 割合 |
---|---|---|---|
ガガガ | 30冊 | 13人 | 43% |
電撃 | 52冊 | 7人 | 13% |
ファンタジア | 31冊 | 3人 | 9% |
スニーカー | 25冊 | 4人 | 16% |
こうして見ると、やはりガガガ文庫の新人率は群を抜いて高いですね。後、創刊ラッシュがあったことを鑑みても、スニーカーよりも刊行点数が多いというのが地味に驚きです。
とは言え、この集計に使った4ヶ月という対象期間は恣意的に選択したものなので、データとしての精度はあまり高くありません。ほんとうは1年単位で集計した方がいいでしょうね。来年の6月、ガガガ文庫が1周年を迎えたら、改めて集計してみましょうか。そのときはファミ通文庫、MF文庫J、スーパーダッシュ文庫、HJ文庫、GA文庫といった他のレーベルも加えて、各レーベルが刊行ラインナップに新人を入れる割合を見たら面白いかもしれません。
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