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我が掌で踊れ『惨劇RoopeR』リプレイ風紹介記事、その1

 本記事は、ゆるいネタバレを含みます。真っ白な気持ちで『惨劇RoopeR』を楽しみたいひとは後ほどお越しください。
 さて始めます。
 前回『惨劇RoopeR』というボードゲームを、かんたんに紹介しましたが、紹介記事の第2弾として、秋山オリジナルの脚本のリプレイ風に紹介してみたいと思います。惨劇に挑む主人公になったつもりで、読んで頂ければ幸いです。
 そして例のごとく文字ばっかりです。
 画像を作っても良いかなと思ったのですが、敢えてなしで行こうと思います。2月9日より再販が始まるので、手元において動かしながら読んでください、ということで。

ゲームの準備

『やあ、主人公諸君。私の名は……いや、名乗るのは止めておこう。ただ、脚本家、と呼んでほしい。悪たる私は、確たる理由なく、この地方都市にて惨劇を巻き起こしたいと思う。諸君は私の行動を止めてもいいし、止めなくてもいい』
『惨劇の条件として、私はルールYから1つ、ルールXから2つ、計3つのルールを選択した。さらに1日目から8日目の間に計4回、事件が発生するように仕組ませてもらった。2日目に不安拡大、4日目に邪気の汚染、5日目に自殺、7日目に殺人事件が発生する。諸君らは2回だけループ能力を発動することが許されている、つまり3回以内に惨劇を食い止めることが出来なければ諸君の負けだ。尚、諸君はループ中に相談することが許されている。ただし、どんなカードを配置したかを明かすことは許されない』
『では始めよう』

1ループ/1日目

『まずは私の行動フェイズだ。医者、サラリーマン、お嬢様にカードを伏せる』
「次は主人公の行動フェイズだな? まずはリーダーである俺から行動を開始する。俺は情報屋にカードを置く」
「じゃあ私はサラリーマンに置くことにするね」
「2人とも決断が早いな」
「最初のループは、いかに情報を引き出すかがキーなの。ルールXを暴いてくれる情報屋やサラリーマンと友好を深めるのは、序盤の鉄則よ」
「そうなのか。それじゃあ僕はお嬢様にカードを置かせて貰おう」
『全員、カードを配置したな。それでは解決を始めよう』

医者:不安+1
サラリーマン:不安+1、友好+1
お嬢様:暗躍+1、友好+1
情報屋:友好+2

『情報屋に対して〈友好+2〉のカードを使用したな? そのカードはループ中に1回しか使用できないカードだ。使用した証に、ループ終了時まで表を向けて置いておくのだな』
「分かった」
『さて、すべての行動が解決されたな。それでは脚本家の能力を使用させて貰おう。おっと、医者と刑事に、それぞれ不安カウンターが1つ乗ったようだな』
「──!」
「ちょっと待って、脚本家の能力使用フェイズにおいて、不安カウンターを置くことが出来る能力者は〈ミスリーダー〉だけじゃないの??」
「待て、医者の友好能力を、よく見るんだ」
「えっ……?」

【医者】
このキャラクターと同じエリアにいる、自身以外のキャラクター1人を選ぶ。そのキャラクターの不安カウンターを1つ取り除く、または、そのキャラクターに不安カウンターを1つ載せる。このキャラクターが友好無視を持つ場合、脚本家は脚本家能力仕様フェイズにこの能力を使用してもよい。

「なるほど。医者は友好無視の役職ってことね」
『ふふふ、次は主人公の能力使用フェイズだぞ?』
「どのキャラとの友好を深めきれていないから、このターン、使用できる能力はないな。ターン終了を宣言する!」
『いいだろう。ではリーダーカードを隣に渡して、日を進めよう』

1ループ/2日目

『私の行動フェイズだな。女子学生、サラリーマン、お嬢様にカードを置く』
「昨日とほぼ同じ配置ね。ってことは、またお嬢様に暗躍カウンターを載せる気かしら……? まあ、とりあえず私は、情報屋に載せるわね」
「それじゃあ、僕はお嬢様に」
「だったら俺はサラリーマンだ」
『では開示しよう』

女子学生:不安+1
サラリーマン:不安+1、友好+1
お嬢様:暗躍+1、友好+2
情報屋:友好+2

『ふむ。〈友好+2〉は全員が使用したようだな。それらは手札に戻さず、場に置いておくように』
『脚本家の能力使用フェイズだな。入院患者と情報屋に不安カウンターを1つ載せることにしよう』
「次は主人公の能力使用フェイズね。お嬢様の能力を……そうね、女子高生に対して使用させて貰えるかしら?」
『よかろう』

【お嬢様】
このキャラクターが学校または都市にいる場合のみ使用できる。このキャラクターと同じエリアにいるキャラクター1人に友好カウンターを1つ置く。

「おっ、成功したな。ってことはお嬢様は友好無視の役職ではないってことか」
「いいえ。油断は禁物よ。友好無視するかどうかは、ウィッチを除いて自由だから」
『さて。主人公能力使用は以上だな。では続いて事件フェイズか。おっと、女子高生に不安カウンターが2つ、お嬢様に暗躍カウンターが1つ載ったようだな』
「不安拡大の事件が発生したか……。犯人はこの時点で不安臨界を迎えているキャラ、つまり医者、サラリーマン、お嬢様の内の誰かだな?」

【不安拡大】
任意のキャラクター1人に不安カウンターを2つ置き、任意の別のキャラクター1人に暗躍カウンターを1つ置く。

『その質問に答える義務は、私にはないよ? では、日を進めよう』

1ループ/3日目

『さて、早くも1ループ目の3分の1を迎えたな。私はお嬢様、入院患者、巫女にカードを伏せよう』
「主人公側の行動は、リーダーの僕からか。それじゃあ、情報屋にカードを置くことにするよ」
「だったら俺はサラリーマンだな」
「私は巫女にしようかしら」
『開示するぞ』

お嬢様:暗躍+1
入院患者:不安+1
巫女:不安+1、友好+1
情報屋:横移動
サラリーマン:友好+1

『ほう。情報屋を学校に移動させたか』
『次に私の能力使用フェイズだな。医者と刑事に不安カウンターを1つずつ載せるぞ』
「なるほどな。情報屋が学校にいる状態で刑事に不安カウンターが載ったってことは、〈ミスリーダー〉は刑事かサラリーマンのどちらかだな」

【ミスリーダー】
各ターンの脚本家能力フェイズにこのキャラクターと同じエリアにいるキャラクター1人に不安カウンターを1つ置いても良い。

「主人公側の能力使用フェイズだね。それじゃあ、まずサラリーマンの能力を使用するよ? 脚本家、サラリーマンの役職を教えてくれ」

【サラリーマン】
このキャラクターの役職を知る。

『サラリーマンの役職は……〈パーソン〉だ』
「なるほどね……ってことは、消去法的に〈ミスリーダー〉は刑事ってことになるね。じゃあ、次に、お嬢様の能力を女子高生に対して使用する。そして、これによって女子高生の友好能力が使用できるはずだ。お嬢様の不安カウンターを1つ取り除かせてくれ」

【女子高生】
このキャラクターと同じエリアにいる、自身以外の学生1人の不安カウンターを1つ取り除く。

『よかろう』
「女子高生の友好能力も使用できたな。よし、最後に情報屋の能力を使用する。ルールXの1つ目を教えてほしい」

【情報屋】
ルールX1かルールX2のどちらかを指定する。指定されたルールの正体を知る。

『ルールXの1つ目……それは…………〈因果の糸〉だ』

【因果の糸】
各ループの開始時、ひとつ前のループ終了時に友好カウンターが置かれていたキャラクター全員に不安カウンターを2つ置く。

「……ちょっと失敗したな、皆、すまん。〈因果の糸〉は全ルールのなかでも、最も分かりやすいやつだし。でも、情報屋が友好無視を持たないことが分かっただけでも価値はあったかな」
「難しいところだな。どうせバレるし、敢えて無視しなかった、って可能性もあるぜ。でも、まあ、刑事やサラリーマンの役職も分かったし、OKだろ」
『相談は終わったかね?』
「ああ。主人公能力使用フェイズの終了を宣言する」

1ループ/4日目

『お嬢様、刑事、巫女にカードを置かせてもらおう』
「一周して、また俺にリーダーが戻ってきたな。俺は巫女にカードを置く」
「ええと、あんたが巫女に置いたってことは、私はお嬢様にこのカードを置けばいいのかしら」
「僕は……うーん、難しいな。〈因果の糸〉を考えると、あまり友好度を上げすぎても、次のループに不利になるばっかりだし、まあ、でも刑事に置いてみるよ」
『置き終わったな。開示するぞ』

お嬢様:不安+1、移動禁止
刑事:横移動、友好+1
巫女:不安+1、縦移動

『ほう、だいぶ学校にひとが集まってきたようだな。では私の能力使用フェイズだ。医者とお嬢様に不安カウンターを1つずつ置くことにしよう』
「ちょっと裏目に出たな。まあ、いい。俺たちのターンだ。まず、お嬢様の能力を使用して、巫女に友好カウンターを1つ載せて、女子高生の能力で巫女から不安カウンターを1つ取り除く」
『よかろう』
『さて、4日目が終了する前に、事件フェイズだ。どうやら神社に暗躍カウンターが2つ乗るようだな』

【邪気の汚染】
神社に暗躍カウンターを2つ置く。

「事件が発生したのか。犯人候補は医者、サラリーマン、お嬢様、入院患者ってところか」
「もう敗北条件が整っていてもおかしくないわね……」

1ループ/5日目

『さて。女子高生、男子高生、情報屋にカードを置かせてもらおう』
「ふーん。なんだか、よく分からないわね。とりあえず巫女かな」
「僕は刑事に置くよ」
「迷うなあ。お嬢様に置いてみるか」

女子高生:不安+1
男子高生:横移動
情報屋:縦移動
巫女:友好+1
刑事:縦移動
お嬢様:不安−1

『だいぶ場が動いたようだな。そして〈不安−1〉は1ループに1度だけ使用できるカードだから、場に置いておくのだな。さて、私は医者と情報屋に不安カウンターを置くことにしよう』
「私たちの番ね。まずお嬢様の能力で巫女に友好カウンターを1つ載せて、女子高生の能力でお嬢様から不安を1つ取り除くわ」
『よかろう。さて、この日、残念なことに、この地方都市にて自ら命を絶った者がいる。その者の名は……女子高生だ』

【自殺】
犯人は死亡する。

「…………」
『さあ日を進めるぞ』
「女子高生はキーパーソンではなかったみたいね。フレンドだったのかしら?」

1ループ/6日目

『6日目を始めるぞ。医者、巫女、神社にカードを伏せる』
「僕の番か。無理そうな気もするけれど、巫女に置いてみるよ」
「だったら俺は刑事だな」
「ふうん。じゃ、神社かな」

医者:斜め移動
巫女:縦移動、友好+1
神社:暗躍+1、暗躍禁止
刑事:友好+1

『ふむ。それでは、医者と情報屋に不安カウンターを1つずつ置くことにしよう』
「あんた、医者を不安にさせすぎでしょう」
『さあ、諸君の能力使用フェイズだぞ?』
「ええと巫女の能力の1つ目を使って神社から暗躍カウンターを取り除くよ」
『よかろう』

【巫女】
このキャラクターが神社にいる場合のみ使用できる。神社から暗躍カウンターを1つ取り除く。

「よかった。巫女の能力を使えるみたいだ。それじゃあ、引き続き、2つ目の能力で情報屋の役職を教えてほしいな」

【巫女】
このキャラクターと同じエリアにいるキャラクター1人の役職を知る。

『情報屋の役職は……〈パーソン〉だ』
「また、パーソンかよ。まあ、いいや、主人公能力フェイズの終了を宣言する」
『では日を進める……その前にひとつ処理をさせて貰おう。どうやら諸君は惨劇を食い止めることが出来なかったようだな。お嬢様が死亡し、諸君らは敗北した!』
「……!!」
『これにて1ループ目が終了する。2ループ目に入る前に、諸君は時の狭間において5分間の相談が許される』

時の狭間

「負けた……わね」
「ああ。だが、だいぶ分かったことがある」
「分かったことを、ひとつずつ共有していこう。まず、お嬢様が死亡した瞬間にループが終了したということは、お嬢様が〈キーパーソン〉であったことが分かる」

【キーパーソン】
このキャラクターが死亡した時、主人公は敗北し、直ちにこのループを終了させる。

「そしてお嬢様を殺した犯人が同じエリアにいた医者であるってこともね」
「ということは医者の正体は〈キラー〉〈アンサツシャ〉〈シリアルキラー〉のどれかってことか」
「〈アンサツシャ〉ってことはありえないね。〈アンサツシャ〉が追加されるルールは〈主人公殺人計画〉だけで、これだと〈キーパーソン〉が入らない」
「〈シリアルキラー〉でもないね。もし医者が〈シリアルキラー〉だったなら、もっと早い段階で入院患者が死んでいないとおかしい」
「消去法的に考えると、つまり、医者の正体は〈キラー〉か……」

【キラー】
キーパーソンに2つ以上の暗躍カウンターが乗っており、このキャラクターが同一のエリアにいる場合、ターン終了フェイズにキーパーソンを死亡させても良い。
このキャラクターに4つ以上の暗躍カウンターが乗っている場合、ターン終了フェイズに主人公を死亡させても良い。

「確かにお嬢様には2つ以上の暗躍カウンターが載っていたな」
「〈キラー〉がいて〈キーパーソン〉がいたってことは、ルールYも分かったな。〈殺人計画〉だ」

【殺人計画】
役職にキーパーソン、クロマク、キラーを追加する。

「なるほど。でも〈クロマク〉なんていたっけ?」
「脚本家の能力使用フェイズにおいて〈クロマク〉が能力を使用することはなかったわね。つまり、隠されているってことね」
「ルールYが分かったところで、ルールXの方は、どうだろうか? 片方は情報屋の能力で〈因果の糸〉ってことは分かったけれど」
「刑事が〈ミスリーダー〉であったことを考えるなら〈恋愛模様〉〈不穏な噂〉〈マイナス13〉〈妄想拡大ウィルス〉のどれかだろうな」
「情報が足りないわね。事件の方は、どうかしら」
「2日目の事件〈不安拡大〉の犯人候補は医者、サラリーマン、お嬢様の3人だな」
「4日目の事件〈邪気の汚染〉の犯人候補は医者、サラリーマン、お嬢様、入院患者の4人……だけど、神社に暗躍カウンターが載っても、〈殺人計画〉の場合は関係ないから無視してもいいね」
「5日目の事件〈自殺〉の犯人は女子高生だな。フレンドでも、ラバーズでも、メインラバーズでもないみたいだが……」
「7日目の事件〈殺人事件〉は発生すらしなかったから、犯人はまったく分からんな」
『そろそろ時間だぞ?』
「分かってることをまとめましょう。ルールYは〈殺人計画〉、ルールX1は〈因果の糸〉。お嬢様は〈キーパーソン〉、医者は〈キラー〉、刑事は〈ミスリーダー〉、サラリーマンと情報屋は〈パーソン〉こんなところかしら」
「次のループの方針を立てよう。まずルールX2を確認するために、情報屋との友好を高めよう。並行して、巫女の友好も高めるのと、医者にお嬢様を殺させないようにしよう。」
「了解」
『諸君、時間だ。では、次のループを始めよう』

つづく

 と、言うわけで「その1」はここまで。
 計算しながら書いてるので、なんだかすごい時間が掛かりました……。
 小鳥さんが惨劇したくてたまらない動画を見て、こういうエントリもありかなあと思って書き始めましたけれど、やっぱり文字だけだと、今ひとつ伝わって来ないですね……。
 図版を用意して、かつ動画にしたら分かりやすいかもしれませんが、完成までに要する時間が倍増どころじゃなくなりそうです。とりあえず最後まで、がんばって書いてから、気が向いたら東方キャラで動かしてみましょうかね。やるなら、キャラは霊夢魔理沙とアリスの3人かな。脚本家は射命丸で決まりですね!
D

追記

 投票キャラでやるなら、3人の内のひとりはチルノにした方が面白いな……。