もう、これ以上でも以下でもないのですが、今日は、1回しか遊べないゲームは、コストパフォーマンスが悪いという考え方は、今ひとつ優雅さに欠けるのではないか、という話をします。
と言いつつ、ごいたやクリベッジのように繰り返し遊べるゲームが大好きな秋山です。こんにちは。
発端について
発端は、Twitterで見かけた安田均氏の発言です。
以下、引用。
よく不思議に思うのだが、ストーリー型ボドゲを「1回しか遊べない」と何か欠陥のようにいう人がいるのが気になる。例えばパズル本やRPGシナリオやゲームブックを1回しか遊べないと不満をいう人がいるだろうか。価格? 2000円台は本だってする。不満は1回性じゃなく、面白さに対してだろう。
— 安田均 (@yasudahitoshi2) 2018年9月20日
最近、発売された『アリスと謎とくらやみの物語』に対する反応のなかで、目についたものがあったのかもしれません。
それはそうと『アンドールの伝説』『ゴーストハンター13 タイルゲーム』『T.I.M.E ストーリーズ』『EXIT』等々、枚挙にいとまがありませんが、最近、1回しか遊べないゲームが、ボードゲーム市場に多く出てきましたね。
一度はプレイしたり、見聞きしたことがあるひとも多いと思います。
実際に遊ばれた方も、購入された方も、遊ばせてもらったから買わなくて良かった……そう思われた方も多いことでしょう。
減価償却という考え方
たとえば、1万円するボードゲームを買って、直後に遊んだとします。そうしたとき、その1回のゲーム体験は、実質的に1万円の価値を持つと言えます。
数日後、そのゲームを、もう一度、遊んだとします。その瞬間、1回のゲーム体験は5000円になることでしょう。3回目は3333円、4回目は2500円。5回目には2000円となります。こうして繰り返しプレイしていくと、10回目には1000円、20回目には500円、100回目には、ついに100円まで下がります。
感性にもよるでしょうが、1000円を下回れば元は取った、そう考えられるのではないでしょうか。
ほんとうに。
ほんとうに、そう考えられるのでしょうか?
この減価償却の考え方には、ちょっと疑問ですね。
何と言うか、ゲームそれ自体の内容、面白さを度外視し、コストしか見ていません。
そもそも、私たちは、どうして遊ぶのでしょうか、どうして仲間と共にゲームに興じるのでしょうか。減価償却するためじゃないですよね。払った分のお金の元を取るためじゃないですよね。
楽しむためだったのではないでしょうか?
そこを目的にしないのであれば、もう元を取るとか考えないで、買わない方が最適解になるのではないでしょうか?
一回性を楽しむという考え方
ちょっと煽るような表現をしてしまいました、失礼。
さて、秋山は2年前の冬からリアル謎解きゲームを好んで遊んでいます。
エッセン・シュピールで『EXIT』に触れたのがキッカケでした。その後、帰国して、SCRAPをはじめとしたリアル謎解きゲームを遊び始めたとき、
これ、お金が掛かるわりに、あんまり面白くないな
と思った瞬間が、なかったと言えば嘘になります。
しかし、見切りをつけることはしませんでした。
何故って、実際問題として、1回3000円という安くない料金を払って、様々なリアル謎解きゲームを遊びまくっているプレイヤがいたからです。
リアル謎解きゲームのプレイヤを観察しているうちに、ひとつ気がついたことがあります。本質的に、ボードゲーマーとは異なるな、と感じたのです。なんと言えば良いのでしょうか。ゲームに向き合う姿勢と言うか、その真剣さです。
考えてみれば当然です。
価格は高い上に、1回しか遊べない。やり直しが効かないのです。真面目なプレイヤほど、前のめりで楽しみにいきます。
そう。
察するに、ゲームが面白いか面白くないかではなく、ゲームを楽しむか楽しまないか。そんな姿勢なのです。
楽しむために求められる姿勢が別種
とは言え、ボードゲームだって、別に受動的に面白さを享受するのではなく、能動的に楽しみに行っても良いんですよね。
と言いますか、多くの方は、ふだん、無意識のうちにそのように遊ばれていらっしゃると思うんですよね。特に、自分でゲームを買ったり、インストしたりするような方は、その姿勢が強いのではないでしょうか。
なので、1回しか遊べないことを残念に思うのではなく、1回しか遊べないならば、その1回を全力で楽しもうという姿勢を意識しさえすれば、楽しく遊べられるのではないでしょうか。
と、提案したところで締めることにします。
終わりに
途中に挙げた『アリスと謎とくらやみの物語』『T.I.M.E ストーリーズ』『EXIT』は、ランダム要素もなく、特に一回性が激しいですが、その分、充実度は高いですね。最近だと『アリスと謎とくらやみの物語』が、非常に良く出来ています。個人的には『T.I.M.E ストーリーズ』が大好きなゲームです。
『アンドールの伝説』と『ゴーストハンター13 タイルゲーム』は、ランダム性があるので、最終的な結末は同じですが、途中の展開が異なるので、ひとによっては繰り返しのプレイに耐えられそうですね。秋山は、どちらも大好きなので、何度、遊んでも構わないですね。だいたい1年も経てば忘れるので、新線な気持ちで楽しめます。
皆さんも、どうぞ楽しいゲームライフを。