雲上四季〜謎ときどきボドゲ〜

本と涙と謎解きと、愛しさと切なさとボードゲームと

成功して楽しい、失敗して楽しい謎解き50選(2018年版)

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 謎解きは一度しか遊ぶことができないからこそ、極上のエンターテイメントでありうるのでしょう。
 2018年もおおいに閉じ込められては脱出し、謎を解き、そして脱出しました。
 今日は、2018年に遊んだリアル謎解きゲームのなかで、特に面白かった50作を紹介させてください

戦績の紹介

 まずは、実績から。
 Excelでの集計を始めましたが、2018年に遊んだ謎解きは合計でぴったり180作でした
 この内、ホール型は24作、ルーム型は12作、周遊型は37作、CUBEは13作、ナゾガクなどのフェスで遊んだものが16作、持ち帰り謎が58作、そして残り20作がWeb謎やリアル捜査ゲームなどその他です。
 ちなみに戦績は謎のサイト(仮)でも集計しています。

 ただ、こちらは登録されているものもあれば、されていないものもあるので、2018年1月1日から12月31日まで参加したものだと、105イベントとなりました。

成功率

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 せっかくなので、謎のサイト(仮)での集計結果もご紹介します。
 こちらは、登録状況に応じてグラフを自動作成してくれるので、ざっくりと戦績を振り返るには、けっこう便利です。
 まずは成功率から見ていきましょうか、成功78%、失敗19%。参加しさえすれば、ほぼ成功できる周遊型も含まれるので、体感の成功率としては、だいたい50%から60%くらいです。

月別戦績

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 昨年に比べると波がありますね。
 だいたいリアルが忙しかった月は、その影響を受けているような気がしますね。
 ただ、時間制限のある謎解きをしていないときは、その分、積んでいる持ち帰り謎を崩していたような気もするので、持ち帰り謎も含めると、毎月、安定していた謎に触れていた気もします。

公演形式別戦績

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 こちらは、公演形式ごとの戦績。
 フィールド型(周遊型)とカフェ型は、当たり前かもしれませんが成功率100%になっていますね。
 これを見ると、ホール型は60%~70%くらい、ルーム型に至っては75%を越えています。
 探索力は低めであると思っているので、この高さは、ちょっと意外ですね……。

団体内訳

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 最後は参加している謎制作団体の内訳です。
 だいたい予想通り、やっぱりSCRAPが多くなってしまいますよね。次点は大好きな、よだかのレコード。今年はタカラッシュもけっこう遊びました。

面白かった50作

 前置きが長くなりましたが、いよいよ180作のなかで、特に面白かった作品を紹介していきます。

ホール型ベスト10
順位 タイトル
1位 作家Qと解答者Aの不思議な関係
2位 謎特異点I ベーカー街からの脱出
3位 儀式残りし謎の島
4位 シン・ゴジラからの脱出
5位 巨人潜む巨大樹の森からの脱出
6位 さよなら、僕らのマジックアワー
7位 大予言からの脱出
8位 マンガ荘からの脱出
9位 ある魔法図書館の奇妙な図鑑
10位 悪魔的大忘年会からの脱出

 4名~6名でテーブルを囲み、同時に20名~100名が参加する、いわゆるホール型。ルーム型と比較して動員数を稼ぐことができるので、現在、リアル謎解きゲームにおいては主流となっている形式かと思われます。
 2018年は計24作を遊びましたが、ベストはすゞひ企画の『作家Qと解答者Aの不思議な関係』。このイベントは、厳密には謎解きではなく、どちらかと言うとミステリー系のイベントに近いのですが、ミステリー系のイベントを、リアル謎解きゲームの形式で開催しているという点において、謎解きに含めて良いのではと思っています。この作品はすゞひ企画の、3番目の作品になりますが、過去最高に物語と謎が有機的に絡み合い、もう最初から最後までずっと幸せな時間が続くという素晴らしい公演でした。
 2位以下、SCRAPのホール型が多いですが、個人的にベストはFGOとコラボした『謎特異点I ベーカー街からの脱出』です。FGOが好きと言うのもありますが、なんと言ってもラス謎のエレガントさですね。『シン・ゴジラからの脱出』は失敗こそしましたが、映画『シン・ゴジラ』の世界観に入ったような気分を最大限に楽しめました。『巨人潜む巨大樹の森からの脱出』は、やっぱりZEPPという空間が効いていますよね。あの大画面と大音響で巨人を再現されては、もうお手上げです。『さよなら、僕らのマジックアワー』は泣きました、『ある魔法図書館の奇妙な図鑑』はキラキラしたプロジェクションマッピングが生み出すドキドキ感が素敵、『悪魔的大忘年会からの脱出』は茶番120%が好きです。
 よだかのレコードのホール型のなかでは『儀式残りし謎の島』がベストです。三つ目がとおるとのコラボですが、よだかのレコードが得意とするモノ感が色濃く発揮されていて、初めて見る道具の数々を堪能しました。次点は『大予言からの脱出』でしょうか、読み物が多いのは好みが分かれるかもしれませんが好きです。『マンガ荘からの脱出』は、やった遊べた! という感じですね。平日夜公演、最高です。

ルーム型ベスト5
順位 タイトル
1位 アンドロイド工場からの脱出
2位 絶望トイレからの脱出
3位 十人の憂鬱な容疑者
4位 異世界列車からの脱出
5位 Fiction Escape

 1位は「これはルーム型と言えるのか? 謎解きと言えるのか?」とも言われそうですが『アンドロイド工場からの脱出』です。ひとつの体験として、非常に楽しかったです。なんなら謎解きは抜きにして、単純に遊びに行きたいくらいです。これは浅草アジトで遊べる『追跡者Xからの脱出』もですね。ラス謎に至るまでが楽しすぎて、ラス謎不要では? とすら思ってしまいます。
『絶望トイレからの脱出』は、ほんとうによく出来ていますね。振り返ってみて、あの小部屋で、2人プレイで、あそこまで濃密な謎解き体験は、マジで快感でした。第2弾を強く希望します。
 3位の『十人の憂鬱な容疑者』は下北沢アジトが再演してくれたので、ようやく遊べましたが、めちゃくちゃ好みです。なんなら持ち帰り謎でやれ、みたいな感じですが、良いじゃないですか。
 4位の『異世界列車からの脱出』は、大阪の時解Tokitokiさんで遊びました。ここに来て、ようやく正統派ルーム型という感じですが、これは、とにかく雰囲気が良かったです。この世とあの世をつなぐ異世界列車から脱出して、なんとかして元の世界に戻ろうという物語なのですが、内装がほんとうによく出来ていて堪能しました。
 最後の『Fiction Escape』は、ドイツのデュッセルドルフで遊びました。ここも雰囲気が良かったですね。序盤は、わりとふつうな感じだったのですが、中盤から終盤に掛けてかなり盛り上がりました。時間ギリギリでしたが、最後は無事に脱出できて良かったです。ドイツまで行って脱出失敗してしまうと、リベンジがたいへんですからね。

周遊型ベスト10
順位 タイトル
1位 クマが珈琲を飲む理由
2位 電脳九龍城怨念遊戯殺人事件
3位 Live-Rally -運命をつなぐ物語-
4位 DIOの館に残された手紙
5位 古書店まんせい堂奇譚
6位 MYSTERY MAIL BOX GLOBAL EDITION
7位 地下謎への招待状2018
8位 トロンプ・ルイユ殺絵事件
9位 くまっキーと過去からの不思議な手紙
10位 謎解無限回廊

 1位はタカラッシュ! ブラックレーベル(takarush BLACK LABEL)さんが吉祥寺で開催している『クマが珈琲を飲む理由』。こんなところで、いきなりですが、これは2018年のベストです。もう一度、言います。2018年に遊んだ全謎解きのなかで、いちばん良かったです。とにかく終盤の怒涛の展開。泣けます。秋山は涙もろい方なので『さよなら、僕らのマジックアワー』でも、もちろん泣いたのですが、こちらはわけが違います。だって、純粋な物語で泣かされたのですから。ほら、ホール型の場合、動画や音響、その場の雰囲気と、いろいろ揃ってるじゃないですか。でも『クマが珈琲を飲む理由』は違いますよ。ひとり謎解きキットと向かい合い、ストーリーを読み、謎を解き、物語の構造を理解したとき、気がついたら泣いていたのです。ほんとうに心が震えました。傑作。
 2位もブラックレーベルさんです。九龍城を模したウェアハウス川崎で開催された、金田一少年とのコラボ『電脳九龍城怨念遊戯殺人事件』これは圧巻でした。ボリュームもさることながら、あのキットの作りが凄いですよね。途中、ちょっとゲームブック的な要素があったのも好みです。その他、ブラックレーベルさんの作品だと『古書店まんせい堂奇譚』も物語要素が強めで好み、『トロンプ・ルイユ殺絵事件』は軽めですけれど世界観が好みです。
 よだかのレコードからは『Live-Rally -運命をつなぐ物語-』が傑作でした。謎解きの完成度としては、第2弾の方が優れていますけれど、ストーリー的には第1弾の方が好みですし、やっぱりラス謎を解いた後の展開がグッと来ました。
 SCRAPからは、ミステリーメールボックスシリーズですけれど、ジョジョの奇妙な冒険とコラボした『DIOの館に残された手紙』が良かったです。2018年は、LINE@を活用した謎解きが多かったですが、キャラと対話しながらゲームを進めるという意味では、リアル捜査ゲームもありますが、こちらの方が強く雰囲気が出ていました。壁の向こう側に承太郎一行がいて、壁越しに協力するという設定が好みでした。後は、言語依存が一切ない『MYSTERY MAIL BOX GLOBAL EDITION』は純粋な謎解きで楽しく、『地下謎への招待状2018』は東京小旅行を楽しめて良かったです。『くまっキーと過去からの不思議な手紙』については、謎解き要素も良かったですが、それよりも思い出補正でしょうか。1年間、東京ミステリーサーカスでいろいろ楽しいことをしたなあと思い出しながら遊んだら、余計にグッとしてしまいました。
 最後は「TAMAARI SUPER QUEST Vol.1」と題され、さいたまスーパーアリーナで開催された『謎解無限回廊』。けっこう疲れましたし、謎解き的には微妙なところもありましたが、やっぱり広大な空間を歩き回りながら謎を解くのは、純粋に楽しいですね。第2弾は予定があわず参加できませんでしたが、第3弾は参加予定です。

CUBEベスト5
順位 タイトル
1位 タカラッシュ!調査団と魔女の館の禁じられた秘薬
2位 黒い箱
3位 彼氏の部屋とヒミツ
4位 ファンの1人と思ってました!
5位 E-Pin Mystery Cube 最後の風景画事件

 CUBEはコストパフォーマンスを考えると、足が遠ざかる瞬間もあるんですけれど、やっぱり楽しいので、定期的に戻ってきてしまいます。やっぱりモノ感があるのが好きですね。せっかくの小部屋なので、簡易ルーム型として、その部屋にしかないものを使って、その部屋でしかできない体験をしたいです。『タカラッシュ!調査団と魔女の館の禁じられた秘薬』は特にモノ感が強かったですね。『彼氏の部屋とヒミツ』はストーリーがほがらかで良かったですね、『ファンの1人と思ってました!』も好きです。
『黒い箱』は謎組による硬質な新作。『赤い壁』が好きなひとは、きっと楽しめます。
『E-Pin Mystery Cube 最後の風景画事件』は謎解きというより、ミステリーイベントをシンプライズしたようなものでしたが、けっこう楽しかったです。事件現場で這いつくばって被害者の気持ちになると、ほんとうに事件って解決できるものなんですねえ。

持ち帰り謎ベスト10
順位 タイトル
1位 無限召喚文字
2位 アリスと謎とくらやみの物語
3位 code:box #2 死霊使いとはじめてのともだち編
4位 海底基地ネオアトランティスからの脱出
5位 リミット30min
6位 オバケ商店街 V字回復大作戦
7位 中二謎
8位 写楽保介のおそろしい実験
9位 謎付きクリアファイル(ジョジョの奇妙な館からの脱出)
10位 ナゾトキクッキー ~謎の世界にとらわれた少女を救え~

 2018年はけっこう持ち帰り謎を遊びました。遊んだと言うか、気持ち的には積みを崩しているんですけどね。なんか公演に参加して、オリジナルグッズに持ち帰り謎があると、ついつい買ってしまうんですよね。まだまだ積みが残っているので、今年はなるべく買いは控えて、積みを崩すことを心掛けます。
 前置きが長くなりましたが、ベストは『無限召喚文字』です。これは2018年のベストと言うか、人生で触れた持ち帰り謎のベストかもしれません。だって、ほんとうに、無限に、文字を、召喚できるんです。内容物は紙だけなんですが、数枚の紙で無限を生み出していて戦慄しました。
 2位は物語と謎が有機的に絡み合っていることに加えて、タイルを配置していく楽しさもあった『アリスと謎とくらやみの物語』です。LINEの作りも良くできていて、複数人で楽しく遊べる仕組みもあって良かったです。完成度という観点では飛び抜けています。
 モノ感、そして技術感のある謎解きという観点では『code:box #2 死霊使いとはじめてのともだち編』特にラストの展開が感動的で、前作をはるかに凌駕します。
 4位以下『海底基地ネオアトランティスからの脱出』、『リミット30min』、『オバケ商店街 V字回復大作戦』も完成度が高く、時間制限のある謎解きに抵抗がある方や、自宅で本格的な謎解きを体験したい方にオススメです。
『中二謎』はタイトルだけ見ると、中二病的な要素があるのかと思いきや、実は現役生の中学生が作ったから『中二謎』なんです。若々しいアイデアがまんさいで楽しめました。
 よだかのレコードの『写楽保介のおそろしい実験』は奇跡的な謎で『パズバコ』に迫るものを感じました。『謎付きクリアファイル(ジョジョの奇妙な館からの脱出)』は、実際には「アメイジングメイズ」が突出して良かったです、これだけは遊ぶべきです。
 最後の『ナゾトキクッキー』は、配って遊ぶものとして、とても有用性が高いです。謎解きを布教したい方にうってつけです。

その他ベスト10
順位 タイトル
1位 ロードオブザトレジャー
2位 タカラッシュ!GP
3位 大魔王ゾーマからの脱出
4位 Escape From Black SPORU
5位 ENDLESS BADEND
6位 マドリカ不動産
7位 整形アイドル恐喝事件
8位 嘘つき姫と盲目王子
9位 竜の夜からの脱出
10位 inSPYre

 長くなってきましたが、もう少しお付き合いください。
 1位の『ロードオブザトレジャー』は、カフェ謎部門のベストです。これは、もう、ほんとうに素晴らしいです。特にラス謎が好みです。最後の謎を解いた瞬間に「え、どういうこと??」と宙にポーンと放り投げられてからの、現実をバーン! と見せられる、あのショッキングな展開! これぞカフェ謎と言いたい、傑作でした。
 2位の『タカラッシュ!GP』は死ぬほど疲れましたけれど、死ぬほど楽しかったですね。あの広い空間で、みんな真剣になって、全力で走っていたんですねえ。感慨深いです。華麗に失敗しましたけれど、参加できて、ほんとうに良かったです。
 3位の『大魔王ゾーマからの脱出』は、3位でもなんでもなくて、当日は、ずっと行列に並ばされ、ひたすらに疲れたんですけれど、最後の5分間で、あの苦行をすべて帳消しにする大胆さがさすがですよね。後は、中盤の「俺、今、ドラクエ世界にいる」感。これもすごかったです。
 突如、大井町に現れた『Escape From Black SPORU』は、ワンデーパスを買って遊び尽くしました、楽しかったですね。『ENDLESS BADEND』はTwitterのDを使ってルーム型を再現するという意欲的な作品。運用負荷が高いという課題がありますが、素直に良いと思います。『マドリカ不動産』はニンテンドースイッチで遊べる謎解き、それも協力プレイがしぜんとできる形式。このボリュームで、この安さは破格ですし、しぜんと2~3人プレイを実現しているのが素晴らしいです。
『整形アイドル恐喝事件』は『歌舞伎町探偵セブン』シリーズのなかで、いちばん好きです。と言うか、加藤英美里が好きです。『嘘つき姫と盲目王子』はWeb謎としてシンプルに好き、『竜の夜からの脱出』は2018年に唯一遊んだスタジアム型ということで。
 最後の新宿歌舞伎町で遊べる『inSPYre』は、評価は高いのですが惨敗したので、この順位に。今年、再挑戦して、今度こそ成功する予定です!!

終わりに

 めちゃめちゃ長くなってしまいました!
 ここまでお付き合いいただき、ほんとうに、ありがとうございます!
 最初は10選にしようと思っていたのですが、あれも良いこれも良いで、10選が20選になり、30選になり……こうなったら、50選にしちゃえ! しかも、ぜんぶにコメントしちゃえ! で、やたら長くなってしまいました。
 文中にも書きましたが2018年のベストは『クマが珈琲を飲む理由』です
 時間制限のあるホール型やルーム型も嫌いではありませんが、最近はレベルの高い周遊型や持ち帰り謎も出てきており、最近は、時間制限のないものの方が好みかもしれません。
 2019年も楽しい謎解きに出会えますように……!

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