雲上ブログ〜謎ときどきボドゲ〜

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過去改変して被害者を救う協力型推理ゲーム『アンドゥ 新たな運命の織り手』の感想

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 ホビージャパンから昨年11月に発売された『アンドゥ 新たな運命の織り手』シリーズ3作のうち『桜祭り』と『過去からの呪い』の2作を遊びました。
 ストーリーを読み込むタイプのゲームで、コンポーネント破壊はありませんが、ネタを知ってしまうと1度しか遊べない系となります。ネタバレには配慮していますが、気になる方は回れ右推奨です。

死すべき運命をやりなおすゲーム

最愛の人の悲惨な死は、苦悩と悲嘆以外に何も残さない。
あなたは運命の織り手だ。

あなたは時間を停止し、故人の人生におけるさまざまな決定的瞬間に跳躍して、
その運命を紡ぎ直して死の運命を打ち消すことができます。

あなたはごくわずかな瞬間しか改変することができませんが、
うまくいけば、あなたの選択は充分な影響を残すでしょう。

そうなった場合、故人の新たな行動は、その者をより良い道へと導くでしょう。

http://hobbyjapan.games/undo_cherry_blossom_festival/

 ボードゲーム風に表現するならば、カードゲーム版『T.I.M.E ストーリーズ』でしょうか
 プレイヤーは「運命の織り手」なる存在となり、ある事件に介入します。
 たとえば事件の直前、たとえば事件の1年前、たとえば事件の100年前……過去に起こった出来事を確認し、ほんの少しだけ変えたり、なかったことにできたりします。
 プレイヤーが介入した時間が、事件の本質から遠ければ、介入の結果は、さざなみ程度の影響しか与えませんが、事件と密接な関係を持っていれば、劇的な変化をもたらすことでしょう。

アンドゥ-新たな運命の織り手:桜祭り 日本語版

アンドゥ-新たな運命の織り手:桜祭り 日本語版

  • 発売日: 2019/11/14
  • メディア: おもちゃ&ホビー

ゲームの感想

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 あらゆる時間物が好きで、タイムトラベルや過去改変といったテーマは大好物なので、テーマ的にはグッと来ましたが、ゲームとしては、ちょっと荒削りかなという印象でした。
 アナログゲームである以上、やむを得ないかもしれませんが、システム的には、回数の上限に至るまで介入していって、その後、一気に介入の結果を反映させ、現在がどうなったかを判定する、という仕組みになっています。
 従って、プレイの最中に、状況が細かく変わるということはなく、とりあえず打てる布石を、片っ端から打っておいて、打ち終わった後に、どうなったかを見守る、という感じです


 また、こういうシステム上、判定は点数形式になっており、被害者が死から遠ざかる選択を採れればプラス点、被害者の死が確定に近づく選択を採ってしまうとマイナス点……と、ちょっと機械的です
 介入する場面も限定的で、設問もふわっとしていることが多く、ゲーム終了後に、プレイヤーの介入がプラスだったのかマイナスだったのかが分かるのですが、ちょっと納得しがたいところもありましたし、そもそも選んだ時間軸によっては、プラス幅が小さかったりして、きちんと物語を読み込んで、最適解を導き出しつづけないと良いエンディングには辿り着けません。


 と言うわけで、求められるのは読解力と想像力です
 一言一句、読み逃さないようにシナリオを読み込み、そこからどういう世界観や物語が広がっているのかを想像し、いくつか仮説を立てて、その上で選択する
 この一連の作業に楽しみを見いだせるか見いだせないかによって、プレイの満足値は大きく変わってきます
『桜祭り』と『過去からの呪い』の2作を遊び、それぞれ1時間ほど掛けて遊びましたが、個人的にはちょっと納得度が低いかな、という印象です。


 遊んでいる最中は、想像して仮説を立てるのが楽しいのですが、答え合わせの段階で「あっれー?」みたいな感じになると、ちょっと残念と言うか、なんと言うか……。
 リリース済みの作品のなかでは『路地裏の血』が未プレイなので、ちょっと悩んでいるのと、日本語版は未リリースですが、既にシリーズ自体は7作まで出ているので、先々の作品は、もっと面白くなるかもしれません。
 シリーズ4作目以降も含め一気に買ってもいいのですが、言語依存度が高く、しかも少しでも誤読してしまうとゲームとして成立しなくなるので、ホビージャパンによる日本語版を待ちたいですね……。

アンドゥ-新たな運命の織り手:過去からの呪い 日本語版

アンドゥ-新たな運命の織り手:過去からの呪い 日本語版

  • 発売日: 2019/11/14
  • メディア: おもちゃ&ホビー

一緒に遊んだぺこらさんの感想

『桜祭り』は日本が舞台だったから、馴染みがあると言うか、とっつきやすかったと思う

そうね。でも、日本の中でも、比較的、マイナーと言うか、知名度的には、ちょっと劣る都市が舞台だったから、日本人は「ああ、あそこらへんか」と分かっても、海外のプレイヤーで東京や京都くらいしか知らないようなひとだと「どこやねん」ってなりそう

確かに、私、行ったことない

ぼくは仕事で行ったことがあるよ

めっちゃ過去のカードは、あんまり開けなかったね

時間が空きすぎると、どれだけ影響するのかしないのか、まったく分からないからね

そうだねえ

『桜祭り』は手探りながらも、運にも恵まれて、なかなかの好成績だったと思うけれど、少し反省が残って、次は、もっと上手くやろうと言いつつ『過去からの呪い』で攻めたプレイをした結果、むしろ点数が下がったよね

分かる。ぜんぜん上手くいかなかった。でも、そもそも難易度が上がってたでしょう。難しかったと思うよ

他のシリーズ作も楽しみだね

終わりに

 と言うわけで『アンドゥ 新たな運命の織り手』の感想でした。
 時間物が好き過ぎるゆえか、事前に期待値が高く、それ故にちょっと辛い評価になってしまいましたが、テーマはやっぱり大好きなので、今後も注目したいですね。