雲上四季〜謎ときどきボドゲ〜

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よく制御された殴り合いボードゲーム『ブラッドレイジ』の感想

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『ライジング・サン』のデザイナーとしても知られるエリック・ラングによるボードゲーム『ブラッドレイジ』を遊びました。大量のフィギュアでセットアップ&片付けが大変で、プレイヤー同士の殴り合いに溢れたという前評判で敬遠していましたが、BGGで30位ということで遊んでみました。
 2人から4人用のボードゲームで、悪くはなかったです。

インタラクションと箱庭

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 ボードゲームのメカニクスには流行があります。
 古くはプレイヤー人数は3人以上で、プレイヤー間で適度なインタラクションがあり、運と実力のバランスが適切なゲームが良いゲームとされていました
 しかし、ボードゲームの裾野が広がり、プレイヤー間で競い合うことを好まないプレイヤーが誕生し、プレイヤー同士の争いを避ける風潮が生まれると、ひたすら自分の箱庭を作り込むようなゲームが流行ったりもして、歴史で見ると面白いです。
『ブラッドレイジ』は、プレイヤー同士の殴り合いを中心としたゲームということで、大量のフィギュアがあることもあり、アメリカンなゲームなのかなと思っていました。BGGで30位とは言え、きっとアメリカンなボードゲーマーたちが、揃いも揃って高評価だから、彼らを代表して30位に落ち着いているのだろうと、そう思っていました

ブラッドレイジ 完全日本語版

ブラッドレイジ 完全日本語版

  • 発売日: 2019/06/20
  • メディア: おもちゃ&ホビー

よく制御されたデザイン

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 いざ遊んでみると、自分の予想は、半分当たっていて、半分外れていることに気がつきました
 確かにやっていることは、殴り合いです。
 それぞれの攻撃力を高めて、略奪を宣言し、戦力値を競い合います。しかし、面白いのは勝利点の獲得方法ですね。勝つだけが勝利へと至る道ではないのです。
 いえ、むしろ、ときには負けた方がおいしいことだってあるのです。


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 世界観を北欧神話にしたのは、素晴らしい選択ですね
 来たるべく神々の黄昏(ラグナロク)に向け、ヴァルキュリアたちが、勇敢な人間の魂を集め、華々しく戦い、そして死んだものには名誉ある死が与えられる……そんなフレーバーが、とても良い具合にシステムと絡まっているのです
 具体的に言うと、戦争で負けて死んでも勝利点が入ることがあるのです。
 こうなると、勝利点のために死ぬというムーブが有効になり、


ここで略奪するよ

ほんと? じゃあ、ちょっと死にたいから、駆けつけようかな


 と、死ぬために、戦場に兵士を送り込んだりすることもあるのです。
 また、自分を含めて他の兵士が死ねば死ぬほど勝利点になる……みたいなときもあるので、ほんとうにただの賑やかしで戦争に関わりたがるプレイヤーも生まれたりして、勝利に至るルートが複数あり、キングメーカー問題が巧妙に解決されている点も好印象です。
 全体的に、駆け引きと言うか、計算が、意外にボードゲームボードゲームしていて、ただの殴り合いアメリカンゲームとは一線を画しています

結論

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 と言うわけで「どうせ、前時代的な殴り合いゲームでしょ?」というのは食わず嫌いと言わざるをえず、アメリカンな見た目だけれど、ドイツの血を継いだ正統派ボードゲームでした
 広くオススメします。

一緒に遊んだぺこらさんの感想

死者ロンダリングしたよ

何その冒涜的な用語!!

殺して、勝利点を貰って、また復活させてー

残酷!!

4人プレイどうだった?

面白かったよ。2人プレイに比べると、ユニット数が全体的に増えるから、ごちゃっと感があるかな。中央のユグドラシルの略奪も、みんな集まって決戦みたいになる

2人だと、最初から滅びているエリアがけっこうあるから、第2ラウンドくらいには、もう半分くらい壊滅してるよね

ボードの裏面を、2~3人用みたいにして、エリア数を減らせば良いのにね。離れてると隣接エリアでなくなってしまい、略奪に駆けつけられなくなっちゃうんだよね

ゆぐゆぐに1人は置いておけってことなのでは?

なんで、ユグドラシルに対して、そんなに親しげなの?

だってグラブルのユグドラシルは、ゆぐゆぐって言うでしょ

違うゲームの話じゃん! もうええわ、ありがとうございました

終わりに

 事前に期待値が低めだったので、相対的に高評価になってしまいました。
 これがBGGで30位というのは、ちょっと今でも首を傾げてしまいますが、全体的によく制御されており、バランスの良いゲームではあります。