雲上ブログ〜謎ときどきボドゲ〜

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1週間を繰り返す1人用カードゲーム『明日、旅に出ます』の感想

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 ManifestDestinyさんのゲームマーケット2019秋の新作『明日、旅に出ます』を遊びました。
 1人用のゲームですが、1人がGMのような立ち位置になって2人で遊ぶこともできるかと思います。

ゲームの概要

未来の私から、過去の私へ――
私は明日、旅にでます。

それは未来から届けられた謎の手紙。
誘われるままに旅に出て、閉じた世界の謎を追う1人用のソリティアです。

旅の途中で遭遇する事件は、何度も繰り返される時間の中で過去・現在・未来に渡って偏在し
解決するにはその全てを知らなければなりません。
はたして、「私」はこの世界の謎を解くことができるのでしょうか。

http://ash.jp/~md/game/126/126.htm

 このストーリー、めっちゃ良くないですか!!
 パッケージイラストの、どこか懐かしい感も相まって「絶対に買うわー」と、見た瞬間に思ったのでした。


 ゲームとしては1人用のカードゲームということで、ハンドマネジメントしながらパズルを解く、みたいな感じです。
 毎ラウンド、手札としてイベントカード2枚を持つことになるので、どちらのイベントを、7種類のロケーション(街や浜辺、無人駅など)のどこで発動させるかを考えます。
 イベントを決めたら、実際にポーンを動かしていって、条件を満たしたら対応するストーリーが解決されたことになり、5種類のストーリーを解決したらゲームに勝利する、という流れです。

ゲームの感想

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 面白いは面白いでした
 白ポートと黒ポーン、連動して動くそれらが、どのように動くのか試算を繰り返し、カードの効果を適用させることで、より効率的にストーリーを解決するかを考えるのは楽しい行為でした。
 けっこう、この手の細かい計算と言うか、逆算を求められるのは好きな方なので、メカニクスとして容易に受け入れられました。


 けれど、その一方で、メカニクスとフレーバーの一致という観点においては、ちょっと今ひとつ融合しきっていないなと感じました。
 ルールブックには白ポーンが「現在の自分」であると明記されていましたが、では2つある黒ポーンが何であるかは明記されていませんし(勝手に、未来と過去の自分を示唆していると解釈しましたが……)、未来の私から過去のワタシへ届けられた手紙や、ループする1週間というのも、なんとなくしっくり来ません。


 イベントカードも1から6まで、つながりのある物語になっており、連続して読むと、けっこうドラマチックな展開だったりして胸を掴まれるのですが、ゲーム中は、あまりフレーバーテキストを追う余裕がなく、カード効果だけしか見ていないので、今ひとつ機能していません。
 また、そもそも1から順々に解決していく必要はなく、数字は問わないので、物語が連続性を持っておらず、そういうところもしっくり来ません。


 と言うわけで、ストーリー性が豊かなだとは、ちょっと言えないのですが、上述の通り、パズルチックなソリティアカードゲームとしては充分に面白く、フレーバーを追わず、システムだけに注目するならば申し分ありません


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 良いな! と思ったのは、難易度調整の点。
 全6枚のアイテムカードが用意されており、それらを装備するとゲームの難易度が下がるのですが、その代償としてゲーム終了時に得られる勝利点が減少することになります。
 慣れないうちはアイテムを、多めに装備することでゲームクリアに至ることができる確率は上がりますが、勝利点は最終的に調整され減ってしまいます。
 慣れてきたらアイテムを減らしたり、装備させずにゲームに挑むことで難易度が上げられます。これは、スマートな調整だと感じました
 写真は山札のいちばん上を確認できるラジオだけを装備したときのゲーム終了時の様子です、点数は25点でした。

一緒に遊んだぺこらさんの感想

リュックサックは強いかなーと思って、入れてみた

手札が1枚増えるやつね。より切り回しがしやすくなると言うか、確かに強いと思う

選択肢が増えた方がいいよね

ラジオも強いと思うよ、山札のいちばん上が分かるの

ふ~ん、なるほど……

次に何が来るから、対策が打てるんだよね。そういう意味では、リュックサックに近いかな。でも、欲しいカードが千年樹で飛ばされることが確定で見えているときは、己の無力さを感じる

あっきー、ぷるぷる震えたいの?

そういうわけじゃないよ!!

クリアはしやすいけれど、高得点を目指そうとすると大変! そんな感じのゲームだったね

終わりに

 ループ物が大好きなので、未来の自分から、過去の自分に送られた手紙や、終わらない旅、ループする1週間といった設定にときめいてしまい、満たされなかったのでちょっと悲しくなってしまいましたが、そういうのをあまり気にせず、純粋にパズルゲームを遊びたい! という方には、向いていると言えます。