『グルームヘイヴン』で使い込んだキャラクターを、順々に紹介していこうの記事。
第5弾となる今回は拡張キャラクターのナイトシュラウドです。ネタバレ満載ですので、新鮮な気持ちでゲームを遊ぶ予定の方は、回れ右推奨です。
前提条件
前回のサモナーと同じく2人プレイの経験を元に書いています。
3~4人プレイの際の感覚は想像で書いていますが、見逃しや考え漏れ等がありうることご了承ください。
また、2レベル以上のカードについて、レベルが上がったときに、どちらか片方を入手できる。というのが本来のルールですが、1度のプレイで、より多くのカードを体験したいという欲求に抗えず、このルールを無視してプレイしております。ただし、実際にデッキを構築するときに、同レベルのカードを入れてはいけない、という縛りを適用しております。
ヘイズサーという種族について
ナイトシュラウドは、基本6キャラクターには含まれないヘイズサーという種族です。
詳しい設定や、その成り立ちは、是非『グルームヘイヴン』を遊んで触れてください。
ナイトシュラウドについて
カード枚数は9枚、HPはLv1で8、以後1と2ずつ交互に上昇し、Lv9で20となります。
全体的に行動順位が早めで、攻撃力は低め、長距離の移動に長けています。その最大の特徴は、自らを不可視にする手段を複数、有していることです。闇のエレメント、そして不可視の状態を活かして、忍者よろしく隠密行動を取るのがナイトシュラウドです。
特典
「シナリオの負の効果を無視し、かつ+1を2枚追加」は、軽率に取ってしまって良いでしょう。
ナイトシュラウドは攻撃力が低いため、敵を倒すためと言うより、味方の支援や、不可視になるための手段として攻撃する機会の方が多めです。従って「撹乱を3枚追加」「呪いを2枚追加」などは便利でしょう。そして、これらを、より多く発動させるために「+0を4枚除去」「-1を2枚除去」も効果的です。
「+1不可視を1枚追加」は入れませんでした。と言うのも、不可視については、入れたいタイミングとそうでないタイミングがあるからです。4人プレイで明確な壁役がいる場合は、入れても構わないかもしれませんが、2人プレイの場合は、どの敵を誰に引き寄せるかも検討する必要があります。望まないタイミングで不可視になり、相方に迷惑を掛けないよう注意しました。勘違いしておりましたが、正しくは不可視を入れても良い。任意なので状況に応じてコントロールできることを考えれば、特に悪影響を及ぼすことはありませんでした。
闇エレメントを排出するカードは、終盤まで入れなかったことに加え、入れた後も引くことができず、その恩恵に預かれませんでした。しかし、上述の通り、攻撃の担い手として期待しないのであれば、「-1闇を1枚追加」は悪くないかもしれません。
カード
「1:黒き短刀(44)」おそらく最後まで使わなかったカードです。上ボックスの不可視中に限り「攻撃2射程3」は4回しか発動できませんが、おそらく問題なく使い切れるでしょうし、これが6回だと使いきれない可能性も出てくるので、ちょうどよい分量に感じます。ただ、効果量が低く、発動したとして戦局を左右するほどではないので、この程度の効果であれば、カードを温存したい気持ちの方が上回ります。
「1:影の衣(13)」下ボックスの闇エレメントを消費できたとき、不可視を張りながら移動3できるのは大きいですが、上ボックスの闇エレメントを生み出してくれるとは言え攻撃1が、いかにも弱々しいですね。ナイトシュラウドは、〈向上の力〉を打ちたいと思えるカードが少ないので、思い切って+1を2回入れて、攻撃3のカードにしてしまうのはありかもしれません。逆に、そうしないと、ちょっと価値が低いかな、です。
「1:虚無の強化(21)」最初から最後まで、ほぼ手放さなかった愛用の1枚です。闇エレメントの消費が前提になることに加え、敵との間合いが適切でないと使えませんが、攻撃値を2倍もしくは移動値を2倍は、強力を通り越して無敵なのではとすら感じます。このカードと組み合わせることで、ナイトシュラウドでありながら8ダメージを叩き出したら、夢の12移動だって可能です。アイテムによって跳躍や飛行をつければ、自由自在に移動することができ、シナリオによっては、いくつものギミックを飛び越えて、瞬間的にクリアすることだって可能になるバランスブレイカーな1枚です。
「1:宿命の風(15)」使用頻度の高かった1枚です。特に下ボックスの、隣接する敵1体に呪いを与える移動3が使いやすかったですね。上ボックスの攻撃1射程3撹乱経験値1も闇エレメントを生み出してくれるので腐ることがなく、闇エレメントが欲しいタイミングで、敵に撹乱を入れつつ使えるということで気軽さがありました。
「1:衰弱の傷(77)」意外に使用頻度が高かった1枚です。不可視を使いこなすことで、ナイトシュラウドは受けるダメージをコントロールできますが、意図的にダメージを請け負った上で回復したいときに、うってつけでした。上ボックスの攻撃4流血治癒4経験値2は喪失するとは言え、十分に強力で闇エレメントを生み出してくれるのも嬉しいです。攻撃4治癒4が必要になるまでは、下ボックスの移動4が使えるのも悪くなく、バランスに長けています。
「1:夜の精(84)」ナイトシュラウドを、ナイトシュラウドたらしめる1枚ではないでしょうか。隣接する通常敵1体を倒せるカードは、他のキャラクターも有していますが、多くは喪失したり、条件が厳しかったりします。しかし、ナイトシュラウドの場合、闇エレメントさえ入っていれば良く、しかもレベル1から持っています。さすが忍者です。喪失してしまいますが、下ボックスの闇エレメントを生み出しながらの移動6経験値1も強力で悪くないです。不可視を張りながら先行して、高HPや装甲持ちなど、通常敵にしては強めの敵を、このカードで屠ることができれば、その後の行軍をだいぶ楽に進めることができます。序盤から中盤まで、大事に使っていきたいカードですね。
「1:踊る影(09)」上ボックスで移動3攻撃1を持つ、便利なカードではあるのですが、それほど起用機会は多くなかったです。行動順位の高さは魅力ですが、闇エレメントを生み出したり、不可視を張ってくれるわけではなく、攻撃1と弱いこともあって、実戦では、あまり役立たないのですよね。どちらかと言うと、このカードは下ボックスの方がメインかもしれません。期せずして壁としてパーティを守らなければならないときに張っておくと安心かもしれませんが、そもそもナイトシュラウドが壁になること自体が少なく、あまり活躍する気がしません。
「1:音なき兵(91)」略取が必須となるシナリオに持参したカードです。喪失してしまいますが移動6略取1は、とにかく速攻で宝箱を開けたい系のシナリオにおいて効果的です。上ボックスの攻撃3も、不可視だと攻撃+2がつくのが嬉しいおまけですね。
「1:煙の足どり(28)」使わなかったカードですね。上ボックスは今ひとつ、下ボックスで闇エレメントが生み出せるのは貴重ですが、移動1は弱すぎです。〈向上の力〉を2回入れて移動3にすれば、ようやく価値が出てきますが、すると、今度は上ボックスの微妙さが改めて目につきます。
「X:夜の翼(24)」序盤において最も活躍したカードのひとつです。攻撃値は1と低いですが、とにかく自身に不可視を張れるのが魅力です。ナイトシュラウドは、いかに不可視状態を維持して、敵の真っ只中を抜けていくかがキーになるキャラクターですので、カード1枚で気軽に不可視を張れるのは、ほんとうに素晴らしいです。だいたい「1:宿命の風」の移動3と組み合わせて使うことが多かったです。尚、下ボックスについては、公式のエラッタ情報にて詳細説明がされているので、ご確認ください。
「X:隠されし優位(35)」出番がなく、一度も利用しませんでした。まず、上下両方のボックスとも喪失する時点で、利用のハードルが高いですね。通常、喪失能力を持つカードは、出番が来るまで、もう片方のボックスを使うことが多いのですが、このカードのように両方とも喪失の場合、終盤まで攻撃2もしくは移動2でしか利用できず、完全にデッキを圧迫してしまいます。また、いざ利用するにしても、素の状態では、ただの攻撃4かただの移動4に過ぎず、凡庸としか言いようがありません。いずれのボックスも闇エレメントを消費して、その効果を強化した上で使うことを前提としている、と言えるでしょう。上ボックスは言及するまでもないとして、注目すべきは下ボックスの「他のコマのいない任意のヘクスに移動」これは強力です。シナリオによっては、その難易度を大きく減じうる、バランスブレイカーとも言える能力でしょう。しかし、いかんせん、シナリオを選びます。現に秋山は一度も使いませんでした。移動に飛行を与えるアイテムを、早々に買ってしまっていたと言うのもあるかもしれませんが……いずれにせよ、使いどころを求めるタイプのカードです。
「X:闇の雲(74)」悪くはないのですが、悪くないだけです。あまり移動する必要がなく、とにかく攻撃力を上げたかったボス戦で一度だけ使用しましたが、それだけです。下ボックスも「1:踊る影」の下位互換ではないでしょうか。
「2:とどめの準備(07)」〈向上の力〉を入れるかどうかで、大きく評価が変わってくるカードでしょう。上下、どちらのボックスでも闇エレメントを生み出してくれるのは嬉しいですが上は攻撃2、下は移動2と、まったく個性を感じられません。〈向上の力〉を入れれば最大で攻撃4と移動4になるので、途端に光り輝くことでしょう。特にオススメは移動の方です。行動順位が(07)と上に高い上に、移動3や移動4で闇エレメントまでつけてくれるのは十分に価値があります。
「2:魂の炎(85)」愛用していたカードです。まず、上ボックスの使い勝手が最高に良いです。攻撃1射程3流血という基本効果は、とりたてて特徴がありませんが、不可視のときに付与される「気絶経験値1」は、とても嬉しいです。行動順位も(85)と遅めなので、なるべく不可視の状態を引っ張っておいて、敵の行動を待ってから姿を現しつつ、次のラウンドにおける敵の動きを止めることができます。シナリオ終盤、敵の数が減り、不可視の必要性が下がった後は、下ボックスの攻撃6呪いを放って喪失させても構わないですし、最初から最後まで活用できるカードです。
「3:戦慄の刃(17)」上ボックスの攻撃3押出し3に魅力を覚えるかどうかが大きいでしょう。パーティに罠解除や押出し/牽引ができる仲間がおらず、先行するナイトシュラウドが、後からやってくる仲間のために罠と敵を同時に処理しなければならない場合において活用できると考えられます。
「3:夜の鎧(23)」比較的、起用頻度の高いカードでした。上ボックスの攻撃4は凡庸ですが、闇エレメントを消費することによって治癒4を加えることができます。ナイトシュラウドは、HP回復の手段が、ほぼないので、自身を回復させる手段として抑えておきたいです。また下ボックスの装甲1は、不可視を解いて、敵の只中に身を置くときに活用できます。同様の効果は「1:踊る影」や「X:闇の雲」にもあると言えますが、撹乱よりも装甲1に確実性を認めます。
「4:日没(73)」ナイトシュラウドは、とにかく闇エレメントを消費するキャラクターなので、上ボックスの「君の3回の手番終了時、闇エレメントが強でなければ闇エレメントを注入」はとても便利です。しかし、僅か3回という回数が悩みの種で、シナリオによっては敵が光エレメントを生み出すので、それを目当てに下ボックスを活用したい気持ちも芽生えます。残りラウンド数や、他の要因を見極めつつの利用になるでしょう。
「4:恐るべき滋養(29)」レベル4のカードでは、もっぽら、こちらを利用していました。とにかく上ボックスで不可視が張れるのが嬉しかったです。「X:夜の翼」とこのカードがあるだけで2ラウンドは不可視を維持できます。ナイトシュラウドは長期間に及ぶ不可視を活かして、敵陣の喉奥にまで侵入したり、不可視状態のまま通路に立ちはだかり、実際的な壁として体を張る必要があるため、容易に不可視を張れるカードは貴重です。下ボックスの略取1は弱いですが、闇エレメントを生み出してくれるので腐りません。
「5:夜の爪(26)」一度も使わなかったカードです。上ボックスは、なにかしらのエレメントを消費しつつ、闇エレメントを生み出せるので、たとえば太陽の魔神が多いシナリオなどでは、敵の邪魔をしつつ、こちらを強化できるのが良いです。下ボックスも不可視状態を維持できるのであれば、攻撃力を底上げできるので不安要素を減らせます。
「5:黒き矢(11)」レベル5のカードで、もっぱら使っていたのは、こちらです。攻撃4射程4錯乱呪いは、ナイトシュラウドにしては高い攻撃力に広い射程、行動順位の(11)という早さも相まって、選びやすかったです。「1:虚無の強化」で倍加させる攻撃力の元としても選びやすいです。ナイトシュラウドは〈向上の力〉を入れたいカードが少なく、秋山は、このカードの射程に+1を入れて射程5にしました。下ボックスの不可視も悪くないですね。難点は移動ができないことでしょうか。このカードで不可視を張るときは「1:踊る影」と組み合わせると移動しつつ不可視を張れるので良いかもしれません。
「6:見えざる戦慄(05)」行動順位の(05)は非常に早いですね。よっぽどのことがない限り、これでさしまけることはないでしょう。ナイトシュラウドは下ボックスで闇エレメントを生み出すことが多いので、上ボックスで生み出せるこのカードは、少し貴重です。ただ攻撃3では少し物足りないので、秋山は〈向上の力〉で+1を入れました。下ボックスの跳躍つき移動6としてだけ使う、でも十分に効果的ですけれども。
「6:恐怖に呑まれて(90)」使わなかったカードです。上ボックスで隣接する上級敵を1体倒すことができますが、闇エレメントに加え、もうひとつエレメントを求めるのに高いコストを感じました。エレメントを生み出してくれる仲間がいるかどうかで、使い勝手は大きく変わることでしょう。下ボックスの移動3押出し2は悪くないですね、先んじてパーティの先陣を切ることが多いナイトシュラウドは、しばしば交通整理を求められるので、その押出しがあれば、その職務をいかんなく遂行できます。
「7:夜の目(35)」かなり使いどころが限られるカードでしょう。上ボックス2行目の「不可視の敵でも標的にしてよい」は唯一無二なるカードですが、不可視を連発して、捉えることすら難しい……という敵がいない以上、今後の拡張でご期待! という感じです。下ボックスの移動5は悪くないと感じました。「6:見えざる戦慄」を取っているかどうか、でしょう。
「7:静かなる狂乱(19)」準備が求められますが爆発力のあるカードです。不可視状態で闇エレメントがある状態ならば、攻撃3が攻撃8に化けます。これは、攻撃力が低めのナイトシュラウドにとっては最高のカードです。単体で使っても十分に強いですが、「1:虚無の強化」と組み合わせたら攻撃12まで高められるので、たいていの敵なら瞬殺どころかオーバーキルできます。下ボックスの攻撃3移動3も悪くないですね。「1:踊る影」と組み合わせれば移動3攻撃1攻撃3移動3になるので、ヒット・アンド・アウェイが実現できます。
「8:逢魔の矢弾(78)」レベル8を迎える前に引退してしまったので、ここから先のカードは未体験の領域ですが、上下どちらも悪くないですね。上ボックスの攻撃3射程4毒呪いは「5:黒き矢」に近しいものですが、最大のち外は闇エレメントを消費することで標的3を得られることでしょう。呪いは入れれば入れるほど、その発動確率が高まり、価値を感じられるようになるので、一気に3枚も入れられるのは非常に強力です。下ボックスの闇エレメントを生み出しつつの移動3も悪くないです。ただ、ほんとうは移動4くらいは欲しいわけで、〈向上の力〉の候補になるのですが、レベル8にもなると相応の金額になってくるので、最初から4にしておいた欲しかった……と感じます。
「8:潜み寄る崩壊(18)」より使っていたのは、こちらのカードだっただろうなと思います。とにかく下ボックスの移動3不可視が便利です。敵に隣接した状態なら不可視を張れる「1:夜の翼」や「4:恐るべき滋養」や、立ち止まることがほぼ前提の「5:黒き矢」と異なり、このカードは移動しつつ不可視を張れるのでお手軽度が段違いです。上ボックスの攻撃5もナイトシュラウドとしては威力が出ますし、要となるカードだと捉えて間違いないでしょう。
「9:死の天使(38)」見た瞬間に思わず「なんじゃ、こりゃ」と言ってしまいました。「1:夜の精」の偉大なる上位互換ですね。上ボックスも魅力的ですが、喪失してしまいますし、このカードの真価は下ボックスでしょう。跳躍つきの移動5で敵に接近しつつ、闇エレメントを消費すれば、通常敵1体を倒すことができるのです。本来であれば下ボックスで近づき、上ボックスで殴るところ、近づいて殺す、これを下ボックスで完結できてしまうのです。便利でないわけがありません。
「9:夜の声(06)」もう片方の「死の天使」の方が好みではありますが、2人プレイならば、こちらの方が他プレイヤー目線で喜ばれるかなと感じました。不可視状態を維持すると、敵の攻撃は、もう片方に寄っていくわけなので、上ボックスを用いて片っ端から気絶を入れることができればパーティへの貢献度が高いと言えます。また、他の仲間がエレメントを生み出してくれるならば、下ボックスも輝くことでしょう。
総論
忍者のように自身を不可視状態にして、敵陣の奥まで単身切り込んでいく。それがナイトシュラウドです。機動力を活かして宝箱を回収したり、厄介な遠距離攻撃を仕掛けてくる敵をあらかじめ暗殺したり、透明な壁になって通路をふさいだり、その活躍は幅広いです。
一方で、ナイトシュラウドを活かすには、闇エレメントの継続的な産出が求められます。自身で生み出すこともできますが、パーティの仲間が用意できれば、さらに活躍の場が広がるでしょう。
終わりに
第5回はナイトシュラウドでした。難しいキャラクターで、未だに使い方がよく分かっておらず、研究の余地があるように感じています。
さてさて、次回はビーストタイラントの予定です。