ジーピーから日本語版がリリースされた『エスケープルーム ザ・ゲーム』を遊びました。
ネタバレには配慮していますが、気になる方は回れ右推奨です。
『エスケープルーム ザ・ゲーム』とは
Noris社からリリースされて、リアル謎解きゲームを、ボードゲーム化した、いわゆる持ち帰り謎です。大本はドイツの作品で、2016年にリリースされましたが、ジーピー社が日本語版をリリースしてくださったので購入しました。
ゲームの概要や経緯等は、下の記事にまとめています。見比べるとパッケージデザインが、だいぶジーピー風になっていますね……。
ゲームの感想
基本セットには「プリズンブレイク」「ウィルス」そして「爆破予告」という3つのシナリオが入っています。
すべて60分時間制限という設定で、パート1からパート3に分かれており、パートごとに正しく謎を解くことができれば次のパートに進むことができる、という形式です。
ネタバレの観点から、各シナリオは基本的に1回しか遊ぶことができません。
謎解き好きの視点から言えば、1時間楽しめる謎解きを各1500円として、3シナリオ入っていて、電池で動く時限装置までついているのであれば、定価4800円はお得! と判断するように思いますが、ボードゲームの文脈で言うと、1度しか遊べないところをネックと判断し、敬遠するかもしれません。
時限装置の仕組み上、ひとつのシナリオでは、パートを3つまでしか設けることができず、即ち1シナリオ3謎となります。
「これは、いかにも少ないな」と感じていましたが、いざプレイし始めると、小謎を4個解いて、それを組み合わせることで、ようやく1パートクリアみたいな設計のシナリオもあり、分量を少ないと感じることはありませんでした。
結果として「プリズンブレイク」は8分56秒残し、「ウィルス」は20分54秒残し、「爆破予告」は失敗でした。
いちばん面白かったのは「ウィルス」でしょうか。わりと日本的なといいますか、大味でない、パズルを解いて、情報と情報を組み合わせて答えを導き出すという謎解き感が得られました。
「爆破予告」も最後までは順調に進み、非常に面白かったのですが、ちょっとラス謎は納得がいかない感じでもやもやしています。
答えを登録するとファンファーレが鳴って、次のパートに進む、もしくはクリアとなります。
個人的には、けっこう驚いたのですが、いわゆるエンディングがありません。
プレイヤーがどういう立場に置かれているのかを説明するオープニングは、そこそこの長文で用意されているのに、エンディングは一語たりとも存在しないので、首尾よく脱出成功しても放り出された感がありますし、脱出失敗しても「結局、どうなったのだろうか……?」と取り残された感があります。
エンディングを求めるかどうかは、日本とドイツ、文化の違いなのかもしれません。
コンポーネント破壊について
海外の謎解きには、カードを折ったり曲げたり、ハサミで切ったり……コンポーネント破壊が多いですが、この作品においては、型紙から切り離す程度で、破壊と言えるほどのものはありません。
ただし、書き込みはあって、イメージで言うと、たとえばクロスワードパズルなんですけれど、時間内に迅速に解こうとするならば、ペンや鉛筆を使って書き込まざるを得なかったりします。
ただし、その手のコンポーネントにはプリンタのアイコンがあり、そのアイコンがあるものは専用サイトにPDFが用意されており、それを印刷すれば再度、遊ぶことができます。
遊び終えた後、友人に遊ばせたいと思っている方のご参考になりますように。
一緒に遊んだぺこらさんとの対談
終わりに
既に『名探偵』と『ようこそファンランド』という2つの日本語版拡張シナリオが発売済みですが、これらは基本セットの時限装置を持っていれば遊ぶことができます。
基本セットの3シナリオを通して遊んでみて、想像以上に面白かったので、拡張シナリオも追っていく予定です。
エスケープルーム ザ・ゲーム 拡張シナリオ ようこそファンランド
- 発売日: 2020/06/19
- メディア: おもちゃ&ホビー