ホビージャパンから発売されたリアル謎解きゲーム型のボードゲーム『療養所からの脱出』を遊びました。
ネタバレには配慮していますが、気になる方は回れ右推奨です。
ゲームの概要
イベントとしてのリアル謎解きゲームを、自宅で手軽に遊べるようにしたリアル謎解きボードゲームのひとつです。
原題は『Escape from the Asylum』は、ロシアのメーカーが2019年にリリースしたもので、完全に日本語化したものが、この『療養所からの脱出』です。
プレイ人数は1人以上であれば何人でも。想定プレイ時間1時間のシナリオが計10本入っているので、約10時間は遊べます。
ゲームの感想
この作品はエッセンシュピール2019で発表され、私も当初から注目していました。
体験版を無料配布されていらっしゃって、遊びました。当時のレポートは、こちら。
体験版が十分に面白かったので、またロシア発の謎解きに興味を覚えていたので、ホビージャパンが日本語版を出してくださったのは、とても感謝しています。
日本語で遊べることにありがたみを噛み締めながら遊びましたが……いやはや、想像以上に面白かったです!
総プレイ時間は7時間でした。
しかし、普段からリアル謎解きゲームに慣れていますし、分からなかったら早々にヒントに頼る性格なのでこの時間ですが、謎解きに慣れていなかったり、なるべくヒントを見ずに頑張りたいというスタイルの方ならば、箱の記載通り10時間かかってもおかしくないかもしれません。
面白いと感じた背景には、ストーリー要素が充実していることが挙げられます。
ざっくり計10シナリオと書きましたが、まったく個別の、ストーリー性のない謎解きが10本入っているわけありません。複数の主人公が用意されており、彼らのひとりとなりながら謎を解いて脱出を目指すのです。
ゲーム中、選択肢を突き付けられる場面もあり、あるシナリオをプレイ中に取った選択によって、他シナリオの展開が変わる……ということもあります。なんとなく『街~運命の交差点~』や『428~封鎖された渋谷で~』のザッピングシステムに近しいところもあります。
プレイ時間が長大、謎解きゲーム、マルチエンディングといった要素から、エスケープテイルズシリーズと近いなと感じました。
エスケープテイルズの方は、シリーズ第1弾の『アウェイクニング』と『ローメモリー』をプレイ済みですが、ストーリーの納得感という点において、個人的には『療養所からの脱出』の方が好みだなと感じました。
ほとんどの謎解きは、子どもでも閃けさえすれば解ける形式ですが、極一部、知識を求めるものもありますし、五感を要求してくるようなものもあります。
見飽きたものもありましたが、とにかく謎の量の膨大なので気になりませんし、そもそも日本の文脈からは生まれ得ない、ロシアに端を発する謎解きに触れたい気持ちが強いので、そういうのも含めて好ましいと感じました。少なくとも『EXIT』の一部に見受けられるような不条理なものはありませんでした。
一緒に遊んだぺこらさんとの対談
終わりに
繰り返しになりますが、とても良かったです。
海外の謎解きに触れてみたいという方には、今まで『デクスケープ』を勧めていましたが、これからは『療養所からの脱出』で間違いないですね! 絶賛です!