ホビージャパンから日本語版がリリースされた、ロシアのボードゲームパブリッシャーであるLifestyle社の『ダークストーリー』を遊びました。
ネタバレには配慮していますが、気になる方は回れ右推奨です。
ゲームの概要
箱に「療養所からの脱出シリーズ」と記載がありますが、その名の通り、先んじてリリースされている謎解き系のボードゲーム『療養所からの脱出』の続編に相当します。
本作では『療養所からの脱出』に登場したダーク医師が主人公となり、警察署からの脱出を目指します。ダーク医師の物語であり、ダーク(暗い)物語だから『ダークストーリー』ということなのでしょうか。
『療養所からの脱出』の公称プレイ時間は10時間でしたが、本作は60~90分と、だいぶ短めです。
ロシア版の原題は『Unfold: Dark Story』なので、今後、同程度の時間で謎解きを楽しめる『Unfold』シリーズの展開もあるかもしれません。
物語的には続編という位置づけですが、ダーク医師が何者であるか? どうして警察署にいるのか? を気にせず遊ぶこともできますので『療養所からの脱出』を買おうかどうか迷っている方向けに、体験版的に遊ぶこともできます。
ゲームの感想
クリアに要した時間は、ぴったり1時間。
前作のクリアタイムが7時間だったので、規模感的にはだいぶ小さくなった印象です。
あるいは前作『療養所からの脱出』のコストパフォーマンスが良すぎたのかもしれません。
前作は療養所内の各部屋が、封筒という形で表現されており、封筒の外側にプリントされている謎を解くと、鍵を開けることができ部屋の中に入ることができる=封筒のなかに入っている謎が解けるようになる。
という仕組みでしたが、今回は『Unfold』という原題から推測できるかもしれませんが、何重にも折り畳まれている1枚の紙を、広げていくことによって物語を進めることができます。
紙1枚で完結させるために、問題の作り方はもちろん、解答のさせかた、ヒントの見せ方も、すべて工夫されており感心しました。
今まで、狭かったり小さかったりする限定的な空間を、どう最大限に活かすかは日本人の専売特許だと思いこんできましたが、ロシアのデザイナーによるこの作品は、おおきな発明だと感じました。
終わりに
『療養所からの脱出』の感想にも書きましたが、本作は多数の登場人物が入り乱れ、群像劇的な面白味があります。
この外伝的な位置づけにあるであろう『Unfold』シリーズによって、今後、各登場人物が深堀りされていくのであれば、ぜひ追いかけたいなと思います。