ピウス企画の演劇『オールドメイド』を観劇しました。
ネタバレには配慮していますが、気になる方は回れ右推奨です。
演劇の概要
高校生の時、ある古い洋館でわたしたちの友人が死亡した。
https://ameblo.jp/stpius/entry-12628748909.html
不審な死は解明されておらず、それ以来集まることもなかった。
数年後。
わたしたちは再びこの洋館に集まることになる。
死んだ「あの子」を殺すために。
11月26日から12月6日に掛けて、中野ザ・ポケットで上演されました。
脚本・演出は広瀬格。
指定席チケットの他、配信チケットも販売され、私は配信で視聴しました。
と言うか、配信当日までオンライン演劇だと勘違いしており、視聴している最中に「あれ、現地に観客がいる……?」と気づいた次第です。
見ようと思ったきっかけ
今年の1月に、すゞひ企画さんの第8回公演『サラバ、偉大な魔法使い』に参加しました。
そのときチラシで、森下亮さんが人狼TLPT『デビルズプレイ』のキャストとして参加すると知り、チケットを抑えました。残念ながら、この公演はコロナで中止となってしまったのですが、そのときにピウス企画のTwitterでフォローしており、たまたまTLを眺めていたときに『オールドメイド』の宣伝を見て「これも何かの縁」と見ることにしました。
劇の感想
見始めてから気づいたのですが、キャスト全員女性でした。
キャスト全員女性の演劇は『エクストラショットノンホイップキャラメルプディングマキアート』以来でしたが、男性の不在というのは、それだけでどこか奇妙です。
でも、超常現象を扱った作品ですし、舞台が古めかしい洋館であることを考えると、うまく機能しているなと感じました。
陰鬱で謎めいた雰囲気を出しつつも、適度にギャグを入れる序盤からの、多すぎる登場人物を適度に整理して理解させやすくする中盤など、随所に見やすくする工夫が凝らされているように感じました。
それによって中盤から終盤に掛けての二転三転する展開や、複雑な人間模様も楽しむことができました。巧い、と感じました。
キャストさんとしては、桐原六花役のあわつまいさんが、とても素敵でした。
幼少期にある事件に遭遇し、それ以前の記憶と感情を失ったとされる彼女は、超絶現実主義者とされ、台詞は棒読み、表情は真顔、整ったお顔もあいまって人形感がありました。
しかし、旧友の清水朱音には気を許しており、彼女が事件に巻き込まれるやいなや、それまで傍観者として事件を眺めるだけの立場から、探偵として事件を解決する立場へと飛び込み、失われていた人間らしさを取り戻していくのは息を飲みました。
これがミステリならば、彼女が探偵役となりシリーズ第2弾が書かれたり、彼女と清水朱音の出会いを描く前日譚が書かれたりするなと感じました。
ちなみに配信チケットの購入者は、配信翌日の0時から23時59分までの間、アーカイブ視聴もできました。計5台のカメラで撮影していたらしく、アーカイブ視聴では、視聴者が好きなようにカメラを切り替えられるらしく、楽しみにしていたのですが、うっかり忘れてしまい視聴期限が過ぎてしまいました。
あらゆる角度から、桐原六花を見たかったのですが。残念……。
終わりに
ピウス企画、次の作品は1月6日から1月17日まで、シアターKASSAIで『虚言癖倶楽部』だそうです。
こちらは配信チケットがなかったので見送り予定でしたが、いま見たらBチームに、あわつまいさんいらっしゃるのです。しかもヒロイン。な、悩む……。