雲上ブログ〜謎ときどきボドゲ〜

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日本語、英語、中国語が飛び交う、世界同時演劇『Lost and Found』の感想


 ノーミーツさんの世界同時演劇と銘打たれた実験公演『Lost and Found』を視聴させていただきました。
 無料の生配信上演をリアルタイムで鑑賞させていただきましたが、実に素晴らしかったです。

劇の概要

 海外からの旅行者や留学生で賑わっていたゲストハウス。
 新型コロナウイルス感染症の影響を受け、閉業を決意したタカハラアラシの一晩の物語。
 荷物の片付けをしながら、かつてゲストハウスを訪れた客人たちと会話すべく、アフリカ、北アメリカ、中国、メキシコ、南アメリカ、ロンドンにテレビ電話を掛けるのであった。

劇の感想

 傑作、でした
 見せ方として主人公のタカハラアラシがいる閉業済みゲストハウスは固定されたカメラで撮っており、各国のキャストとはZoomで繋がっており、ハイブリッドな印象を受けました。
 公演時間は日本においては夜でしたが、通話先は早朝だったりして、夜公演のはずが朝公演みたいなふしぎな感覚でした。各国にいる、様々な言語の使い手たちとリアルタイムに繋がるのは、リモートならではと言えるので、ノーミーツさんが得意とするオンライン演劇の、新たなる扉がまたひとつ開かれたなと感じました


 ノーミーツさんがよく起用するキャストでは、オツハタさんが圧倒的に好きです。
 顔のインパクトが強いのか、脇役に配されることが多いのですが、今回は主役のど真ん中です。
 しかも、シーンの半分くらいは海外のキャストとの対話なので、台詞の半分くらいは英語です。スマートに英語を話しつつ、満面の笑みを浮かべるオツハタさん、マジで格好良くて痺れました。


 ストーリーも良かったですね。
「アサヒって何者?」というフックが序盤の牽引になっており、彼女が旅している最中だと分かってからのアラシの心情の変化、特に後半のAleksandr役Evgeny Klimkinとの対話とOliver役Taz Singhとの対話は、震えるほど良かったです。
 クシダミドリ役の森川色さんも素敵でした。

終わりに

 世界各国との調整その他に、凄まじい手間が掛かっているでしょうに、無料上演という事実に驚きを禁じえません。
 オンライン劇場ZAでアーカイブ配信中ですので、気になった方は是非。