雲上ブログ〜謎ときどきボドゲ〜

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マンガ『xxxHOLiC』の感想(ネタバレあり)

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 CLAMPのマンガ『xxxHOLiC』を読みました。
 と言っても読了したのは9月頃なので、もう3ヶ月ほど前になりますが。思い出を手繰るようにしながら、感想を書いてみます。ネタバレありなので、ご注意ください。

読もうと思ったキッカケ

 壱原侑子のデザインに魅了を覚えて、『xxxHOLiC』と『ツバサ-RESERVoir CHRoNiCLE-』の1巻が発売された頃に、前者の1巻だけ読んだ記憶が薄ぼんやりと残っています。しかし、当時はミステリアスな美女に、不遇な少年がこき使われて、連作短編集に怪異事件を解決していくという、オーソドックスな展開な、今ひとつ魅力が見いだせませんでした。
 その後、著者が西尾維新だからという理由でノベライズの『xxxHOLiC アナザーホリック ランドルト環エアロゾル』は読みましたが、それっきりでした。

 転機となったのは『ツバサ』を一気読みしたことでしょう。
『ツバサ』のネタバレに繋がってしまうので、あまり深くは語りませんが、より深くこの世界観を理解したいという気持ちを抱き『xxxHOLiC』を読みました

疑問は解消されなかった

 と言うわけで『ツバサ』を読み終えたときに抱いた「面白かった! でも、ちょっと不可解なポイントが残る。この疑問は『xxxHOLiC』を読んだら解消されるのかな!?」という想いは、残念ながら解消されませんでした
 物語の完全完結を望む読者としては、非常に納得がいかない結末かもしれませんが、最近は、すべての物語に、きちんと結末が用意されていなくても良いのではないか。と、考えが変わってきたので「これは、これで」と感じました。

xxxHOLiC 籠が最高

 まあ『ツバサ』との関係性や、物語の全体的な結末なんて些細なもの。
 そう思えた直截的な理由が終盤、第186話から、いきなり始まる『xxxHOLiC 籠』が、とにかく最高だからでしょう


『ツバサ』側の物語が進んだことによって、止まっていた時間が動き始め、それによって壱原侑子が消えてしまいます。
 CLAMP理論に基づけば「死んだ人間は生き返らない」の法則は絶対です。侑子さんが戻ってくることはありません。しかし、彼女といつか再会できることを願って、ミセに留まりつづけるという一途なところがとても素敵です
 もちろん、アンニュイな雰囲気にもグッと来ます。煙管をくゆらせるシーンとかね。
 好みの方向性として、ミステリアスな美女がイケメンを使役する話より、イケメンが憂鬱そうに事件を解決する話の方が、何千倍も好きなのです。従って『籠』が始まった瞬間に喝采です。
 しかもしかも、ですよ。
 最終話になっての、突然な時代ジャンプ。これには全身鳥肌が立ちました。
 確かに、百目鬼遙と静の容姿が極めて似通っている点から、いつかやられても気づけないと思ってはいましたが、まさか最後の最後でぶつけてくるとは……。
 吸血鬼物もそうですが、時間の流れに取り残されて、ひとり同じ姿を保ったまま、他の人間とは違う時間を過ごすというのも好き過ぎるのです……。

×××HOLiC コミック 全19巻 完結セット (KCデラックス)

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  • 作者:CLAMP
  • 発売日: 2011/08/26
  • メディア: コミック

『xxxHOLiC 戻』について

 万感の想いを込めて『xxxHOLiC 籠』を読み終えて、深い満足に包まれながら溜め息をついて、そっと『xxxHOLiC 戻』に手を伸ばし、パッと閉じてしまいました。
 感動の別れを告げたはずの侑子が生きていますし、四月一日くんは、またしても侑子さんにこき使われながら、百目鬼と漫才を繰り広げています。
 いや、そういうのじゃないんですよねえ……と言うわけで『xxxHOLiC 戻』は、まだ1話しか読んでいません。いずれ決心がついたら続きを読む予定です。

終わりに

 先だって『東京BABYLON』のアニメ化が告知されましたね。
 同作は1990年から93年にかけて連載されたCLAMP初期の代表作。主人公の皇昴流は『ツバサ』にも登場し、原作が気になっていたタイトルです。次に一気読みするのは『東京BABYLON』ですかね。