『TIMEストーリーズ』シリーズの新サイクルの第1弾『TIMEストーリーズ レボリューション:ハダル・プロジェクト』を遊びました。
2人から4人で遊ぶことができる協力ゲームです。ネタバレには配慮していますが、気になる方は回れ右推奨です。
ゲームの概要
前シリーズは、サブタイトルのない『T.I.M.Eストーリーズ』を第1弾に、『マーシー事件』や『龍の預言』等、計9の追加シナリオが発表されました。
プレイヤーはT.I.M.E機関のエージェントとなり、時空の綻びが生じてしまっている時空間に、自らの精神体を飛ばし、そこで起こっている事件の解決を目指します。
ゲームの基本セットは、シリーズ第1弾の『T.I.M.Eストーリーズ』に含まれており、カードを入れ替えることで多様なシナリオが楽しめるという仕組みでした。従って、基本さえ購入すれば、次から次へと発表される追加シナリオを、どんどん楽しめるわけですが、逆に言えば基本セットを持っていなければ、追加シナリオを楽しむことはできません。
本作『TIMEストーリーズ レボリューション:ハダル・プロジェクト』は、TIMEストーリーズの最新作でありながら、タイトルに「レボリューション」が与えられた新サイクル作品となります。ボードやダイス等を撤廃し、カードだけで楽しめるようになっており、前シリーズにあった欠点が改良されています。
ストーリー的な繋がりはないため、今までのどの作品も遊んでいる必要はなく、この『ハダル・プロジェクト』から、TIMEストーリーズの世界観に飛び込むことができます。
ホビージャパン TIMEストーリーズ レボリューション:ハダル・プロジェクト 日本語版
- 発売日: 2020/11/15
- メディア: おもちゃ&ホビー
ゲームの感想
T.I.M.Eストーリーズは、大好きなシリーズではありますが、残念ながら基本セットに含まれる『療養所にて』の他は『マーシー事件』『龍の予言』『仮面の下』までしか遊んでいません。理由はシンプルで、基本セットは他の方が購入されたのを遊ばせていただいたからです。
シリーズ第5弾となる『エンデュアランス号の航海』以降も気になっているのですが、遊ぶ機会に恵まれないまま、気づいたら定価6600円であるはずの基本セット『T.I.M.Eストーリーズ』にはプレミア価格がついてしまい中古で2万円弱、新品だと5万円のときもあり、気軽に手が出せるレベルではなくなってしまいました。
そんな中、新サイクルということで基本セット不要な本作が出てくれたことは、とてもありがたく、喜び勇んで購入、プレイしました。
クリアに要した時間は3時間50分。
TIMEストーリーズらしいSF感とRPG感が合わさった展開で、非常に堪能しました。
物語的にも、難易度的にも正統派のそれで、新シリーズの第1弾に相応しい内容だと感じました。これならシリーズ未体験の方にも勧めやすいです。
ただ、大きな難点として、ルールの精度が粗いと言わざるをえません。
たとえば、チーム単位で対立しているときに支援ができるかどうかや、どの順番で、どのように処理すればいいのか、ルールが不十分で、しばしばプレイヤ間で協議が発生しました。
また、誤字脱字量も多くて、数えてはいませんが10ヶ所以上は平気でありました。読んで分かる誤字ならいいのですが、用語が統一されていないところもあり、ルール解釈に悩むことも、一度や二度ではなかったです。特に最終盤で入手可能なカードには、致命的なエラッタがあり、ゲームの進行が完全に停止します。
思い返してみれば前シリーズのときから、ルールの分かりにくさは課題だった気がするので、これは日本語版をリリースしているホビージャパンの問題と言うより、Space Cowboys社の問題かもしれません(平易な誤字脱字とエラッタは、ホビージャパンの瑕疵でしょうけれども)。
ゲームとしてのコンセプトや、ストーリーの完成度が良いだけに、ルールや誤字脱字の粗さが目立ってしまい、手放しで褒められないのが非常に心苦しいです。
プレイヤ間で協議しつつのプレイが苦にならない、あるいは気心の知れた仲間と遊ぶ予定であるならばオススメです。
一緒に遊んだぺこらさんとのラジオ
終わりに
苦言を呈してしまいましたが、繰り返しますがゲームの中身は、とても良かったです。
ホビージャパンには、是非『TIMEストーリーズ レボリューション』シリーズの第2弾以降の日本語化も心からお願いしたいですし、『TIMEストーリーズ レボリューション』シリーズを内包する『TIMEストーリーズ レボリューション エクスペリエンス』についてもお願いしたいです。
また、余力があれば大元の『T.I.M.Eストーリーズ』も再販いただけると嬉しいですね。よろしくお願いします。