雲上ブログ〜謎ときどきボドゲ〜

オススメの謎解き&ボードゲーム&マーダーミステリーを紹介しています

天岩庵×Popcorns*『ゲームマーケット2021春(フライング!?)ミニ体験会』参加レポート

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 4月3日に大井町の天岩庵さんとPopcorns*さんの両店で『ゲームマーケット2021春(フライング!?)ミニ体験会』が開催されました。両店は徒歩5分ほどの距離なので、片方に参加したものの時間内にゲームを遊び尽くしてしまったという場合は、もう片方にハシゴできるという素敵な企画です。
 実際に両店をお伺いさせていただき、様々なゲームを遊ばせていただいたのでかんたんにレポートさせてください。

あそびば遊友『この恋に名前はまだない』

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 先に参加したのはPopcorns*さんでしたが、お昼ごはんをのんびり食べていたら30分ほど開場に遅れてしまい、到着した頃には満席という状況でした。10分ほど待ちまして、最初に空いた『この恋に名前はまだない』を遊ばせていただきました。
 東京都葛飾区のボードゲームカフェさんオリジナルのゲームです。4人から6人用の正体隠匿系で、他プレイヤーから情報を引き出しつつ、自分のペアを探すという推理ゲーム。質問に対して嘘をつけず、YES/NOでシンプルに答えなければならない縛りがあるので、嘘をつくのが苦手、正体隠匿系が苦手という方でも楽しく遊べるゲームです。

Studio Turbine『Schadenfreude』

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 タイトルは『Schadenfreude』と書いて「シャーデンフロイデ」と読むそうです。
 マストフォローのトリックテイキングで、2位のプレイヤーがトリックの勝者となり、最初に合計点40点を突破したプレイヤーが現れた時点で、39点以下で最も高い点数を持ってるプレイヤーが勝者となります。イメージ的には突っ走っては駄目、伏せ過ぎても駄目、周りの様子を窺いながら中腰でおそるおそる進むプレイ感です。いろいろなトリックテイキングの良いところが、まんべんなく取り入れられた正統派です。

636GAMES『ノラネコボスネコ』

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『ノラネコボスネコ』はプレイヤーはノラネコとなり、ボスネコの様子を窺いながらゴールを目指すレースゲームです。
 ハンドマネジメントとプロットを組み合わせたシンプルな読み合い系のゲームです。いかに他プレイヤーを出し抜くか、いかに先んじているプレイヤーを蹴落とすかというゲームなのですが、イラストの猫が可愛らしいので、ほんわか遊べるのが良いですね。

カワサキファクトリー『デスキューブ』

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 Twitterで宣伝動画を見て、とても気になっていたゲームです。『デスキューブ』はカワサキファクトリーさんの新作パズルゲーム。24秒以内に安全地帯となるマス目を見つけ出し、いちはやくタイルを取るというリアルタイムゲームです。
 ルールを確認したときは「これ、得意系のゲームだ」と思ったのですが、いざ遊んでみると難しいこと難しいこと。つい、最適解を探してしまいがちなのですが、けっこう色々な可能性が考えられるので、思考の迷子に陥りがちなんですよね。時間が掛かりそうなときは、思い切ってセーフタイルを取るのも有効そうです。
『ウボンゴ』や『ハイパーロボット』等のパズルゲーム好きと楽しく遊べるゲームでしょう。

TUKAPON『狸と茶釜』

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 ビットありのマストフォローのトリックテイキング、切り札はなし『狸と茶釜』
 ビット通りのトリックを取るとボーナス2点が貰えるのですが、トリックの勝者はフォローできなかったカードが優先される、というルールが効いてきます。また、先に他プレイヤーが茶釜カードを出している場合、それより大きい狸カードは茶釜カードの下に差し込んで、隠れることができるというルールも秀逸で、ビット通りになるように調整がしやすいです。
 必要最低限のルールでオリジナリティを出しつつ、しかもトリックテイキングとして面白い。これは広くオススメしたい作品です。

88create『こそドロパンケーキ』

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 ここまでPopcorns*さんで遊べる作品を、ひと通り遊び終えたので天岩庵さんに移動しました。
 最初に遊ばせていただいたのは、パッケージが可愛らしかった『こそドロパンケーキ』。いわゆるバランスゲームで、フォークとナイフを使ってパンケーキのタイルを獲得していきます。ゲームが進んでいくと、アクションに制限が課せられたり、獲得したパンケーキにセットコレクションがあったり、面白い要素が多いです。

符亀『アマロン』

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 傑作『超超長城』をデザインされた符亀さんの新作は、エジプトの「死者の盤」をモチーフとした2人用のアブストラクトゲーム『アマロン』
「死者の盤」は寡聞にして初めて知りましたが、古代エジプトの遺跡から出土した遺物のひとつであり、盤とコマがあることからある種のゲームと推察されているものです。詳しくは、符亀さんが知り合いの、東京大学大学院に通う修士の方がまとめられた文章があるので参照いただきたい。

 古代のゲームについて、ルールが残っていないというのはよく話で、枚挙にいとまがない。しかし、一方でコンポーネントはタイトルは残っているので、そこからルールを推察することは可能である。実際、『チェス』や『将棋』の原型になったと言われるインドの『チャトランガ』は、多くの節があります。
 残っている情報を元にルールを想像して楽しむというのは興味深いアプローチで、非常に稀な体験を得ることができました。ありがとうございました。

HLKT工房『三密サウナ』

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 プレイヤーはサウナ愛好家となり、ととのうことを目指す……と『三密サウナ』は一風変わったゲームでした。
 ととのう。
 ご存知でしょうか?
 私が、この言葉を知ったのは、今からちょうど1年くらい前でしょうか。サウナなハマったひとが「ととのう」について詳細に記述しているブログを読んで、初めてサウナの楽しみ方と言うか、その快感について知りました。しかし、今日に至るまで実践はしていません。「ととのう」を調べているとき、同時にその危険性を示唆するサイトも見たからです。
 閑話休題、『三密サウナ』はプロットとバッティングのゲームで、効率的に風呂場を巡り、最初に、最も「ととのった」プレイヤーが勝利するゲームです。ゲーム自体はシンプルなのですが、とにかく題材が魅力的ですよね。カード効果のフレーバーも面白く、誰かを誘って遊びたくなるゲームです。

久遠堂『ティルナノグを探して』

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 最後は、やや時間が差し迫っていましたが、どうしても遊びたかったので少し無理を言って久遠堂さんの新作『ティルナノグを探して』を遊ばせていただきました。
 ルールを聞いたときはシンプルなゲームだと感じましたが、ゲームを始めて一巡したところで膝を打ちました。これはすごいゲームですね。思い切って様々なものを削り取り、ハンドマネジメントの部分を極限まで高められた、鋭いナイフのようなデザインです。とても好みです。1日の最後にこういうエレガントなゲームを遊べると嬉しくなりますね。

終わりに

 と言うわけで、以上9作を遊ばせていただきました。
 天岩庵さん、Popcorns*さん、そして参加されていた皆様、ありがとうございました。