くじらだまさんのゲームマーケット2021春の新作『トランペン』を遊びました。
2人から6人まで遊べるカードゲームです。
ゲームの概要
コンポーネントは、何度も書いたり消したりできる白紙のカード54枚、ホワイトボードペンが6本、そしてイレーサーです。
白紙のカードに、プレイヤーがペンで数字やスートを書き込んで、トランプゲームを遊びましょうというアイデア優先なゲームです。「トランペンポーカー」「トランペンスピード」「トランペントリックテイキング」「トランペンブラックジャック」の計4ルールが用意されていますが、遊び方は無限大なので、新たなルールを考案し、自由に遊ぶことも可能です。
ゲームの感想
ひと通り遊びましたが、特に面白かったのは「トランペントリックテイキング」です。
量子ゲーム的な面白さがあります。
たとえば『量子人狼』は、ゲーム開始時、プレイヤーは人狼であり、村人であり、占い師です。日ごとに襲撃し、処刑し、占っていきます。そうして、じょじょに可能性が収束し、ある日、いきなり終わったりします。
たとえば『量子将棋』は、ゲーム開始時、すべての駒は、どの駒でもありえます。しかし、一歩前進した瞬間に桂馬や角の可能性を失い、さらに横に動いた瞬間に、王・飛車・金のいずれかでしかありえなくなります。
『トランペントリックテイキング』も言ってみれば、量子トリックテイキングです。ゲーム開始当初、手札には無限の可能性がありますが、たとえば5人で遊んでいるとき、自分より前の手番のプレイヤーが4人連続でJのカードを出すと、5枚目のJはありえないので、もし手札にJを持っていたら、プレイできなくなるのです。
ルールはトリックテイキングですし、やっていることもトリックテイキングですが、その本質は、どちらかと言うとバッティングであり、読み合いであると感じました。でも、ゲームとして非常に面白いですし、過去に類を見ないものです。
ひとりのトリックテイキング好きとして、新しいタイプのトリックテイキングが遊べたことに感謝します。
終わりに
アイデア次第でいろいろなゲームを遊ぶことができるようになる、素敵なコンポーネントです。
コンポーネント、という観点で言えば、カードの出来がたいへん素晴らしく、イレイサーで消したら、きれいに消えるのです。かなり材質が良いものを使っていると考えられます。