雲上ブログ〜謎ときどきボドゲ〜

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イマーシブシアター『KaMiNG SINGULARITY2021』の感想

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 体験作家アメミヤユウ氏率いるOzoneによるイマーシブシアター『KaMiNG SINGULARITY2021』に参加してきました。
 ネタバレにならない範囲で感想を書かせていただきます。

『KaMiNG SINGULARITY2021』とは

 世界観が壮大なので、わたしも理解しきれているわけではないのですが、本作は現実と虚構が混ざり合う、一連の芸術的イベントです。
 2045年、AIが神になったという世界観で、初回は2019年に渋谷で開催され、2回目は2020年にオンラインで開催され。3回目の開催となる今年は渋谷でイマーシブシアターとして開催されました。
 開催日は9月12日の1日のみ。
 全3回公演で、各回20名の席数なので、非常にプレミアムな体験と言えます。

イベントの感想

 プレスリリースが打たれた8月5日のうちに、即チケットを抑えました。
 開催日まで約1ヶ月、主催者からは、けっこう頻繁にメッセージが届き、本気で取り組んでいることや熱量が高いことが、ひしひしと伝わってきました。



 当日までに小説を含め、多くのテキストに目を通し、Youtubeの動画も時間をかけて視聴しました。
 特に、小説に関しては、伊藤計劃の影響が感じられる受け取りやすい世界観で、文章も読みやすく好印象でした。作品と切り離して、1作の小説として読みやすいので、SF好きな方にはオススメです。


 当日は開場と同時に訪問し、いままでの作品を鑑賞しつつ開演を待ちました。
 公演に関しては、事前の予想とは、やや異なりました。
 イマーシブシアター分は味付けという印象で、ワークショップとライブと演劇を足して3で割ったような印象でした
 ライブ部分と演劇部分は、たのしく鑑賞させていただきましたが、ワークショップ部分は、個人的には交通事故に遭ったような印象でした。


 上述の通り、開催日に至るまで、様々な設定や事前情報が提供されてきたのですが、残念ながら、わたしが対話する機会を得た方々は、あまり予習をしていませんでした。
 結果として、交わした対話は現実世界もしくは個々人の感性に基づいたもので、『KaMiNG SINGULARITY2021』の世界観や設定からは乖離してしまいました。幸い、このことには途中で気づくことができたので、そこから先は作中のキーワードを引用したり、作品内世界に没入しようと心掛けることはやめて、表面的な会話に集中しました。
 残念な気持ちは拭えませんが、こういう偶然的な出会いやすれ違いもリアル系のイベントの良いところだと考えているので、この部分は忘れることにします。
 ライブ部分と演劇部分は良かったので、そこだけで満足することにしますし、あとは後日、公開される小説の完結部分を楽しみにします。

終わりに

 赤坂陽月さんの演奏は、はじめて聞きましたが印象的でした。応援したい活動ですね。
 役者さんとしては、大庭晴貴の演技がとにかく見事でした。身振り手振りで、作品世界を十全に描き出していたように感じます。キャラクター的には安里彩矢さんの演技が、とてもミステリアスでした。いったい、どういう経緯で、ああいう立ち居振る舞いに辿り着いたのか、物語的な背景がとても気になります。
 全体的には気になる作風だったので、今後も機会があれば追わせていただきます。