お誘いいただいて演劇ユニット グワィニャオンさんの『マツバラQ』を観劇させていただきました。
実質最前列で楽しむことができたのですが、ほんとうに「楽しい」公演で最高の体験でした。
作品の概要
新選組四番隊組長松原忠司
https://www.guwalinyaon.com/%E3%83%9E%E3%83%84%E3%83%90%E3%83%A9q-%E7%89%B9%E8%A8%AD
柔術の使い手で、最後は愛する女と心中したと伝えられる謎多き男。
出版社に勤める三人のOLは、この隊士の本を作ろうと奮闘するが、
かつて新選組小説でベストセラーを出した上司たちは
首を縦に振らなかった。
新選組における謎めいた隊士である松原忠司に焦点を当てた作品です。
劇の感想
激烈に良かったです。
演劇は、眼前の舞台上で繰り広げられる物語を鑑賞するものですが、創作形態としては、わりと脆いところがあると感じています。
客席にいる鑑賞者が悪意をもって、その進行を阻害しようとすれば、たやすく影響を与えることができるからです。たとえ悪意がなかったとしても、たとえば咳払いやクシャミ、スマートフォンや腕時計のアラームなど、意図せず悪影響を与えてしまうことは往々にしてありえます。
わたしは演劇を見るのが好きですが、その一方で、自身の振る舞いによって劇を台無しにしたくないという想いが強く、ときとして緊張してしまい、落ち着いて観劇できないことがあります。
本作も、はじめての劇団だったので、最初は息を詰めて舞台上を見ていました。
しかし繰り返されるギャグに、観客の笑いをアドリブしてでも引き出そうとしてくる役者さんを見て、
ああ、声に出して笑っていい系の劇団さんなんだ
と途中で気づくことができました。
気づいてからは「笑いを堪らえなきゃ」という気持ちを捨てることができ、肩のちからを抜いて、より作品内世界に入り込むことができました。
舞台上と客席との間にある第四の壁が、ぐーっと拡大されて客先を飲み込むようなイメージです。
そして、舞台上で一体化するようにして見たからこそ、終盤の展開には胸を掴まれ、感動しました。とても良かったです。
役者さんとしては、やっぱり山口勝平ですかね。
56歳とは思えない軽やかな動きに、充実した殺陣のシーンには拳を握りました。後、全体的におじさんがカッコよかったですね。おじさんがカッコいい作品は良い作品です。
終わりに
物販コーナーで過去作のDVDを買えば良かったなと帰宅後に感じました。
最高に良かったので、今後はしっかり追いたい劇団さんですね。