新澤大樹さんと田中佳祐さんによる2人用コミュニケーション推理ゲーム『審判にかけられたゾウ』を遊びました。
ネタバレには配慮していますが、気になる方は回れ右推奨です。
ゲームの概要
マーダーデュアルと呼ばれる新しいタイプの作品で『虚飾で彩られたカラス』に続く、シリーズ第2弾です。世界観は共有されていますが、物語も登場人物も一新されているので本作から遊んでも問題ありません。
2種類の事件が収録されており第1の事件は「言葉を使わず」にコミュニケーションを取り、お互いの情報をやりとりして真相に辿り着くことを目指す協力ゲーム。第2の事件は「相手のロールプレイを当てる」という推理要素を持つ非対称ゲーム。
ふたつの事件を通し、動物たちが暮らす童話世界の物語を楽しみます。
ゲームの感想
非常に面白かったです。
本シリーズは、リアル謎解きゲームの要素、TRPGの要素、マーダーミステリーの要素、様々な要素が混然一体となった作品で、そのごった煮感がある種の魅力です。
前作『虚飾で彩られたカラス』は文字通り、すべての要素が一皿に盛られているような印象で、次から次へとメカニクスが襲いかかってくるのが面白かったです。本作はゲームシステムに応じて、事件がふたつに分かれているので、よりプレイアビリティが増しているように感じました。
クリアに要した時間は1時間40分。
全体的に難易度は低めで、難解な謎に挑戦するというより、すこし奇妙な童話世界をふたりで楽しみながらコミュニケーションを交わすところに重きが置かれているように感じました。
したがって「よし、謎を解くぞ! 事件を解決するぞ!」という姿勢が取り掛かるより、「お互いに分かり合おう、楽しもう」という姿勢の方が、より本作を楽しめることでしょう。
終わりに
前作は初版を遊んだので、Bitabyの山中麻未さんがアートワークを手掛けている版は、はじめて遊びました。丁寧な作りで、本としてのクォリティも高く満足度が高いです。
この手のゲームは一度しか遊べないので、その一度の体験が極限まで高められているのが嬉しいですね。