雲上ブログ〜謎ときどきボドゲ〜

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会話をしているだけで物語が進む『エミリーは羊よりも賢い』の感想


 新澤大樹さんと田中佳祐さんデザインによるゲームマーケット2022秋の新作『エミリーは羊よりも賢い』を遊びました。
 2人用のオートマチックミステリー作品です。

ゲームの概要

『エミリーは羊よりも賢い』は2人専用のコミュニケーション推理ゲームです
 自由に会話を交わしながら、相手プレイヤーがあるキーワードを口にしたときに「そうか、そういうことだったのか!」と決め台詞を口にしながら、新たな情報が得られるのが特長です。
 充分に議論を交わし、情報を集め、真相が分かったと思ったら答え合わせを行い、推理が的中していたかどうかを楽しみます。

ゲームの感想

 本作はMurder Dualブランドの第4弾にして、オートマチックミステリー『ベレズフォード邸のネズミ』の続編となります。
 続編としても前作との繋がりは緩やかで、登場人物にベレズフォード一族の人間がいる程度です。したがって本作から遊び始めても、これといった問題はありません。


 オートマチックミステリーの特長は、相手プレイヤーが発したキーワードをトリガーに物語が進むことです
 たとえば、プレイヤーAにとってのキーワードのひとつが「ライオン」であるとき、ふたりのプレイヤーが好き勝手しゃべっているとき、プレイヤーBが「ライオン」というキーワードを口走ったときに、その言葉を契機にプレイヤーAが、ある気付きを得て、新たな情報を入手できる、という仕組みです。
 各キーワードは物語に密接に関わっているものが設定されているため、事件の概要を振り返るだけで、期せずして達成できるものもあれば、相手プレイヤーが、なかなか肝心のキーワードを口にしてくれず停滞することもあります。
 本作においてもキーワードのいくつかは、ストレスを感じることなく出てきたので、スムーズに物語が進みましたが、最終的には、あの手この手で相手に無理やり言わすみたいな展開になり、「体験感とは?」というような場面もありました。
 プレイ中は面白かったのですが、解決編がしっくり来ず、ちょっとモヤモヤが残りました……。

終わりに

 ベレズフォード家を題材としたオートマチックミステリーは3部作を想定されているとのことで、次が最終作になる様子です。
 気に入られた方は、ぜひ最後まで追ってみてください。