ニンテンドースイッチでダウンロードしたゲーム『パスパルトゥー:アーティストの描いた夢』を遊びました。
面白かったので感想を書きます。
前口上なく始まるお描きライフ
オープニングがあって、チュートリアルがあって、ようやくプレイヤーを操作できるようになる。
という、従来のゲームデザインに慣れきっていると、インディーズゲームの無案内さに逆に驚かされることがあります。
ゲームを始めると、プレイヤーは村外れの自宅兼仕事場のような空間に立っており、真っ白なキャンバスに向き合うことだけが許されます。
主人公が何者で、なぜ絵を描いているのか、なにが目的なのか。
説明はまったくありません。
ただ、時間経過と共に、生活費(パン、ワイン代を含む)が所持金から無慈悲に差し引かれています。
とにかく絵を描いて、家の前に飾って、やってきた通行人に買ってもらうのだ。
というゲームの輪郭が本能的に理解させられます。
お絵描きはやり直しの効かないアナログスタイル
アンドゥという概念はありません。
従って、うっかりコントローラーの操作をミスして、無駄な線を引いてしまったとしても、元に戻すことはできません。
受け入れるしかないのです。
レイヤーという概念もありません。
丘の上から海を見下ろす少女を描きたいと思ったならば、まず海を描き、丘を描き、裸の少女を描き、それから服を描くしかないのです。
デジタルなのに信じられないほどアナログです。
絵の価格はAIで判断
描いた絵は、AIでその価値を判断してくれるらしく、値付けが行われます。
通行人たちは、それぞれ固有の性質を持っていて、ひとによっては高値をつけてくれますし、ひとによっては見向きもしてくれません。
特定のタイプの絵を描きつづけていると、そのタイプの絵のファンのひとが評価してくれたり、スポンサーになってくれたりして次のステージに進むことができます。
絵はこだわろうとすれば、どこまでもこだわれるので、2~3時間でクリアできるひともいれば、10時間以上を投じて1ステージしか進めないというひともいることでしょう。
秋山の描いた絵
ぺこらさんの描いた絵
終わりに
ここで紹介した絵は、Switchの機能を使って撮影したスクリーンショットです。
一度、売ってしまった絵は、二度と見返すことができません。限りなくリアルな画家体験が得られるデジタルなのにアナログ感のあるゲーム。それが本作『パスパルトゥー:アーティストの描いた夢』です。