GOTY 2021を席巻したHazelight Studiosの『It Takes Two』を遊びました。
2人専用の非対称要素を持つ協力ゲームです。
ゲームの概要
喧嘩の絶えない夫婦、コーディとメイ。
離婚を決意したふたりに対し、仲直りを望む娘は、本に書いてあった魔法の儀式を試します。
不意に意識を失ったコーディとメイは、ふと気づくと精神が小さな人形に閉じ込められている気が付きます。ふたりは人間に戻るため、手を取り合って冒険の旅に出ます……。
ゲームの感想
離婚を控えたふたりが人形になってしまい、人間に戻るために協力する。
ストーリーを見た瞬間に「こんなの絶対に傑作じゃん!」そう確信しました。
そして、実際に、
傑作でした。
クリアに要した時間は16時間。
攻略サイトを1回も見ることなく、最後までノーヒントで駆け抜けました。
アクションが大の得意というわけではありませんし、途中、謎解きで詰まった場面も少なくなかったので、16時間というプレイ時間でしたが、長くもなく短くもなく、適切に感じました。
最後まで、まったく飽きることなく、終始、ウキウキとした気分で楽しく遊ぶことができたのは、なんと言っても快適な操作性でしょう。
とにかく直感的に操作できるので、コントロール捌きという点において、困惑する場面は、ほとんどありませんでした。
また3Dアクションではありますが、難易度は極めて低く感じました。
何度、死んでも、なにひとつペナルティを負うことなく、秒で復活できるので、とりあえずやってみるの精神で試行錯誤できます。
判定が甘いのも良かったですね。
連続ジャンプしながら、なにかを掴まないといけないシーンでも、とりあえずボタンを押しさえすれば、物理法則を無視して、無理くり掴んでくれるので、かなりアクションゲームが苦手という方でも、なんとかなるレベルです。
謎解きの難易度は適切に感じました。
見た瞬間に、なにをすればいいか分かる場面がある一方で、とりあえずやっているうちに突破できたということも少なくありません。
また、一定時間、ひとつのシーンで滞留していると、
「向こう側にいきたいんだが、どこかにロープを引っ掛けられないかな?」
みたいな自然な独り言をキャラクターが言ってくれるので、ちょうどいいヒントになりました。
非対称性が高いのも、おおきな特徴でしょう。
通常、この手のゲームでは、どちらのプレイヤーもできることは同じなので、たとえば片方が支えて、その間にもう片方が駆け抜けるみたいな作戦を立てますが、本作の場合、キャラクターごとに装備が異なり、明確にやれることが異なるというステージがほとんどです。
従って、どちらかが縁の下の力持ちになって、どちらかが活躍するという一方的な展開にはならず、お互いがお互いを支え合って進んでいくという体験が得られます。
プレイ感という観点でも、両プレイヤーの受け取り方はバラバラなので、なんだったらキャラクターを入れ替えて2周、遊ぶ楽しさもありそうです。
後は、やっぱりストーリーですね。
このストーリーで、ふたりが仲直りしないわけがないじゃないですか。
ふたりとも毒舌キャラで、しょっちゅう毒づいているのですが、ラストに待っているであろうハッピーエンドを思うと、微笑ましく見守ることができました。
終わりに
何もかもが完璧で、人生で遊んできたゲームのなかでも五本の指に入る面白さだったのですが、ただひとつ瑕疵があるとするならば、キューティを巡るシーンでしょう。
あのシーンの残酷さ、残虐さは、ちょっと理解できませんでした。
百歩譲って、コーディとメイのために必要なシーン、必要な犠牲だったとして、ふたりが後に反省して、キューティに対して謝り、何かをするシーンは必須だったと思います。