雲上四季〜謎ときどきボドゲ〜

本と涙と謎解きと、愛しさと切なさとボードゲームと

説得力

 自分は幽霊を見たり、幽霊の立てる音を聞いたり、シックスセンス等で幽霊を感じたことがありません。ですから、積極的に幽霊の存在性を証明できるわけではないのですが、攻撃してくる幽霊でなければ、いてもいいかなという風に考えています。最もこれは、幽霊という存在(或いは、現象)について思考した末に至った結論ではなく、幽霊という概念が定義する必要のないリストに入っているからです。
 まあ、幽霊の話はわりとどうでもいいんですが。何かを信じるには、根拠が必要だと思います。つまり現実に見たり聞いたり、或いは科学的に証明されていたり、例やデータがあれば信じてしまうということです。つまりは説得力ですね。
 自分は坂本竜馬に会ったことはないですが、彼の実在を証明するデータがあるから、まあ、まず間違いなく実際にいた人物なのだろうと思ってます。けれど、チンギスハンの正体が源義経であるというのは、確固たる証拠がないので、そうだと面白いねぐらいです。


 さて、フィクションを書くのであれば、この説得力が重要になると思います。
 例えばミステリの場合、密室を使って殺すよりも、手っ取り早く拉致って東京湾に沈めるか、殺し屋を雇った方が、ずっと確実です。顕著なのは、船を舞台とした殺人。「海に突き落とせばいいじゃん」というミステリファンを敵に回すような、突っ込みができます。けれど、船上の二重密室アリバイ有り動機無しであっても「こうしなければ、殺せなかったんだ!」という必然性を示せば、「ああ、こういうトリックが使えるんだったら、海に突き落とすより、こちらを選択するな」と読者は信じてしまいます。
 ファンタジィであれば「魔法を使えよ、魔法を」、ホラーであれば「さっさと警察に保護して貰え」、恋愛物であれば「いいから、告っちまえよおおお」、等々。
 理由を説明し、例を挙げ、根拠を示す。
 フィクションだからこそ。説得力に欠け、現実味が薄いことは許されないのかもしれません。おしまい。