半年ほど前のゲームで恐縮ですが、スクウェア・エニックスから出ている『すばらしきこのせかい』をプレイしました。今日はその話をちょっと。
- 出版社/メーカー: スクウェア・エニックス
- 発売日: 2007/07/27
- メディア: Video Game
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すばせかとは──、
『キングダムハーツ』や最近の『ファイナルファンタジー』等で知られる野村哲也がキャラクタのデザインを行っていることで、わりと知られているのではないかなと思います。公式サイトのデザインがシャープであったり、音楽が格好いいので発売当初から注目はしていたのですが、当時はゲームに割ける時間があまりなかったのでスルーしていました。
で、最近になって興味が再燃して、入手してプレイしてみたのですが、これが激烈に面白くて驚きました。
舞台はアンダーグラウンドと呼ばれる現実とは異なる世界にある渋谷。そこでは現実世界において死んでしまった人々が、自らの生き返りを賭けて「死神のゲーム」に参加していて、見事に勝ち残ることが出来れば生き返ったり、はたまた死神になることも可能……というストーリィなんですが、正直なところ秋山にとっていちばんの魅力はストーリィやシステム、ゲーム性ではなく、やりこみ要素とすれ違い通信によるフレンドショップの存在です。
フレンドショップとは──、
このゲームで初めて知ったのですが、ニンテンドーDSにはすれ違い通信という機能が搭載されていて、文字通り、すれ違い通信モードにしているDSを持っているひと同士がすれ違うだけで通信が成功するみたいです。
『すばせか』の場合、すれ違い通信に成功するときに、そのときの進行度合いやアイテムコンプ率などのデータが交換されるだけでなく、装備しているバッジやアイテムを相手のゲームに売りに行くことができるのです。これが、いわゆるフレンドショップで、店員や背景を変更したり、装備しているバッジやアイテムを工夫することで、オリジナルの店舗を作り出すことができるのです。これが、かなり楽しいのですよね。
今でも渋谷を1時間ぐらい歩き回ると、けっこうすれ違えることがあって、見知らぬプレイヤーのゲーム内に、自分好みにアレンジを効かせたショップを出店させることができます。それにプレイし始めた頃なら、序盤では入手しづらかったり、手に入らなかったりするレアアイテムを、フレンドショップから安価で購入することができますし。また、他のプレイヤーが自分のショップでなにかを買ってくれると、次にすれ違ったときに売上金が入ってくるのも地味に嬉しいですね。
ストーリィとキャラについて──、
さっきはちょっと流してしまいましたが、ストーリィとキャラも悪くないです。
自意識であったり世界であったり、ちょっと中二病っぽいところもあるのですが、10代20代をターゲットにしているのでしょうから、まあ、仕方のないことでしょう。……と! プレイしている最中は思っていたのですが、1度クリアして、2週目から手に入るシークレットレポートを回収し始めて愕然としました。
『すばせか』の世界観を、端的に表現すると田中ロミオです!
なんと言えばいいのでしょう、あの、いかにもありがちな世界観と登場人物で平凡だなあと思わせておいて、いきなり斜め四十五度の角度からかめごうら割りを食らわせるような不意打ち。まさにあれです。シークレットレポートを集め始めてから、何度も絶句しました、それまでの世界観が何度も何度も音をたてて瓦解していくのです。ループ物やパラレルワールドのようなタイプの作品が好きなひとは、要チェックだと思います。
キャラはどうかなあ……秋山はハネコマとゼタのふたりが好きですが、攻略サイトなどで実施されている人気投票などを見るとヨシュアが人気だったりして、やっぱり、腐女子票なのかなあ……。
YouTubeを見てみたら公式のデモと、ゼタで作った盗んでいきましたシリーズを見つけたので張っておきます。ゼタの盗んでいきましたは、ちょっと「恋の三角関数☆」っぽいですよね*1。
システムとゲーム性について──、
あまり多くのゲームに触れていないのでよく分からないのですが、システムには新規性を覚えました。
タッチペンを使って、スラッシュしたりドラッグすることで攻撃するのですが、けっこう感性に因るところが大きいので慣れるまでは、何度か負けました。が、一度、慣れると自由自在に戦場を制することができ、爽快感という意味では『戦国BASARA』に通じるところもあるような。バッジの組み合わせによってコンボを繋げることができるので、嵌め技を探すのも楽しいですし。
前述のやりこみ要素も充分で、すれ違い通信を多用するとわりとかんたんにコンプできてしまうのですが、やはりひとりでちまちまと揃えるのが燃えますよね。
特に秋山がいいなあと思ったのは、敵が落とすバッジの確率の低さ。レア度の低いバッジなら10%とか20%とか、まあ、常識的な確率なのですが、レア度の高いバッジとなると0.1%とかになるのです。で、そんなのはとてもじゃないですが手に入らないわけですが、ここで面白いのが「レベルを下げる」という概念。
主人公のレベルを戦闘時に下げることができるのです。そして、下げた分だけドロップレートが上がり、バッジの入手率が上がるのです。つまり、レベル10のプレイヤーが、レベル5で戦闘に望むと、入手率は5倍となり、20%の確率で手に入るはずだったバッジが100%の確率で手に入るのです。つまり、0.1%のバッジでもレベル100からレベル1に下げて、さらに5連続バトルに挑めば50%の確率で入手できるので、これならかなり楽に手に入ります。が、当然、レベルを下げれば、それだけHPも下がってしまい戦闘が難しくなりますし、連戦にすればするほど限られたHPで多くの敵を倒さなければならないことになります。どこまでレベルを下げるか、どこまで連戦するか、このバランスが堪らない魅力なのです。
おわりに──、
なんだか、まだまだ語れるのですが、これぐらいにしておきます。
発売から半年が経過し、中古でなら2000円台で入手できるので、春休みとかでちょっと暇があるひとにお勧めしたいと思います。オフ会等で秋山に会う機会のあるひとがいれば、すれ違い通信でコンプに協力しますよ。
*1:あ、North-Tの新作うpされてる。聞かなきゃ……。