ほらボド! のmomiさんがTwitterで褒めているので見てみました『残酷で異常』。
と言うわけで、ここが面白かった! です!! というお話。ネタバレありなので、まだ見てないひと、ネタバレ受けたくない方は、どうぞ、今が回れ右する最後のチャンスです!!(はやい)
救いを感じられる結末
ストレートに言ってしまうけれど、やっぱり落ちが良かったですね。
タイムループ物は、基本的にループしている主人公が、悲劇的な結末を回避するために、ありとあらゆる手段に講じるのだけれど、最終的に絶対に悲劇的な結末に陥ってしまって、絶望する。というのが、ひとつのテンプレートです。
この悲劇的な結末から脱却するために、主人公が取ったとんでもない手段。
この手段がぶっ飛んでいるんだけれど、ぶっ飛んでいない。何よりも主人公自身が納得して選び取っている。その快活さに、心の底から良いなと感じ、誰にも気づかれていないけれど救われたのだなと感じました。
他作品とのループの差異
この作品におけるループは、非常に興味深いなと感じました。
それは、情報量が増えるということ。
おそらく初回のループでは、何でもないことであったが故に、主人公の記憶が抜け落ちてしまい、その結果、映像にも反映されていないのでしょう。
それは、たとえば服に残った染みです。
最初に見ていたとき、あの緑色の染みは、いつの間にか主人公の服に付着していて「あれ、なにか見落としたかな?」と違和感を抱きました。
しかし、主人公がループを繰り返し、シーンとシーンの間に、忘れられていたシーンが挿入され、ディテールが補完されることによって、当初、あのシーンが割愛されていたのは主人公自身が忘れていたからだと気づきました。
そして、その後、当初、妻を殺したシーンがなかったのは、主人公が、妻を殺したシーンを、自分の人生から割愛したかったからではないか、と思い至りました。
ちょうどよい重さ
見始める前は「パッとしないタイトルに、パッとしないパッケージ画像」と思いましたが、90分という時間も含めて、すべてこれで良かったんだと見終えた今は思います。
これくらいの重さがちょうど良いと言いますか、ちょっと長めのショートフィルムみたいな感覚で見られて良かったです。
終わりに
アマゾンプライムで無料だったから見たのですが、想像以上に面白くて良かったです。
掘り出し物の映画、どんどん見たいですね!