雲上ブログ〜謎ときどきボドゲ〜

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すゞひ企画オンライン公演『ある冴えない男の人生最悪の選択』の感想

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 すゞひ企画さんの演劇×体験型ミステリーONLINE『ある冴えない男の人生最悪の選択』に参加しました。
 非常に素晴らしい体験でした。ネタバレには配慮していますが、気になる方は回れ右推奨です。

ゲームの概要

これは、演劇中に起こる殺人事件の犯人やトリックを、あなた自身が物語の登場人物として捜査に参加し、真相を解き明かす体験型ゲームイベントです。
『ある冴えない男の人生最悪の選択』では、あなたが大学の元同級生たちと参加した「オンライン飲み会」の最中に殺人事件が発生します。

http://www.suzuhi-kikaku.online/worstchoice

『カーテンコールは終わらない』『紫陽花と君と止まった時間』『作家Qと解答者Aの不思議な関係』『ルートだけが知る手紙』『9月31日の花嫁』『サラバ、偉大な魔法使い』……演劇×体験型ミステリーと銘打たれた、リアル体験型ゲームイベントを繰り広げてきたすゞひ企画さん。
 今回の『ある冴えない男の人生最悪の選択』は、この演劇×体験型ミステリーをオンラインイベント化したものです。

ゲームの感想

 まず、最初に。
 今回、すゞひ企画の鈴木さんとして、開催にあたって思うところあった様子で、

僕はオンラインが嫌いです。
なぜなら僕は圧倒的に「リアル」が好きだからです。
「オンライン飲み会」「オンラインゲーム」「オンライン勤務」などなどありますが、絶対にリアルの方が楽しいよねって思っちゃうのです。
それに人間関係だって、リアルでさえなかなか伝わらないことが多いのに、パソコンやスマホなどのフィルターを通してしまうと、人間の気持ちなんか1%も伝わらないんじゃないかなと思うのです。

http://www.suzuhi-kikaku.online/worstchoice

 こんな心中を吐露されていました。
 いったい、どういう内容になるんだろうか──?
 そう思いつつ参加しましたが、端的に言って、


 最高……!


 でした。
 長くインターネットに接してきたからか、個人的にはリアルよりオンラインの方が、居心地のよい瞬間を感じることがあって、だからこそリアル謎解きゲームをはじめ、多くのリアルイベントが、オンライン公演に挑戦しているのを体験し、様々な新作を楽しませていただいているのですが、この『ある冴えない男の人生最悪の選択』ほど、オンライン公演である理由が明確で、オンライン公演でしかできず、そしてリアルイベントを越える魅力に溢れている作品は、他にないでしょう
 作品の形態や演出の仕方、プレイヤーの楽しませ方や展開、トリックに至るまで、すべてが完璧でした


 個人的に良かったのは没入感でしょうか。
「オンラインだからリモートなのに、没入感があるのってどういうこと!?」と思われるかもしれませんが、目の悪い人間にとって、目と鼻の先にある画面で、役者さんと演技をしてくれるのは、細部まで見ることができ、劇場の最前列で観劇する以上の臨場感があるのです。言ってみればS席を超えたSS席
 他の参加者が視界に入らないというのも大きいです。
 画面で繰り広げられている物語に集中できますし……、


 これは、少し気恥ずかしいのですが、秋山は涙もろい方で、ちょっとでも感動的なシーンがあったら、すぐに涙を流してしまうのです。
 さすがに大人なので、人前で泣くのには抵抗があり、照明が落とされているとは言え、会場では泣き出さないように注意しています。そういうシーンに近づき「あ、やばいな」と思ったら、なるべく舞台に意識を向けないようにして、他のお客さんで泣いているひとがいたら、それを見て必死に冷静さを取り戻そうとしたりします。


 涙を堪えながらだと、正直、全然、集中できません
 それが、自宅でひとりならば、どうでしょう?
 誰にはばかることなく、声をあげて泣けるのですから、もう最高ですよ


 作品としての完成度も非常に高かったです。
 すゞひ企画さんの作品は、ふだんから自由度が高く、わりかし自由に捜査を勧められるのですが、今回はオンライン公演でありながらリモートでリアルに関わる場面もあり、巻き込まれている感は健在だな! と感じました
 正直、得点的には、かなり上位に近いのではと感じ、全体で1~2位は難しそうだけれど、個々の枠のなかでは1~2位に食い込めたのでは!? と自信があったのですが、残念ながら246点で順位としては、半分よりちょっと上……という感じでした。

終わりに

 ライブハウスへの自粛要請が解除されましたので、じょじょにリアルイベントも再開していますが、ソーシャルディスタンスをどう解釈するか、また一度、離れてしまった客足をどうするのか。
 課題は多いと思いますが、是非、継続してオンライン公演に取り組んでいただきたいなと個人的には強く願う次第です。